「Here We Go Again」──メラニア・トランプが主役のドキュメンタリー映画『Melania』予告編が公開

米国の元ファーストレディ、メラニア・トランプを主役としたドキュメンタリー映画『Melania(原題)』の予告編が公開され、大きな注目を集めています。「Here we go again(さあ、再び始めましょう)」というメラニアの言葉から幕を開けるこの予告編は、トランプ家の“第二幕”を象徴するような映像として世界中で話題になっています。

本作は、Amazon MGMスタジオが制作し、ハリウッドで知られる監督ブレット・ラトナーがメガホンを取るドキュメンタリー映画です。 物語の中心となるのは、2025年に行われたドナルド・トランプ氏の大統領就任式までの20日間。その舞台裏を、妻であり次期ファーストレディであるメラニア本人の視点から追った、これまでにない構成が特徴とされています。

“Here we go again”──再びホワイトハウスへ向かう日々

予告編の冒頭で印象的なのが、メラニアが静かにカメラを見つめながらつぶやく「Here we go again」という一言です。 このセリフは、かつて一度ホワイトハウスでの生活を経験した彼女が、再び同じ場所へ向かう覚悟と、ある種の諦観やユーモアを込めたフレーズとして、多くのメディアに引用されています。

メラニアはナレーションで「皆さんが知りたがっているので、ここに公開します(Everyone wants to know, so here it is)」と語り、自らのプライベートや、これまでベールに包まれてきた舞台裏を見せる意志を示しています。 寡黙でミステリアスなイメージがつきまとってきた彼女が、ここまで自分自身を前面に出すのは極めて珍しいことであり、その点も本作への関心を高める要因となっています。

ドキュメンタリー『Melania』の内容:就任式までの「20日間」に密着

映画『Melania』は、就任式当日までの約20日間に完全密着した形で構成されています。 この期間、メラニアは次期ファーストレディとして多くの責任と決断を担うことになります。報道によると、作品の概要は次のように説明されています。

  • 2025年の大統領就任式に至るまでの激動の20日間を追う
  • ホワイトハウスへの移行という複雑なプロセスを、メラニア本人の視点で描く
  • 就任式の細かな演出やスケジュールの計画を練り上げる様子を収録
  • 家族とともに公の場へ再登場していく過程をカメラが追う
  • 重要会議やプライベートな会話、これまで未公開だった映像を多数使用

とくに、就任式の計画立案や、ホワイトハウス移行の準備は、普段はなかなか見られない舞台裏です。 大統領本人だけでなく、ファーストレディやそのチームがどのように動いているのか、具体的なやり取りが映し出されるとされています。メラニアは、自身が家族、ビジネス、慈善活動をどのように両立させているかをありのままに見せる作品だとコメントしており、「ファーストレディになるまでの素晴らしい道のりを、私そのままの姿で映している」と語っています。

夫ドナルド・トランプ、息子バロンも登場

予告編の映像には、ドナルド・トランプ氏や息子のバロン・トランプの姿も登場します。 メラニアがトランプ氏に電話をかけ、「おめでとうございます」と伝えるシーンも含まれており、家族としての自然な会話も切り取られています。 さらに、会議の場でトランプ氏にアドバイスをする様子や、カメラに向かってふざけてみせるシーンなど、これまであまり見られなかった“素顔のメラニア”の一面が垣間見える構成になっていると報じられています。

こうした映像は、単なる政治ドキュメンタリーではなく、家族ドラマ的な側面も持った作品であることを印象づけます。ファーストレディとしての立場と、妻・母としての立場。その両方の間で揺れながらも、冷静に判断を下していくメラニアの姿は、多くの視聴者にとって興味深いものになりそうです。

ヨルダンのラーニア王妃との友情にも注目

本作で大きな話題となっている要素のひとつが、ヨルダンのラーニア王妃とのシーンです。 予告編には、メラニアとラーニア王妃が並んで対談している様子が映し出され、その親密な友情が強調されています。

