トニー・レオン主演『Fox Hunt フォックス・ハント』――実話を基にした“狐狩り”サスペンスが日本公開へ
香港映画界を代表する名優、トニー・レオンが冷徹な国際金融詐欺犯に扮する最新作『Fox Hunt フォックス・ハント』が、2025年12月26日に日本公開されます。
実話を基にした重厚なドラマと、本格的なガンアクション&カーアクションが融合した本作は、公開前から映画ファンの間で大きな話題を呼んでいます。
作品概要:国境を越える“狐狩り作戦”
『Fox Hunt フォックス・ハント』は、国家をまたいだ巨額金融詐欺事件の行方を追う、中国経済犯罪捜査チームの攻防を描いたアクションスリラーです。
- 公開日:2025年12月26日(金)
- 製作国:中国
- 上映時間:105分
- 監督:レオ・チャン(『ポリス・ストーリー REBORN』)
- 配給:ファインフィルムズ
原題は「猎狐行动(猟狐行動)」、英題は「FOX HUNT」。
“猎狐(フォックス・ハント)”とは、中国当局による国外逃亡犯追跡作戦を指す言葉であり、この映画はその実在の取締りをモデルにしたフィクションとして構成されています。
あらすじ:7年逃亡を続けた男と、執念の捜査官
物語の中心となるのは、上海を拠点にした大規模な金融詐欺事件の首謀者、ダイ・イーチェンと、その行方を追い続ける経済犯罪捜査官イエ・ジュンです。
7年間の逃亡の末、ダイはフランス・パリに姿を現します。
中国の経済犯罪捜査官イエ・ジュンは、「フォックス・ハント」と呼ばれる特別チームを率い、盗まれた資産の回収とダイの身柄確保を目指して、国境を越える危険なミッションに乗り出します。
しかし、ダイは複数の顔と人脈を持つ、計算高い国際指名手配犯。
各国の法制度や国際政治、巨大マネーが複雑に絡み合う中、捜査は一筋縄ではいきません。
追う者と追われる者の攻防は、やがて単なる「悪 vs 正義」の構図を超え、人間の矜持(プライド)や欲望がむき出しになる心理戦へと発展していきます。
キャスト:トニー・レオンの“ヴィラン”像に熱視線
本作で最も注目を集めているのは、やはりトニー・レオンの役どころです。
- ダイ・イーチェン(ダイ):トニー・レオン
国際指名手配犯にして、巨額金融詐欺事件の首謀者。いくつもの顔を持つ計算高い男で、その一挙手一投足が物語をかき回します。 - イエ・ジュン:ドアン・イーホン
経済犯罪捜査チームを率いるリーダー。逃亡を続けるダイを、国境を越えて執念深く追い詰めていく捜査官です。 - 共演:オルガ・キュリレンコ、オリヴィエ・ラブルダンほか
トニー・レオンは『インファナル・アフェア』シリーズや『無名』『シャン・チー/テン・リングスの伝説』などで知られるアジアを代表する名優ですが、本格的な“悪役”を前面に押し出した出演は比較的珍しく、その点が多くの映画関係者やファンの期待を集めています。
各界著名人のコメント:沈黙と笑みで物語を支配
公開を前に、本編映像の一部が解禁されると同時に、俳優やライター、お笑い芸人など各界の著名人から応援コメントが寄せられています。
- 視線と沈黙で物語を掌握
俳優からは、「陰と静を纏うトニー・レオンが、視線と沈黙、不敵な笑みで物語を掌握する」と、その一挙手一投足が場面を支配していると評価する声が上がっています。 - “狐”を演じるにふさわしい俳優
お笑い芸人・タレントからは、「不敵に笑うトニー・レオンを見て、こんなにも狐を演じるのにふさわしい俳優はいないと思いました」と、妖しくも魅力的な悪役ぶりへの賛辞が寄せられています。 - “悪役だけど実質主役”
ライターからは、「今、妖しげな大物犯罪者役が最も似合う男」「悪役だけど実質主役」といったコメントも。
頭脳戦とカーチェイスの要所で、トニー・レオンの存在感が物語の“重心”となっていることがうかがえます。 - 長年の願いだった“悪役”への挑戦
あるコメントでは、「もう何年も前に、このような悪役をやりたいとトニー自身が語っていた」とも触れられており、『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』など近年の役柄と合わせて、トニー・レオンが多面的なキャラクターを自在に演じ分ける段階に入ったと評されています。
こうした言葉からは、トニー・レオンの“怪物的な存在感”こそが本作の最大の見どころであることがはっきりと伝わってきます。
アクション:パリを舞台にしたガン&カーアクション
『Fox Hunt フォックス・ハント』は、「経済犯罪」「金融詐欺」という一見地味にも思える題材でありながら、アクション映画としてのスケール感が大きな魅力となっています。
- パリを舞台にしたガン&カーアクション
舞台のひとつとなるパリの街並みを活かし、銃撃戦とカーチェイスが繰り広げられます。
正面衝突や猛スピードのジャンプなど、スリリングなカーアクションが「圧巻」「嵐のような車両破壊」と評されています。 - 韓国式リアルアクションとフランス流カースタント
コメントの中では、「韓国式のリアルなボディアクション」と「フランスのカースタント技術」の融合にも言及されており、各国のアクションノウハウが集結した緊迫感あふれる映像に仕上がっていることがうかがえます。 - アクション監督陣
