NHK朝ドラ『ばけばけ』に新風!高石あかり演じるトキとトミー・バストウが演じるヘブン――ふたつの出会いが生み出す物語のうねり

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(月〜土 前8:00 NHK総合)は、明治時代の島根県松江市を舞台に、没落士族の娘トキ(高石あかり)が日々の生活を模索する中で、さまざまな人々と出会いながら人生を切り開いていく物語です。物語のモデルは、作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツであり、明治日本の急速な西洋化の中で埋もれていった人々や、怪談を愛する夫婦の日常が、温かくもユーモラスに描かれています

この秋、特に注目を集めているのが、第21回でついに登場した外国人英語教師ヘブン(演:トミー・バストウ)。彼の来日が、松江の人々――とりわけトキ、そして周囲の登場人物たちの心にどのような波紋をもたらすのかに関心が集まっています

「ばけばけ」の物語と高石あかりの魅力

「ばけばけ」は第113作目となるNHKの朝ドラ。主人公トキは、没落した士族の娘として苦しい生活を送っていましたが、その明るさと芯の強さでたくましく生き抜いていきます。主演を務める高石あかりは、今作が民放連続テレビ小説初主演であり、これまでドラマや映画で培ってきた実力派として注目されています。

  • トキは「売られたケンカは買う」「けっこうちゃんとしていた子」という両面性を持ち、豪快さと繊細さをあわせもつキャラクター
  • 高石あかりならではのコミカルかつ感情豊かな演技が話題を呼び、SNSやネット上でも視聴者から大きな反響が寄せられています。
  • 第5話では父にジャイアントスイングのような技をかける「豪快アクション」が大きな話題になりました

トミー・バストウが演じる外国人教師・ヘブンの衝撃登場

第21回・22回で大きな転機となったのが、松江初の「外国人」ヘブンの登場です。トミー・バストウがこの役のために約一年もの役作りに取り組み、役柄への深い思い入れと、作品に対する真摯な姿勢が伝わってきます

  • 松江に英語教師としてやってきたヘブンは、多くの地元民から「まるで妖怪が現れたようだ」と捉えられ、町に話題と動揺を巻き起こします。
  • 松江の住民にとって、異国からの来訪者は極めて珍しく、初めは興味と警戒心、そして本能的な違和感をもって迎えられました。
  • おトキ自身もヘブンに“本能的な違和感”を抱き、戸惑いを隠せません。
  • しかし物語が進むにつれ、ヘブンの真剣な人柄や文化の違いを超えた優しさが周囲の人々の心を溶かしていきます。

「妖怪ではない」――異文化理解の最前線

ドラマの中で、トキたちがヘブンの来日に戸惑う様子が印象的に描かれます。外国人が“妖怪”のように見えるという比喩は、当時の日本人にとって異文化がいかに未知の存在であったかを象徴しています。しかしこの「違和感」を乗り越えようとするトキと周囲の姿は、現代の多文化共生のヒントとなるでしょう

  • 「ヘブンは妖怪ではない」というセリフが物語を象徴しており、異質なものに対する偏見や誤解が無知からくるものであることを端的に表現しています。
  • 第22回では、ヘブンが初めて日本に足を踏み入れ、文化や伝統への驚きと興味を隠さず表現する姿が丁寧に描かれています。彼の新鮮な視点が、登場人物たちだけでなく視聴者にも新たな発見や気づきをもたらしています

登場人物相関図と物語の広がり

物語が進む中で、主要キャストだけでなく脇を固める登場人物たちの存在感も増しています。特に松江の名家・錦織(吉沢亮)、秀才の庄田多吉(濱正悟)、そしてトキの親友サワ(円井わん)らが、ヘブンをきっかけにそれぞれ新たな関わり方を見せ始めます

  • 人物相関図には新たな登場人物が加わり、ファンの間でも「相関図、一人増えてる!」と話題に。
  • 今後の展開に向け、東京編にも期待が高まっており、錦織や庄田がどのように物語へ絡むのか注目が集まっています。
  • 主人公トキの内面と対話する存在としてヘブンが大きな役割を担い、二人のやりとりが物語の核となる予感です。

視聴者に届くメッセージ――「違和感」を超えて

本作が描くのは、単なる異文化接触の物語にとどまりません。知らないものや異質なものに出会ったとき人は何を感じ、どのように自分を変えられるか――そのプロセスが、トキやヘブンを通じて視聴者にそっと問いかけられています。

  • ヘブンとトキの交流を通して「違和感」が「好奇心」や「尊敬」へと変わっていく様子が繊細に描かれます。
  • 物語を彩るのは、NHKドラマらしい丁寧な人物描写と、脚本ふじきみつ彦の温かなユーモア。主題歌ハンバート ハンバートの「笑ったり転んだり」も、登場人物たちの日常を優しく包み込みます
  • 「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」というキャッチコピーが、物語の根底に流れる感情を端的に表しています

高石あかりとトミー・バストウ、ふたりの出会いが未来をひらく

主演の高石あかりは、その資質について「けっこうちゃんとしていた子」と振り返られることが多い一方で、「売られたケンカは買う」ほどの情熱を持ち、視聴者を笑顔にさせる豪快な一面も持ちます。トキの放つ真っ直ぐなエネルギーと、トミー・バストウ演じるヘブンの異文化からもたらされる新鮮な視点。その融合がドラマの展開に大きな化学反応をもたらし、今後のストーリーへの期待がますます高まっています

ドラマは時に笑いあり、時に切なさもあり。現代の私たちが生きる社会においても、不安や戸惑いを感じる場面がたくさんあります。そんな私たちに「違和感=恐れ」ではなく、「違和感=発見の一歩」とポジティブに伝えてくれるのがNHK朝ドラ「ばけばけ」です。

今後の見どころ

  • 松江という地方都市で起こる異文化交流のドラマが、どのように日本人と外国人の心の距離感を縮めていくのか。
  • 個性的なキャラクターたちが今後、どのような成長を遂げ、互いに理解し合っていくのか。
  • ヘブンとトキの物語が、島根から東京、さらなる舞台へとどう広がっていくのか。

毎朝の放送がますます待ちきれない『ばけばけ』。今後も高石あかり、トミー・バストウら実力派俳優たちの化学反応が、新たな朝ドラ伝説を紡いでくれるでしょう。

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