Spotifyが2025年の音楽シーンを振り返る年間ランキングを発表 Mrs. GREEN APPLEが”無双”状態で席巻

音楽ストリーミングサービスのSpotifyが2025年12月3日(水)、「2025年 Spotify年間ランキング」を発表しました。今年の日本の音楽シーンを彩った様々なアーティストや楽曲が集計され、その結果は、ひとつのアーティストによる圧倒的な支配を示すものとなりました。

Mrs. GREEN APPLEが3年連続で最多再生アーティスト1位に輝く

2025年を代表する音楽シーンの結果が、Mrs. GREEN APPLEの異例の支配ぶりです。国内で最も再生されたアーティスト部門では、Mrs. GREEN APPLEが3年連続で1位の座を獲得しました。さらに驚くべきは、その圧倒的な数字です。Spotify Japanのデイリートップアーティストチャートにおいて、2025年12月1日時点で1503日連続デイリー1位を維持するという驚異的な記録を達成しているのです。

国内で最も再生された楽曲部門のTOP10を見ると、Mrs. GREEN APPLEの楽曲が実に7曲を占める、異例の事態となっています。1位の「ライラック」をはじめ、2位の「ケセラセラ」、3位の「青と夏」など、同バンドの楽曲が上位を独占する状況です。特に「ライラック」は2024年4月にリリースされた楽曲でありながら、今年に入ってからもSpotify Japanのデイリーチャート、ウィークリーチャートの上位に君臨し続け、総再生数は1億8,000万回を突破しています。

メジャーデビュー10周年を迎えたMrs. GREEN APPLEは、華々しい活躍を見せており、この圧倒的な成績から「ミセス無双」とも称されるほどの席巻ぶりとなっています。音楽ジャーナリストも「本当に2025年はMrs. GREEN APPLEの年だったということがここからもわかる」と説明するなど、業界内でもその存在感の大きさが認識されています。

Number_i、国内で最も再生されたダンス&ボーカルグループに選出

2025年から新たに設けられた部門として、「国内で最も発見されたアーティスト」と「国内で最も再生されたダンス&ボーカルグループ」が発表されました。

ダンス&ボーカルグループ部門では、Number_iが1位に輝きました。Number_iは、このニュースに対して「さらにNumber_iらしい楽曲を…」とコメントを発表し、今後のさらなる活動への意気込みを示しています。同グループの躍進は、K-POPの影響を受けたダンスボーカルユニットの日本での成長を象徴するものとなっており、ファンの期待が高まっています。

一方、「国内で最も発見されたアーティスト」部門では、オーディション番組「No No Girls」発のガールズグループ・HANAが1位にランクインしました。キーワードは「自己肯定感」であり、若い世代から支持を集めているアーティストの大躍進として注目されています。

Creepy Nuts、海外での再生でも1位獲得 Adoが国内アーティスト初の海外部門首位

国際的な活躍の側面でも、日本の音楽シーンは大きな成果を上げています。「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」部門では、Creepy Nutsの「オトノケ – Otonoke」が1位を獲得しました。2024年に首位に輝いた同グループの「Bling-Bang-Bang-Born」も4位にランクインしており、Creepy Nutsの国際的な人気の継続を示しています。

一方、「海外で最も再生された国内アーティスト部門」では、これまで4年連続でトップに君臨していたYOASOBIにかわり、Adoが初めて1位を獲得しました。Adoは日本人アーティスト最大規模のワールドツアーが国内外で大きな注目を集めており、その活動がリスニングデータにも反映されています。海外からの再生比率は8割近くに達しており、昨年の年間ランキング同部門2位から大きく飛躍を遂げた結果となっています。

また、昨年の年間ランキング同部門で新星のごとく現れたアトラスサウンドチームが2位に浮上し、世界での活躍が日本でも注目を集めているXGは本部門初のトップ5入りを果たすなど、新しい才能の芽生えも見られています。

2025年上半期のランキングも公開 安定した人気が続く

Spotifyは2025年上半期(1月1日~6月30日)のランキングも発表しており、そこでもMrs. GREEN APPLEの強さが明らかになっています。上半期の国内で最も再生された楽曲部門では、同バンドの「ライラック」が1位を獲得し、トップ10中に6曲、トップ5内に4曲のMrs. GREEN APPLEの楽曲が収録されています。

また、国内で最も再生されたアーティスト部門では、Mrs. GREEN APPLEが堂々の1位に輝き、1354日連続Spotify Japanデイリーアーティストランキングの1位を独走し続けるという偉業を更新中です。2位のback number、3位のVaundyも、昨年の年間ランキングに引き続きトップ3をキープしており、安定した人気が続いていることが伺えます。

海外での再生に関しては、BTS出身のJiminの「Who」が上半期の国内で最も再生された楽曲部門で2位にランクインするなど、K-POP人気も根強く、日本はアメリカやタイに続く高いシェアを記録しています。

Spotifyの年間ランキングが示す2025年の音楽トレンド

2025年のSpotifyランキング発表は、日本の音楽シーンが多様性と深さを持つ一年であったことを示しています。Mrs. GREEN APPLEの圧倒的な支配、Number_iやHANAといった新進気鋭のアーティストの台頭、そしてCreepy NutsやAdoといった国際的に活躍するアーティストの活躍が、バランスの取れた音楽シーンを形成しています。

Spotifyユーザーは、12月から年末に向けて「Spotifyまとめ」を通じて、自分自身のリスニング傾向を詳しくチェックできるようになっています。これは、各ユーザーが一年間の音楽体験を振り返り、自分だけのランキングを見つけるための機能として活用されています。

2025年の音楽シーンを振り返るこれらのランキングは、配信音楽の時代における新しい音楽消費の形態を象徴するものとなっており、今後の日本の音楽産業の発展を考える上でも重要なデータとなるでしょう。

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