長野博&莉子が「119エマージェンシーコール」新メンバーに加入 新春SPドラマへの期待高まる

フジテレビ系の人気ドラマシリーズ「119エマージェンシーコール」に、新たな仲間が加わります。長野博さん莉子さんが、スペシャルドラマ「119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT」で司令課3係の新メンバーとして登場することが発表され、作品ファンの間で大きな話題となっています。

「119エマージェンシーコール」は、消防局の通信指令センターを舞台に、119番通報を受ける指令管制員たちが一本の電話から命をつなぐ姿を描いたオリジナルドラマです。 2025年1月期の“月9”として放送された連続ドラマの続編として制作される今回のスペシャルでは、前作の最終話から約9カ月後、年末の横浜を襲う大規模停電「YOKOHAMA BLACKOUT」を背景に、極限状態での通報対応と人間ドラマが描かれます。

「119エマージェンシーコール」とはどんなドラマ?

「119エマージェンシーコール」は、視聴者にとってなじみのある「119番通報」を、これまでとは違う角度から描くドラマとして注目を集めました。舞台は、消防車や救急車が出動する「現場」ではなく、その一歩手前にある通信指令センターです。

そこでは、火災・事故・病気など、あらゆる緊急事態に直面した人からの電話がひっきりなしに鳴り響きます。通報者は、突然の出来事にパニックになっていたり、泣き崩れていたり、状況をうまく説明できなかったりと、決して「落ち着いた状態」ではありません。

そうした中で指令管制員は、冷静さを保ちながら必要な情報を聞き出し、最適な部隊を最速で出動させます。 さらに、救急車や消防車が到着するまでの間、電話越しに心臓マッサージや応急手当の方法を伝え、通報者を支え続けます。この「一本の電話で命をつなぐ」現場こそが、このドラマの中心です。

連続ドラマでは、清野菜名さん演じる粕原雪をはじめ、瀬戸康史さん、見上愛さん、一ノ瀬颯さん、中村ゆりさん、佐藤浩市さんらが出演し、現実の消防行政にも取材を重ねながら、リアルでありながら温かい人間ドラマを描いてきました。

新春スペシャル「2026 YOKOHAMA BLACKOUT」の舞台と見どころ

今回放送されるスペシャルドラマ「119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT」は、連続ドラマのその後を描く完全新作です。

物語の舞台は、2025年の年末の横浜。横浜市消防局・通信指令センターでは、普段から多くの通報に対応していますが、年末特有の慌ただしさも加わり、通報件数は一段と増加します。 そんな中、横浜市を襲う未曽有の大規模停電が発生し、街は一気に混乱状態へと陥ります。

停電により信号が消え、エレベーターや医療機器が止まるなど、各地で危険な事態が連鎖的に発生。暗闇の中で不安に襲われた市民からの119番通報が同時多発的に殺到し、通信指令センターはこれまでにない試練に直面します。

スペシャルドラマでは、

  • 年末の多忙さの中での通報対応
  • 大規模停電「YOKOHAMA BLACKOUT」による多発通報
  • 新たに導入されるAIシステムをめぐる議論
  • 「人を助けることの意味」と「仕事と向き合う理由」

といったテーマが重層的に描かれます。

連続ドラマから引き続き、主演の清野菜名さんをはじめ、おなじみのメンバーが再集結し、シリーズ最大の試練に挑む姿が描かれることも、大きな見どころとなっています。

新加入キャスト1:長野博が演じるベテラン指令管制員・関家高規

今回、新たに司令課3係に加わるのが、元V6のメンバーで、俳優・タレントとしても幅広く活躍する長野博さんです。

長野さんが演じるのは、横浜市消防局・司令課3係の指令管制員関家高規(せきや・たかのり)。 関家は、消防だけでなく救急・救助など現場での経験を豊富に積み、さらに救急救命士の資格も持つベテランという設定です。

救急や救助の現場で見てきた数々のケースを自分の中でしっかりと咀嚼し、必要な情報を簡潔かつ正確に通報者へ、そして現場へ伝えていくタイプの人物だと、長野さん自身が語っています。 一見するとクールで感情をあまり表に出さないようにも見えますが、それは「冷たさ」ではなく、「混乱している相手を落ち着かせるために、まず自分が冷静でいよう」というプロとしての覚悟から来るものだといいます。

