「カメラを止めるな!」女優しゅはまはるみが告白、離婚きっかけに半年間の引きこもり生活 セルフネグレクトの深刻さが浮き彫りに

2018年の大ヒット映画「カメラを止めるな!」で注目された女優のしゅはまはるみ(51)が、2025年12月2日放送の日本テレビ系番組「上田と女がDEEPに吠える夜」に出演し、衝撃的な告白をした。離婚がきっかけで、半年間にわたって引きこもり生活を送っていたというのだ。その間、入浴は2回だけという極限の状態に陥っていたことが明らかになった。

セルフネグレクト状態に陥った過去

番組のテーマは「セルフネグレクト」。食事や入浴、掃除などの生活に必要な基本的なケアを放棄し、自身の心身の健康や安全が脅かされている状態を指す。近年、若者を中心に急増しているこの症状について、しゅはまは自らの経験を率直に語った。

しゅはまは番組が提示した7つのセルフネグレクトの事例について、「ある時期の話ですけど、完璧に全部当てはまります」と述べ、当時の深刻な状況を明かした。「片付ける意味が分からないみたいになっていたし、食事もその辺に適当にあるものを寝たままボリボリ食べていた」と、生活の質がどれほど低下していたかを説明した。

最も驚くべき告白は、「半年間、ガチで引きこもっていたことがあるんですよ」という発言だ。その期間、入浴は僅か2回。「洗うのに2時間ぐらいかかりました」と、長期間入浴していなかったため、体を洗うだけで膨大な時間を要したことが伝わってくる。

MCのくりぃむしちゅー・上田晋也から、汗をかいているのに風呂に入りたいという気持ちが起こらないのかと質問された際、しゅはまは率直に答えた。「『入りたい』と『入りたくない』を比べたら、『入りたくない』の方が上回ってます。ゼロではないですけど…」という返答は、心の奥底に小さな希望がありながらも、それが完全に押しつぶされていた心理状態を物語っている。

引きこもりの根本原因は離婚

セルフネグレクトに陥ったきっかけについて、しゅはまは明確に答えた。「離婚ですよね。ありていに言うと」。彼女は結婚生活そのものは「すごく幸せだったわけじゃなかった」と前置きしながらも、その相手とは6年付き合い、4年結婚し、合わせて10年間一緒に過ごしていたという。

「だから喪失感みたいな。ロスみたいな感じになっちゃって」という言葉は、幸福感ではなく習慣や依存性から生じる喪失感がいかに大きいかを示唆している。その喪失感が引き金となり、「ちょっと人と会いたくないな」という気持ちが生まれ、やがて完全な引きこもり状態へと進行していったのである。

「カメラを止めるな!」出演前の波乱万丈な人生

しゅはまの人生は、映画出演による成功の前に多くの苦難を経験していた。1998年には、当時付き合っていた男性と結婚を前提とした関係を始めるため、劇団東京乾電池を退団し、女優業を一度引退している。その男性は彼女の女優業をあまり快く思っておらず、「結婚したいから女優を辞めてくれ」と要求したことが、引退の大きな理由だったという。

その後、結婚から離婚へと至り、離婚から1年ほど経った時点で虚無感や孤独感に襲われたという。仕事や友人からの誘いもすべて断り、半年にわたって引きこもり状態が続いたのだ。

しかし転機が訪れる。主浜に連絡が入り、彼女のために役を用意するから舞台に出てみないかという誘いが、「救いとなり引きこもり状態を脱した」という。この経験を通じて、しゅはまの人生に新たな変化がもたらされ、やがて2018年の映画出演へとつながっていくのである。

若者に急増するセルフネグレクト

今回のしゅはまの告白は、単なる芸能人の過去の話ではない。セルフネグレクトは「近年若者に急増している」という指摘もされており、心の健康が脅かされている人が増えていることを示唆している。食事や入浴、掃除といった生きる上で必要な行為をなぜ人は放棄してしまうのか—この問いは、現代社会における心のケアの重要性を改めて問い直す機会を与えてくれる。

自分自身を大切にすることの難しさ

しゅはまのケースから明らかなように、セルフネグレクトに陥る背景には、人間関係の喪失や心理的トラウマが存在する。離婚という人生の大きな転機が、彼女の心と体を蝕んでいったのだ。それは誰にでも起こりうる可能性を秘めている。

重要なのは、このような状態に陥った時に、周囲がどのように支援し、本人がどのように脱却するかということである。しゅはまの場合、舞台出演の誘いという「役割」が与えられたことで、人生に再び目的と意味が生まれ、引きこもり状態からの脱却へと至った。これは、人間が社会とのつながりや役割を必要とする存在であることを示唆している。

告白が与える社会への影響

有名女優であるしゅはまが、このような私的で辛い経験を公の場で告白したことの意味は大きい。セルフネグレクトは、単なる個人の怠惰ではなく、心の危機信号である。多くの人がこの告白を通じて、心の健康の大切さや、苦しい時には周囲に頼ることの重要性を改めて認識することができるだろう。

また、引きこもり状態から脱却するには、専門家のサポートや周囲の支援も必要だ。心理的な危機に直面した時には、一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口に頼ることの大切さが、改めて強調される。

2018年の映画出演から現在まで、しゅはまはその才能と経験を映像作品を通じて発揮し続けている。彼女の人生の波乱万丈さと、そこからの回復の物語は、現代社会で心の健康に悩む多くの人々に希望と勇気を与えるものとなっているのである。

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