報道によれば、ラーニア王妃は2025年1月16日、トランプ夫妻のフロリダにある邸宅マール・アラーゴを訪れ、就任式直前のメラニアとプライベートな時間を過ごしたとされています。 王妃はそのときの写真をSNSにも投稿しており、「フロリダでメラニア次期米国大統領夫人と再会できたのは嬉しいことでした」とコメントしていました。 こうした裏話が本作の中でどのように描かれるのかも、注目ポイントのひとつです。

また、予告編の中に他のロイヤルファミリーや各国の大統領夫人らが登場しないことから、メディアの中には「ラーニア王妃との交友関係がいかに特別なものであるかを示している」と分析する論調もあります。 国境を越えた女性同士のつながりが、政治の最前線でどのような役割を果たしているのか、作品を通じて考えるきっかけにもなりそうです。

ブレット・ラトナー監督の“復帰作”としての意味

本作を手がけるのは、『ラッシュアワー』シリーズなどで知られるハリウッド監督ブレット・ラトナーです。 ラトナー監督は、2017年にセクシュアルハラスメントに関する告発を受けてから、長らく第一線から姿を消していました。 その彼が、メラニア・トランプ本人の全面協力を得たドキュメンタリーで本格復帰を果たす、という構図は、映画業界でも象徴的な出来事として受け止められています。

作品の公式な説明では、「世界で最も影響力のある地位に返り咲くメラニアの“真実の姿”を映し出す」とされています。 これは、トランプ家の政治的な復活だけでなく、監督自身のキャリア再起とも重ね合わせて語られることが多く、映画としてだけでなく“物語性の高いプロジェクト”として注目を集めています。

公開スケジュールとその後の展開

ドキュメンタリー映画『Melania』は、2026年1月30日にアメリカおよび一部の海外地域で劇場限定公開される予定です。 その後は、全3部構成のドキュメンタリーシリーズとしてPrime Videoで独占配信される計画となっています。

劇場版で物語の核となるドラマを描き、その後配信シリーズでより詳細な舞台裏やインタビュー、追加映像を掘り下げていく構成が想定されており、映画ファンだけでなく、政治や現代史に関心のある視聴者からも期待が寄せられています。

「ニュースクイズ」と「Here We Go Again」──年末を彩る“go”の話題

今回のニュースが注目される背景には、「go」というキーワードが象徴的に使われている流れもあります。年末恒例となっている海外メディアのニュースクイズでは、「年内最後のニュースクイズ!あなたはトップで締めくくれる?(Will you go out on top?)」というコピーが話題になりました。ここでも「go」が、「今年をどう締めくくるか」という意味合いで用いられています。

一方、メラニアのドキュメンタリーでは、「Here we go again」という言葉が、「再び、政治の中心へと歩み出す」という意味を帯びて響きます。 年末から年始にかけて、「go」という言葉が「終わり」と「始まり」の両方を象徴するフレーズとして、ニュースやエンターテインメントの中で印象的に使われているのは興味深い現象だと言えるでしょう。

クイズで「go out on top(最高の形で終える)」のか、あるいはメラニアのように「Here we go again(再び始める)」のか。そんな対比を楽しみつつ、このドキュメンタリーを待ち望む人も少なくないかもしれません。

メラニアが見せる“これから”の姿

『Melania』は、過去を振り返るだけの作品ではなく、「これからのメラニア・トランプ」を示唆する作品でもあります。ファーストレディとしての公的な顔だけでなく、ビジネスパーソン、母親、そして一人の女性として、彼女がどのような価値観を大切にし、今後どんな活動を広げていこうとしているのかが、映像を通じて浮かび上がってくると期待されています。

これまで、メラニアについては多くの憶測やイメージが語られてきましたが、本人の声で語られる機会は必ずしも多くありませんでした。その意味で、本人協力のドキュメンタリーという形で届けられる本作は、メラニア像を見つめ直す大きなきっかけになると言えるでしょう。

Everyone wants to know, so here it is.」──
「みんな知りたがっているから、ここにお見せします」。
その言葉どおり、世界が長年抱いてきた疑問に、メラニア・トランプ自身がどう向き合うのか。「Here we go again」という言葉とともに始まるこのドキュメンタリーは、政治・メディア・エンターテインメントの境界線をまたぐ、象徴的な一本になりそうです。

参考元