『良いこと悪いこと』第4話・第5話 徹底解説と考察――「博士」の正体を巡る議論と、浮かび上がる教室の記憶
2025年11月8日に放送された日本テレビ系土曜ドラマ『良いこと悪いこと』第5話「みんなの夢」。このエピソードを契機にSNSやドラマファンの間では、「謎の博士」の正体や、教室で繰り返される“あるシーン”について多数の考察が飛び交っています。この記事では、物語の流れをわかりやすく振り返りつつ、重要な伏線やネットで話題のポイント、そして「いいこと悪いこと」というテーマが私たちに突きつける問いについてやさしく解説します。
土曜ドラマ『良いこと悪いこと』とは
本作は、間宮祥太朗さんと新木優子さんがW主演を務めるミステリードラマです。小学校時代のクラスメイトを巡る不可解な同窓会から物語は幕を開け、卒業アルバムから6人の顔が黒塗りで消されていたことに気付きます。その後、同級生が次々と不可解な死を遂げる中、主人公の高木将(間宮祥太朗)と猿橋園子(新木優子)は事件の真相に迫っていきます。「いいこと」と「わるいこと」の境界とは何か。過去の教室で交わされた“秘密”と人間関係の歪みが浮き彫りになっていきます。
第4話・第5話のあらすじ:張り巡らされた伏線と“博士”の謎
- 第4話では、連続殺人事件の標的にされた高木たちが犯人の影を探ります。同窓会で再会した6人の元クラスメート。そのうち生き残っている高木、小山、羽立、そして園子が互いの過去に疑念の目を向け始めます。繰り返し登場する「教室を気にする」シーンや、クラス掲示板、数年前のタイムカプセルの存在など、多数の伏線が残されています。
- 第5話「みんなの夢」では、ついに「博士」という謎の人物がクローズアップされます。高木たちは自宅ガレージで作戦会議を開き、「自分たち以外に、この事件の背景や秘密を知っている人物がいるのではないか?」と推理。それが、担任時代に面倒見がよかった現校長・大谷典代(赤間麻里子)である可能性が示唆されます。しかし大谷は「事件や恨みには心当たりがない」と話しつつも、何かを隠しているかのようなそぶりも見せています。
「博士」の正体は誰? 視聴者の考察
ネット上では、「博士」=岡本説・「博士」=堀遼太説・「博士」=今國説など様々な推測が繰り広げられています。さらに「記憶喪失だった」「実は博士は複数人いたのでは?」などの大胆な仮説も登場しています。
- 岡本説・堀遼太説:かつての同級生で、卒業文集や「将来の夢」のイラストに博士というあだ名や表現が出ていた人物が注目されている。
- 今國説:「いまくに」という苗字の人物が、タイムカプセル事件や学校での出来事に深く関わっていた可能性も指摘されています。
- 記憶喪失説:博士は過去の事件でショックを受け、記憶を失っているために現段階では犯人像が見えてこないのでは、という推測がSNSで話題。
キーワード「いいこと悪いこと」とは何か――教室の外と内の倫理
ドラマタイトルにもなっている「いいこと悪いこと」という言葉は、ストーリー全体に通底するテーマです。回想シーンで描かれるのは、小学生当時の些細な“イジメ”や、みんなで見て見ぬふりをした出来事。そして大人になってからも消えない後悔や罪悪感――。
特に注目されるのが園子の回想シーンです。彼女は廊下で立ち止まり、「ここに来るといろいろ思い出します」と語ります。22年前、備品倉庫に閉じ込められ、昇降口で謝罪を強要され、ランドセルを奪われて階段で嘲笑された過去。これらは一見「よくある子ども時代のトラブル」として片付けられがちですが、園子にとっては深いトラウマになっています。
それを見て心を痛める高木。自身の娘が教室で同じような出来事に巻き込まれそうになっているのを目撃し、「過去の自分」を重ねてしまう――。「あの時みんなで何をしてしまったのか」「本当に悪かったのは誰か」。それぞれが“自分の中の悪いこと”と向き合う流れになっています。
初回OPに隠された「重大伏線」とは?――「どの子」と「ドの子」の意図
ドラマのOP映像を見返すことで、新たな 重大伏線が見えてくるという指摘も加熱しています。中でも「どの子」「ドの子」などの表記の違いや、「ちょんまげセリフ」に関する字幕の違いが話題です。
- 「どの子」と「ドの子」:園子が「どの子」と呼ばれていたことと、どこかで「ドの子」という表記が現れる点に、何か隠された真意があるのでは、と熱心なファンが議論しています。
- 初回OPに問題シーンが隠れていた?:初回のオープニング映像のなかに、ほんの一瞬だけ映る教室や同級生の様子、先生の表情などが、後々の話での“キー”になっているのではと指摘されています。
第5話で明らかになったタイムカプセルの謎
「タイムカプセル」は本作を象徴するモチーフのひとつ。5話では、当時の担任・大谷のタイムカプセルへの深い関与と、彼女が事件のターゲットの一人である6人にまつわる何らかの秘密を知っている可能性が濃厚となりました。「もうやめませんか?」と電話口で泣く大谷の姿は、先生の苦悩や、過去の“清算できていない出来事”を示唆しています。
また、園子たちは校長室を訪れ、話を聞き出そうとしますが、大谷は「元6年1組では問題はなかった」とまるで自分に言い聞かせるような表現で繰り返します。この姿に、多くの視聴者が「やはり何かを隠しているのでは」と推理を膨らませています。
「教室を気にしているシーン」は何を暗示するのか?