中国・韓国・フランスそれぞれのスタッフが関わり、ガンアクションとカーアクションが有機的につながる構成になっていると紹介されています。
経済犯罪ものながら、「大人しい頭脳戦だけの映画ではない」という点が、本作の大きなセールスポイントと言えるでしょう。
物語のテーマ:金融犯罪と“人間の矜持”
本作のベースには、実際に行われた金融犯罪と国外逃亡犯追跡作戦が存在します。
ここから描かれるのは、単なる勧善懲悪ではなく、より複雑な人間ドラマです。
- 国境を越える金融犯罪
ダイが仕掛けるのは、国家をまたぐ巨額の金融詐欺。
被害は一国では収まらず、政治・経済の利害、国際協力の難しさなど、現代社会が抱える問題が背景にあります。 - 狐狩りが暴く「人間の矜持」
公式サイトでは、“国境を越えた金融犯罪をめぐる狐狩りは、人間の矜持を暴いていく”と紹介されています。
追う側・追われる側のどちらも、正義感や使命感だけでなく、名誉、恐怖、欲望といった感情に突き動かされています。 - 心理戦としての魅力
多くのコメントが、トニー・レオン演じるダイの「表情で語る心理戦」を高く評価しています。
言葉数は少なくとも、その微笑みや沈黙が、次の一手を読んでいることを観客に想像させ、「次は何を企んでいるのか」と画面に引き寄せられる、と語られています。
アクションスリラーとしてのスピード感に加え、追跡劇を通して人間の本性を描き出す物語性こそが、『Fox Hunt フォックス・ハント』を他の犯罪映画と一線を画す作品にしていると言えます。
本編映像解禁と話題のレビュー
公開を目前に控えたタイミングで、本作の本編映像の一部が解禁されました。
中国公安警察「フォックス・ハント」チームと、トニー・レオン演じるダイとの緊迫した対峙シーンが公開され、ネット上ではその迫力ある映像と、トニー・レオンの妖しい存在感に注目が集まっています。
一方で、映画ファンの中には、国ごとの表現規制や制作上の制限に触れ、「国の制限のせいで残念な仕上がりになっている部分がある」と指摘する声も見られます(Kさんのレビューより)。
このような意見は、中国映画が国際市場に出る際にたびたび話題となるテーマでもあり、本作に対しても、社会派としての深掘りをもっと見たかったという期待の裏返しとも受け取れます。
ただし、こうした意見と同時に、「最後まで目が離せない」「エンドロールまで引き込まれた」という高評価も多数寄せられており、エンターテインメントとしての完成度は高いとする声が目立っています。
トニー・レオンと“金融サスペンス”の親和性
ここ数年のトニー・レオンは、『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』など、金融犯罪や巨大ビジネスを背景にした作品への出演が続いています。
『Fox Hunt フォックス・ハント』も同じく金融サスペンス+アクションの系譜にあり、彼のキャリアの流れの中で見ても、非常に興味深い一本です。
- 緻密な頭脳戦が求められる世界
- 莫大な資金が動く陰の取引
- 感情を表に出さない交渉や駆け引き
こうした要素は、感情表現を抑えた静かな演技の中に、深い内面を滲ませるトニー・レオンのスタイルと非常に相性が良く、「静」の芝居がサスペンスを増幅させる効果を生み出しています。
これから映画館に行く人への見どころガイド
『Fox Hunt フォックス・ハント』をこれから観る方に向けて、押さえておきたいポイントをまとめてみます。
- トニー・レオンの“悪役”を堪能
不敵な笑み、わずかな視線の動き、長い沈黙——セリフだけでなく、表情そのものが物語る演技にぜひ注目してみてください。 - パリを駆けるアクション
石畳の街路や橋、狭い路地など、パリならではのロケーションを活かしたカーアクションとガンアクションは、大きなスクリーンでこそ真価を発揮します。 - “狐狩り”の心理戦
追う側と追われる側、それぞれの立場から物語を眺めてみると、単純な正義と悪の物語ではないことに気づかされます。
誰が何のために動き、どこまでが正義と言えるのか——そんな視点で観ると、より深く作品を味わえるでしょう。 - 実話ベースというリアリティ
「これが実話を基にしている」と知った上で鑑賞すると、映画の中の出来事が決して“遠い世界の話”ではないことを実感できるはずです。
アクション映画として楽しむことはもちろん、現代社会におけるマネーと権力の問題を考えるきっかけにもなり得る一本です。
おわりに:トニー・レオンの新たな代表作となるか
『Fox Hunt フォックス・ハント』は、
- 実話を基にした金融スキャンダルのスリル
- パリを駆け抜ける本格アクション
- トニー・レオンが演じる妖しくも冷徹なヴィラン像
これらがひとつに結びついた、非常に密度の高いアクションスリラーです。
各界から寄せられたコメントが示しているように、多くの観客が「トニー・レオンから目を離せない」体験をすることになりそうです。
金融犯罪ものが好きな方はもちろん、普段は社会派映画をあまり観ない方でも、分かりやすいサスペンスとアクションとして楽しめる作品になっています。