長野さんは取材で、「実際の現場を見学して、指令管制員は常に冷静でいなくてはいけないと学んだ」と話しています。 119番通報の現場では、通報者がパニック状態になっていることが多く、そこで同じように慌ててしまっては正確な情報が得られず、救助や救急の到着も遅れかねません。そのため、どんなに緊迫した状況でも声のトーンを保ち、状況整理をしながら質問を続ける必要があるのだといいます。

これまで、温和で穏やかな「優しい印象」が強かった長野さんが、冷静でクールなベテラン指令管制員をどう演じるのか。そのギャップにも注目が集まっています。

新加入キャスト2:莉子が演じる新人指令管制員・綿貫なずな

もう一人の新メンバーが、若手俳優として多方面で活躍中の莉子さんです。 莉子さんが演じるのは、司令課3係の指令管制員綿貫なずな(わたぬき・なずな)

綿貫は、仕事への意欲は人一倍強いものの、「自分はドジだ」と思い込んでおり、失敗を極端に恐れてしまう性格の持ち主です。 「命に関わる連絡を受ける仕事」という重責を前に、現場で自分に自信が持てずに戸惑いながらも、一生懸命に向き合っていく姿が描かれます。

莉子さんは、撮影前に消防局を見学し、実際に119番通報を受けた後の画面操作やシステムの流れなども体験したそうです。 見学を通して、指令管制員が「ただ電話を受けるだけ」の仕事ではなく、聞き取った情報を瞬時に整理し、複数のシステムを操作して部隊を選定・出動させるという高度な業務を担っていることを学んだと語っています。

一方で、作品については「119番に電話をかけることは、人生で一度あるかないか。指令課の内部のことも、知りたくても知る機会がない方がほとんどだと思う。だからこそ、このドラマがその世界を知る教科書のような存在になればと感じていた」とコメント。 役者として、演技を通してメッセージを伝えたいという思いから、「119」への参加を強く希望したといいます。

また、綿貫なずなというキャラクターについて、失敗を恐れながらも一歩ずつ前に進もうとする姿が、多くの視聴者の気持ちに重なるのではないかと話しており、見る人が自分の仕事や日常を振り返るきっかけにもなりそうです。

長野博&莉子、初共演で生まれる“安心感とフレッシュさ”

今回が初共演となる長野博さんと莉子さん。 撮影前には、横浜市消防局への見学も一緒に行ったそうですが、それぞれに担当者がついて説明を受けていたため、「見学中はあまり会話できなかった」と振り返っています。

一方で、インタビューなどを通してお互いの印象を語る中で、長野さんは莉子さんを「しっかりしている方」と評価し、作品への向き合い方や、指令管制員という仕事への理解を深めようとする姿勢に信頼を寄せている様子がうかがえます。

莉子さんは、長野さんについて「優しくて柔らかい印象」を持っていたと話す一方、今回演じる関家高規はクールで冷静な役柄であるため、「そのギャップがどうなるんだろう…」と楽しみ半分、緊張半分の心境も明かしています。

ベテランとしての安心感と、若手らしいフレッシュさ。この2人が司令課3係に加わることで、チームの空気感や物語の雰囲気にも新しい変化が生まれそうです。緊迫した通報対応の中で、関家と綿貫がどのように互いを支え、既存メンバーとどのような関係性を築いていくのかも注目ポイントです。

AIエンジニアの登場と「AI指令管制員」構想

スペシャルドラマでは、新メンバーとして長野さんと莉子さんに加え、柏原収史さん丸山礼さんも出演します。

柏原さんが演じるのは、AI系スタートアップ「ブレインアトラス」を経営する社長でAIエンジニアの原龍臣(はら・たつおみ)。 原は、「AI指令管制員」構想を掲げ、通話データの採取や現場観察を行いながら、AI技術を通信指令センターに導入しようとします。

この「AI導入」をめぐっては、作中でさまざまな議論が巻き起こります。大量の通報を効率的にさばくためにAIを活用すべきだという考え方がある一方で、命に関わる判断を機械に任せてよいのか、人間だからこそ汲み取れる“声の震え”や“間”をどう扱うのか、といった不安や葛藤も描かれます。

