立川で注目を集める2つの話題:金沢の味と伝統歌舞伎

東京・立川市で現在、大きな注目を集めている2つの話題があります。1つは金沢から東京へやってきた本格寿司店の開店、もう1つは華やかな歌舞伎公演の開幕です。どちらも立川の文化的な魅力を高める出来事として、地域の人々から熱い視線を集めています。

金沢の味を立川で:「金澤玉寿司 立川店」がオープン

石川県からやってきた本格寿司店

立川駅南口のウインズ通り沿いに、石川県金沢市を拠点とする「金澤玉寿司」の立川店が9月25日にオープンしました。10月25日で開店から1カ月を迎えたこの店は、金沢港や富山湾でその日水揚げされた新鮮な魚を直送し、本場の味を東京で提供しています。

店舗は立川市錦町1-6-14のリアルアセント立川1階にあり、立川駅南口から徒歩約7分の場所に位置しています。店内はカウンター6席のみという小規模ながら、職人が目の前で一貫ずつ丁寧に握る姿を間近で見られる贅沢な空間となっています。

30年以上の経験を持つ店主の想い

店主の東川一男さんは、1987年から金澤玉寿司グループの2代目・寺西正夫さんに弟子入りし、長年すし職人として研鑽を積んできました。大阪、東京、上海と、さまざまな土地で経験を重ね、2015年には同グループの新店立ち上げのため金沢に戻り、副理事長として活躍していました。

立川への出店を決めたきっかけは、全国の百貨店で開催される「北陸展」への出店経験でした。東川さんは「立川の百貨店の印象がすごくよかった。もっと東京の人に金沢のおいしいものを伝えたくなった」と語り、コロナ禍を経て2021年に引き継いだ金沢の店を閉め、立川への出店を実現させました。

注目の3店舗目が立川に

興味深いのは、金澤玉寿司グループの店舗展開です。公式サイトを見ると、掲載されているのは石川県金沢市内の2店舗のみで、3店舗目として選ばれたのが立川だという可能性があります。金沢から遠く離れた東京・立川が選ばれた理由は、東川さんの立川への強い思い入れと、この地域の文化的な土壌の豊かさを物語っています。

充実のメニューと能登応援の想い

ランチメニューは、平日限定ランチセット(2,750円)、金澤鼓門握りセット(3,300円)、金澤百万石握りランチセット(5,500円)など、金沢直送の魚で握った寿司に加え、茶わん蒸しやみそ汁、デザートが付いてきます。

ディナーでは、店長おすすめ十二貫握りセット(6,600円)、おまかせディナーコース(8,800円)、おまかせディナーコース上(12,100円)といった本格的なコースメニューのほか、単品メニューも用意されています。また、お酒も石川県の地酒を取りそろえており、金沢の食文化を総合的に楽しめる内容となっています。

東川さんは「震災した能登地方への応援の意味も込めて、金沢のおいしさを多くの方に味わってもらえれば」と、能登半島地震で被災した地域への支援の想いも込めて営業しています。開店から少しずつ客足も伸びており、30年以上の経歴を持つ店主が一貫一貫、目の前で丁寧に握る姿が評価されています。

営業時間は11時から14時30分、17時から21時まで。水曜日が定休日で、ランチタイムのみ木曜日も休みとなっています。予約も可能で、電話番号は042-508-2044です。

立川立飛歌舞伎特別公演が華やかに開幕

若手実力派による特別公演

立川では寿司店のオープンと同時期に、もう1つの大きな文化イベントが開催されています。それが「立川立飛歌舞伎特別公演」です。この公演では、新説『小栗判官』が上演され、中村壱太郎さん、尾上右近さん、市川團子さんという若手実力派の歌舞伎俳優たちが主演を務めています。

圧巻の両宙乗りに大喝采

特に注目を集めているのが、公演のクライマックスで披露される「両宙乗り」です。神馬が天空を駆け抜けるかのような演出で、出演者たちが宙を舞う姿に、観客からは止まらぬ拍手と大喝采が送られています。伝統的な歌舞伎の演目に、現代的な演出を加えた斬新な舞台は、幅広い世代の観客を魅了しています。

公演は10月26日まで開催されており、立川の文化シーンを大いに盛り上げています。立川立飛という地域で開催されることで、歌舞伎という伝統芸能がより身近なものとして感じられる機会となっています。

立川の文化的魅力が高まる

今回ご紹介した2つの話題は、立川という街が持つ文化的なポテンシャルの高さを示しています。金沢から本格的な寿司店が進出を決めるほどの魅力があり、また伝統的な歌舞伎公演が開催される文化的土壌も備えています。

金澤玉寿司立川店は、北陸の味を東京で楽しめる貴重な場所として、そして能登地方への応援の場としても機能しています。一方、歌舞伎公演は、若手実力派による新しい試みが評価され、伝統芸能の新たな魅力を発信する場となっています。

立川駅周辺は、商業施設や文化施設が充実しており、東京西部の重要な拠点として発展を続けています。今回のような質の高い飲食店の出店や、本格的な文化公演の開催は、この地域の魅力をさらに高める要素となっています。

金澤玉寿司立川店では、カウンター越しに職人の技を間近で見ながら、金沢港や富山湾から直送された新鮮な魚介を味わうことができます。6席という限られた空間だからこそ、一人ひとりの客に丁寧な対応ができ、本物の江戸前寿司(正確には金沢の寿司ですが)の文化を体験できます。

また、立川立飛歌舞伎特別公演は、歌舞伎に馴染みのない方でも楽しめる工夫が凝らされており、若手俳優たちの熱演と迫力ある演出が、新しい観客層を歌舞伎の世界へと誘っています。両宙乗りという派手な演出は、歌舞伎の持つエンターテインメント性を存分に発揮しており、観客を魅了しています。

今後の展開に期待

金澤玉寿司立川店は、開店から1カ月を迎え、着実に地域での認知度を高めています。北陸の味を求める客や、本格的な寿司を楽しみたい客が徐々に増えており、今後は立川を代表する寿司店の1つとして定着していくことが期待されます。

立川立飛歌舞伎特別公演は10月26日までの期間限定ですが、このような質の高い文化公演が継続的に開催されることで、立川の文化的価値はさらに向上していくでしょう。地域住民だけでなく、周辺地域からも多くの人々が訪れる文化拠点としての役割が強まっています。

立川という街が、単なるベッドタウンや商業都市ではなく、食文化や伝統芸能といった多様な文化を楽しめる成熟した都市へと発展していく様子が、これらの話題から見て取れます。今後も立川から目が離せません。

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