NHK夜ドラ「いつか、無重力の宙で」――仲間と夢へ、新たな一歩を踏み出す女性たちの物語

新しい30代像を描く挑戦的ドラマ

「いつか、無重力の宙で」は、2025年9月8日よりNHK総合「夜ドラ」枠で放送中のオリジナルドラマです。脚本は武田雄樹さん、主演は木竜麻生さん。
本作は、結婚や出産、キャリアといった“30代女性”の従来イメージをあえて外し、「好きなことに挑戦する」「夢にもう一度向き合う」等身大のヒロインたちの姿を描こうとする新たな試みに満ちています

物語の核心:仲間と“宙(そら)”へ

主人公・望月飛鳥(木竜麻生)は大阪の広告代理店で働く日々。彼女は高校時代の天文部仲間と「一緒に宇宙へ行く」という夢を語り合っていましたが、現実の忙しさの中でその夢を忘れかけていました。
ある日、かつての仲間で宇宙飛行士を目指していた日比野ひかり(森田望智)が13年ぶりに姿を見せます。ひかりは試験直前でその夢に破れ、落ち込みますが、飛鳥は「みんなで超小型の人工衛星を打ち上げよう」と新たな夢を仲間に提案します。
この誘いに水原周、木内春子も加わり、知識も資金もないゼロからの挑戦が始まります。彼女たちは互いに支え合い、高校時代の友情と再び向き合いながら、「もう一度夢を追う」青春の日々を歩み出すのです

キャスト・人物像と演技の評価

  • 望月飛鳥(木竜麻生)…現実的で責任感強いが、自分を変えたくて一歩踏み出す主人公。
  • 日比野ひかり(森田望智)…子どもの頃の夢を手放せないが、挫折を経験。再会がドラマの起点となる。
  • 水原周(片山友希)…自由奔放で仲間を盛り上げるムードメーカー。
  • 木内春子(伊藤万理華)…しっかり者で仲間の背中をそっと押す。
  • 金澤彗(奥平大兼)…レストランで働く青年。人工衛星開発を見守る存在として、物語に新たな視点を加える。

主要キャストの演技力は高く評価されており、等身大でリアルな人物像は「名作の予感」と称されています。特に、森田望智さんと木竜麻生さんの化学反応に、視聴者から多くの支持が集まっています

最新話“人工衛星プロジェクト再始動”――仲間の喪失と再起

ストーリー中盤では、仲間たちそれぞれが悲しみや行き詰まりを経験するものの、飛鳥が「やはりみんなと宇宙の景色が見たいです」と呼びかけ、プロジェクトは再始動。彼女たちは、亡きひかりへの想いや自分自身の“夢への本気”と再度向き合います。大人になったいまだからこそ抱えるそれぞれの葛藤――将来の不安、仕事との両立、責任といった問題に直面しながらも、一つひとつ壁を乗り越えて行く姿が丁寧に描かれています

“開発リーダー”彗(奥平大兼)の挑戦

人工衛星開発の過程で、レストラン店員の金澤彗(奥平大兼)が「開発リーダーをやれたら」と自ら志願します。最初は消極的だった彗が、女性たちのひたむきな姿に刺激を受け、徐々にチームの中でリーダーシップに目覚めていく姿も本作の大きな見どころの一つです。彗の成長ストーリーは視聴者の共感を呼び、「誰もがもつ“挑戦する勇気”」を浮き彫りにしています。

人工衛星の「デジトーカ」――青春の証を宇宙へ

彼女たちの開発する人工衛星「デジトーカ」は、宇宙から音声を届ける機能付き。ガガーリンの「地球は青かった」にならい、仲間たちが大人になっても忘れなかった夢と友情を“言葉”として地球に送り届ける壮大なミッションです
プロジェクトには多くの壁(技術的・資金的・精神的)が立ちはだかりますが、彼女たちの“仲間となら何でもできそう”という想いや、日常のつらさと希望の狭間で模索する姿がリアルに描かれています。

脚本・演出のこだわり

プロデューサーの南野彩子氏によれば、「周囲の期待や環境に流されてやりたいことがわからなくなる瞬間」のリアルさこそ現代の30代女性たちの核心。そのため「自分自身も前向きになれるヒロイン像」を目指したと語っています。
また、演出の佐藤玲衣氏も、「もしこの人たちと一緒なら何でもできるかも」という、かつての“根拠なき自信”を大人としてもう一度取り戻す姿を目指した、と語ります。
役者陣のリアルな演技・やわらかい映像表現と相まって、ドラマ全体に前向きな温かさが流れているのが印象的です

インタビュー:出演者が語る「いつか、無重力の宙で」の魅力

日比野ひかり役・森田望智さんと、上坂樹里さんへのインタビューも公開され、役作りのこだわりや撮影現場の雰囲気が語られています。
森田さんは、「自分が本当にやりたいことと、現実がずれてしまう大人ならではの孤独や、不安――それを仲間とともにもう一度挑戦することの価値」を、自ら演じる中で再認識したとコメントしています。
作品が提示する「人生二度目の青春」のリアルさや、その先にある希望を視聴者と分かち合いたいと語る姿が特に印象的でした。

引き込まれる演出――大人だからこそ描ける“もう一度の青春”

本作は「夢を語ることすら難しい」大人の日常も、仲間の存在やわずかな勇気によって少しずつ輝きを取り戻す様子を丁寧に描いています。
現実の“重力”に悩みながらも人生に再び“無重力”の瞬間を探しに挑戦する主人公たちの姿が、「見るべきドラマ」と好評を博しています。
鑑賞者からは「世代を超えて共感する」「自分もまた一歩踏み出したくなる」といった声が多く寄せられています

まとめ:世代を超えて響く、“無重力”を求める物語

「いつか、無重力の宙で」は、30代の女性だけでなく、人生の“重力”を感じるすべての人が、夢や友情――そして自分自身との向き合い方を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
現実的な問題も丁寧に描きつつ、温かい応援歌のように響く青春群像劇。まだまだ続く物語から、今後も目が離せません。

参考元