大規模停電「YOKOHAMA BLACKOUT」による極限の状況下で、AI導入は果たして助けになるのか、それとも新たな混乱を招くのか。人が人を助ける現場において、テクノロジーとどう向き合うのかという現代的なテーマにも踏み込む点が、このスペシャルドラマの大きな特徴です。

見上愛&清野菜名が見せる“爽やかな笑顔”と現場の雰囲気

ドラマの撮影現場では、主人公・粕原雪を演じる清野菜名さんと、同じ司令課3係のメンバーである見上愛さんが、ロケの合間に爽やかな笑顔を見せていた様子も伝えられています。(各種報道より)

緊迫したシーンが多い作品でありながら、オフショットでは、出演者同士がリラックスした表情で談笑している様子も見受けられ、キャスト陣の仲の良さや現場の温かい雰囲気がうかがえます。こうした空気感があるからこそ、画面の中での“信頼し合うチーム”という関係性も自然に生まれているのかもしれません。

見上さんは連続ドラマから引き続き、指令管制員として粕原たちと共に司令課3係を支える存在。清野さん演じる粕原雪とともに、今回のスペシャルでもチームの中心として、そして新メンバーである長野さん・莉子さんの“受け皿”として、物語を引っ張っていくとみられます。

「視聴者の方に、いい伝わり方ができたら」――作品に込められた思い

新たに「119」メンバーに加わる長野さんと莉子さんは、インタビューの中で、作品に対する真摯な思いを語っています。

長野さんは、実際の消防局見学を通して、指令管制員が抱えるプレッシャーや責任の重さを肌で感じ、「混乱した状況の中でも冷静でいることの大切さ」を学んだと話しています。 そのうえで、ドラマを通して、視聴者にも指令管制員の仕事の重要性や、119番の向こう側にいる人たちの存在を知ってほしいと語っています。

また、莉子さんも、「119番に電話をかける経験は誰にとっても特別なものだからこそ、このドラマが、そのときどうすればよいのかを知るきっかけや、“今この瞬間も誰かを助けようとしている人がいる”と想像するきっかけになればうれしい」とコメント。 お正月という、家族や大切な人と一緒にテレビを見る機会が多いタイミングで放送されるからこそ、「みんなで『もし119をかけるならこうしよう』と話し合えるような作品になれば」とも語っています。

お二人が口をそろえているのは、「視聴者の方に、いい形で伝わる作品にしたい」という思いです。 エンターテインメントとして楽しめるドラマでありながら、現実の災害や事故に直面したときの“知識”や“心構え”も自然と身につくような作品を目指していることが、強く伝わってきます。

「119エマージェンシーコール」が教えてくれる“備え”と“想像力”

「119エマージェンシーコール」シリーズは、単なるヒューマンドラマとしてだけでなく、私たち一人ひとりにとって身近なテーマを投げかけてくれる作品でもあります。

たとえば、

  • もし目の前で誰かが倒れたら、どのように通報すればよいのか
  • 火災や事故に遭遇したとき、正確に場所や状況を伝えるにはどうすればよいのか
  • 119番の向こう側で、どんな人たちがどのような思いで電話を受けているのか

といったことは、知っているようで、実は詳しくは知らない人がほとんどではないでしょうか。

ドラマの中で描かれる通報のやりとりや、指令管制員たちの判断・言葉がけを見ていると、「いざというときに、自分もこうした言い方をしてみよう」「こういう情報を最初に伝えたほうがいいんだ」といった具体的なイメージが自然とわいてきます。

一方で、指令管制員たちもまた、一人の人間として迷い、悩み、傷つきながら、それでも「誰かを助けたい」という思いを支えに日々の業務に向き合っています。スペシャルドラマ「YOKOHAMA BLACKOUT」では、過酷な状況に追い込まれたとき、人は何を支えに踏ん張ることができるのか――そんな問いも投げかけられています。

新たなメンバーとして加わる長野博さん莉子さんが、現場を支えるベテランと、不安を抱えながらも前に進もうとする若手という対照的な立場から、このテーマにどう向き合っていくのか。新春の放送を前に、多くの注目が集まっています。

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