大分・ハーモニーランドが「エンタメリゾート」に進化へ “世界でいちばんやさしい場所”を目指す新構想とは

大分県日出町の屋外型テーマパーク「サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド」が、サンリオ初となる「エンタメリゾート化」に向けた基本構想を発表しました。。
「世界でいちばんやさしい場所」を掲げ、大分の自然や温泉、食文化とサンリオならではのエンターテイメントを融合させた新しいリゾートづくりが本格的に動き出します。

1991年開業、35周年を迎えるハーモニーランド

ハーモニーランドは、1991年にオープンしたサンリオの屋外型テーマパークで、2026年に開業35周年を迎えます。
大分県速見郡日出町の自然豊かな丘陵地に位置し、ハローキティやマイメロディ、リトルツインスターズなど、おなじみのサンリオキャラクターたちに出会える“かわいい世界観”が特徴です。

これまで、季節のイベントやショーを中心に、多くのファミリーやカップル、サンリオファンに親しまれてきたハーモニーランドですが、今回の構想では、日帰りで楽しむテーマパークから一歩進み、滞在型のリゾートへと発展していくことが目指されています。

サンリオ初の「エンタメリゾート化」計画とは

今回発表されたのは、ハーモニーランドを「エンタメリゾート」へと刷新するための基本構想です。
この計画は、サンリオが掲げる「世界でいちばんやさしい場所」というコンセプトを核に、大分の魅力とサンリオエンターテイメントを掛け合わせた、新たなリゾート体験の創出を目指しています。

構想の柱となるのは、次のような考え方です。

  • 大分の自然・温泉・食文化・おもてなしとサンリオのエンターテイメントの融合
  • 誰もが心からくつろぎ、感動を分かち合える「世界でいちばんやさしい場所」づくり
  • 「みんななかよく楽しめる」インクルーシブなリゾートの実現
  • 地域との連携による観光促進・地域活性化への貢献

サンリオにとって、「エンタメリゾート化」は初の取り組みであり、ハーモニーランドがそのモデルケースとなります。

キーワードは「天空」 高低差を生かした“天空のパーク”へ

今回のリゾート化計画のキーワードの一つが「天空」です。
丘陵地に広がるハーモニーランドの高低差のあるロケーションを活かし、空へとひらけた“天空のパーク”としての魅力を高めていく構想が示されています。

サンリオや関係各社が公開したイメージでは、園内全体を見渡すような眺望や、別府湾や山々の景色を取り込んだ開放感あふれるリゾート空間が描かれています。
これにより、これまで以上に景観を楽しめるパークとしての魅力が広がることが期待されています。

一年中快適に楽しめる「大屋根」構想

屋外型テーマパークならではの課題である天候や暑さ・寒さへの対策として、構想の中では「大屋根」の整備が検討されています。

  • 雨や日差しを気にせずに過ごせる全天候型エリアの実現
  • 一年中快適にショーやグリーティング、ショッピング、飲食を楽しめる空間づくり

大屋根の整備によって、季節や天候に左右されにくい安心して楽しめるパークとしての価値向上が見込まれています。

ロープウェーや電動モビリティで移動も快適に

広い園内をより快適に回遊できるようにするため、移動手段の整備も計画に盛り込まれています。

  • 園内の高低差を活かしたロープウェーの導入検討
  • 電動モビリティなどによるスムーズな移動の仕組みづくり

小さな子ども連れの家族や高齢の来園者など、誰もが安心して園内を移動できるよう、やさしい移動環境の実現が意識されています。

新施設やアトラクションのリニューアルも検討

構想の中では、新たな施設の建設や、既存のアトラクションのリニューアルについても検討が進められています。

具体的な内容やスケジュールについては今後発表される予定ですが、ショーやパレード、ライドアトラクション、フォトスポットなど、さまざまなコンテンツにおいて、新しい体験価値の提供が目指されています。

「ハーモニーランド未来共創室(仮)」 ファンと一緒につくるリゾート

今回の計画の大きな特徴のひとつが、共創型の開発プロセスです。
サンリオは、構想段階からサンリオファンや地元・大分の人々の声を取り入れながら開発を進めていく方針を示しています。

そのために立ち上げが予定されているのが、「ハーモニーランド未来共創室(仮名)」というコミュニティです。

  • 国内外問わず誰でも参加できるコミュニティとして想定
  • リゾート内の施設デザインや装飾、グッズ、メニュー、移動手段などのアイデアを共に考案
  • 「みんなでつくるエンタメリゾート」というスタイルで開発を推進

ファンや地域と一体となって未来のリゾートをつくりあげていくこの取り組みは、サンリオらしい「みんななかよく」の精神が込められたプロジェクトと言えそうです。

ハーモニーランドそばに新ホテル構想 “長く滞在できる場所”へ

今回の構想では、ハーモニーランドに隣接するエリアにホテルを建設する計画も盛り込まれています。

サンリオの発表によると、「サンリオの想いを込めたホテル」の構想が進んでおり、パーク、周囲の山々、そして別府湾を一望できるような風光明媚なロケーションがイメージされています。

  • ハーモニーランドに隣接するエリアに新ホテルを検討
  • パークと一体となった滞在型リゾートの核として位置付け
  • これまで長期滞在が難しかったエリアに新たな宿泊拠点を提供

宿泊施設が整うことで、これまでは日帰り中心だった来園スタイルから、ゆっくりと滞在しながらリゾートを満喫できる環境が整えられていく見込みです。

大分県・日出町との連携 地域ぐるみのリゾートづくり

サンリオとハーモニーランドを運営する株式会社サンリオエンターテイメントは、今回の構想発表に合わせて、大分県および日出町とともに大分県庁で立地表明式を開催しました。

サンリオと大分県は、2024年12月に包括連携協定を締結しており、その中で将来的なエンタメリゾート化も掲げられていました。
その後、「大分ハローキティ空港」の愛称化や、ハーモニーランドへ向かう直通ラッピングバス「ハーモニーライナー」の運行など、互いに連携した観光促進・地域活性化施策が進められています。

今回の基本構想の発表にあたり、大分県の佐藤樹一郎知事は、
みんななかよく楽しめるエンタメリゾートを作るということで、我々も大変ワクワクしております。インフラの整備など連携しながらサポートを進めていきたい」とコメントしています。

県や町と連携しながらインフラ面の整備も含めて進めていくことで、ハーモニーランドだけでなく、地域全体の魅力向上や観光の活性化にもつながっていくことが期待されています。

「世界でいちばんやさしい場所」を目指して

サンリオは、今回のリゾート化構想において、ハーモニーランドを「世界でいちばんやさしい場所」とすることを目標に掲げています。

  • 訪れる人々が心からくつろぎ、感動を分かち合える場
  • 年齢や国籍、障がいの有無を問わずみんながなかよく楽しめるリゾート
  • 大分の自然や文化、地域のおもてなしとサンリオエンターテイメントが溶け合う空間

具体的な開業時期や各施設の詳細などは今後の発表となりますが、サンリオは、今回示した基本構想をもとに、ファンや地域の人々と共に未来のリゾートの姿を形にしていくとしています。

長年愛されてきたハーモニーランドが、「天空のパーク」としてどのように生まれ変わっていくのか。
そして、「世界でいちばんやさしい場所」を目指すエンタメリゾートが、どのような体験を私たちに届けてくれるのか。
今後の続報に、優しい期待が高まります。

参考元