第4話・第5話ともに、教室や廊下に入った途端、園子や他のキャラクターが立ち止まり、遠い目をして教室をじっと見つめるシーンが幾度か描かれています。この場面は、22年前の出来事をキャラクターたちに思い出させる「トリガー」となっており、フラッシュバックや後悔と直結しています。こうした“教室”という空間の描写自体が、この物語の最大の謎――「教室のなかで本当に何があったのか?」へのヒントとなっているのです。
視聴者のなかには「教室=罪の象徴」「未解決のまま埋もれていた後悔や赦しがこの舞台で解き明かされるのでは」と考える人も少なくありません。
ネットの声:「予想通り?」「繋がりすぎてる…」
- 「博士」の正体に関する予測:「思った通りの人が怪しい!」「意外な人が博士なのでは?」と盛り上がり、放送後にも続々と検証ツイートが飛び交っています。「繋がりすぎて逆にわからなくなった!」という意見も目立ちます。
- 伏線の多さ:ドラマ全体を振り返ると、冒頭から数多くの伏線や謎めいたシーン、メタファーが埋め込まれているとの指摘が多く、「何度も見返して考察するのが面白い」と評する声が相次いでいます。
- 大人と子どもの境界:主要キャラクターが親になり、「かつての教室でのいざこざ」が新世代に繰り返されていく構図も共感を集めています。「自分たちも大人になり、子どもを持ち、教室の理不尽さをどう伝えるべきか考えさせられる」「悪かったことを清算できずに親になってしまうのがつらい」といった現実を投影する感想も多いです。
「いいこと」と「悪いこと」の曖昧な境界
本作が私たちに投げかけるのは、「いいこと」と「悪いこと」の曖昧な境界線です。22年前の教室で行われたことが、当時は「些細な出来事」だったものが誰かにとっては人生を左右する傷になっている。誰もが「善人」であり「悪人」でもありうる――その複雑な人間模様を、ミステリーの枠を超えて丁寧に描いています。
事件の真相に近づくごとに明かされていく登場人物たちの過去と秘密。「自分だけは大丈夫」「自分は加担していない」と思っていたことが、実は誰かへの“加害”になっていたのかもしれない。その問いこそが、「教室」がもつ重要な舞台装置として機能しています。
今後の展開に期待――謎はさらに深まる
第4話・第5話を終え、博士の正体やタイムカプセルの真実は依然として明らかになったとは言えません。しかし、これまで積み重ねられてきた“いいこと悪いこと”の両面を持つ日常の記憶や、教室という閉ざされた世界で起きた事件が、物語を通して徐々に明らかになっていくことでしょう。誰が本当に悪かったのか、そして誰が誰を許すのか。「繋がりすぎて分からない」という声も含めて、今後のドラマ展開とともに、現実社会での“教室の倫理”にもメスを入れていく問題作と言えるでしょう。
まとめ
『良いこと悪いこと』第4話・第5話は、「博士」という正体不明の人物を巡る考察や、教室で巻き起こる人間関係の歪み、タイムカプセルの謎などストーリーの核となるエピソードが多く盛り込まれています。教室や子どもの頃の記憶に潜む、いいことと悪いことの曖昧な境界――ドラマは視聴者一人ひとりに過去を思い出させ、「いま自分はどんな大人になったのか?」を投げかけ続けています。




