マカロニえんぴつ「静かな海」が彩る『GEMNIBUS vol.2』とは? 東宝の才能支援プロジェクト第2弾が公開決定
東宝が手がける才能支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label」による短編オムニバス映画『GEMNIBUS vol.2』が、2026年3月6日(金)から1週間限定でTOHOシネマズ 日比谷にて公開されることが発表されました。本作の主題歌には、人気ロックバンドマカロニえんぴつの新曲「静かな海」が起用され、早くも大きな注目を集めています。
『GEMNIBUS vol.2』は、日本映画界の次世代を担う新鋭クリエイターたちが参加する短編映画集で、俳優の西野七瀬さんや西垣匠さん、戸塚純貴さんら豪華キャストの出演も明らかになりました。また、アニメーション作家・土海明日香さんの新作短編アニメもラインナップに加わり、映像表現の多様さも見どころとなっています。
東宝「GEMSTONE Creative Label」とは? 才能支援プロジェクトの第2弾
『GEMNIBUS vol.2』は、東宝の若手社員が立ち上げた才能支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label」から生まれた企画です。このプロジェクトは、
- 映像のフォーマットやメディア、実績の有無を問わず
- あらゆるクリエイターが自由に才能を発揮できる場を提供すること
を目的としており、映画監督だけでなく、アニメーション作家や新たな表現に挑むクリエイターたちが参加しています。
第1弾となった『GEMNIBUS vol.1』は、4人の気鋭監督による4本の短編で構成され、ティーチイン付き上映回が連日満席となるほどの反響を呼びました。その結果、好評につき上映館の拡大や上映期間の延長が行われるなど、プロジェクトとして幸先の良いスタートを切っています。
こうした成功を受け、よりスケールアップした形で企画されたのが、今回の第2弾『GEMNIBUS vol.2』です。
『GEMNIBUS vol.2』は6本立ての短編オムニバス映画
『GEMNIBUS vol.2』では、6名の新鋭クリエイターが監督・脚本を務める短編映画6本が1つのプログラムとして上映されます。第1弾から作品数も増え、より多彩なジャンル・表現手法がスクリーンに並ぶことで、「唯一無二の映像体験」を生み出すことを目指しています。
ラインナップには、実写だけでなくアニメーション作品も含まれ、ドラマ、青春映画、SFサスペンスなど、さまざまなテイストの短編が集結します。観客は、ひとつの長編映画を見るのとは異なるリズムで、異なる世界観が立て続けに立ち上がる面白さを味わえる構成になっています。
マカロニえんぴつ「静かな海」が主題歌に決定
本作を語るうえで欠かせないのが、主題歌に起用されたマカロニえんぴつの「静かな海」です。東宝側の発表によると、「静かな海」はミディアムバラードで、6つの物語が放つ熱量や感情の波を、やさしく、そして力強く包み込む楽曲だと紹介されています。
「静かな海」は、単なる映画タイアップ曲としてだけでなく、企画そのものが掲げるテーマとも深く結びついています。プロジェクトリーダーである栢木琢也氏は、マカロニえんぴつに主題歌を依頼した理由として、
- 彼らが信念を持ってクリエイティブを貫いてきた姿勢
- 「静かな海」という曲が、クリエイターとしての希望と葛藤を描いている点
を挙げ、「企画テーマと深く通じ合っていると感じた」と語っています。
映画と音楽が互いに影響し合いながら、ひとつの「創造すること」そのものへの賛歌を形づくっているといえるでしょう。
マカロニえんぴつ・はっとりのコメント
ボーカル&ギターのはっとりさんは、主題歌オファーを受けた心境について、次のようなコメントを寄せています。
「だんだんと『静かな海』に対する期待、延いては自分のクリエイトにも自信を失いかけていたところに、こんな素晴らしい企画の主題歌のお話をいただきました」と述べ、自身が抱えていた葛藤と、この企画への参加が大きな転機になったことを明かしています。
また、6名のクリエイターによる張り詰めた創造の空気に触れて、その感触を楽曲とともに観客の記憶に焼き付けてもらえたら嬉しいという思いも語っています。この言葉からは、アーティストとしての等身大の迷いや、それでも作品と真摯に向き合っていこうとする姿勢が伝わってきます。
「静かな海」というタイトルには、一見おだやかなイメージがありますが、その奥底には波立つ感情や言葉にできない揺らぎが潜んでいるようにも感じられます。映画のなかで、観客がどのような瞬間にこの楽曲と出会うのかも、大きな見どころのひとつになりそうです。
西野七瀬、西垣匠、戸塚純貴らが出演する注目キャスト陣
『GEMNIBUS vol.2』には、次世代を担う俳優陣も多数参加しています。発表されている主なキャストとして、
- 西野七瀬さん
- 西垣匠さん
- 戸塚純貴さん
らの名前が挙がっています。西垣匠さんと戸塚純貴さんは、青春映画『ソニックビート』に出演し、プレッシャーを疾走感で突き抜ける若者たちの姿を演じています。西野七瀬さんも、短編のひとつに重要な役どころで参加しており、作品ごとに異なる顔ぶれとケミストリーを見せてくれそうです。
それぞれの短編ごとにキャスティングも作風も変わるため、一人の俳優を目当てに観に行っても、他の作品やクリエイターとの思いがけない出会いが生まれるのも、このオムニバス形式ならではの魅力です。
土海明日香による新作短編アニメも劇場公開
本作には、アニメーション作家の土海明日香さんによる新作短編アニメも収録されています。土海さんの作品は、繊細なビジュアルと独特の世界観で支持されており、今回の『GEMNIBUS vol.2』でも実写とは異なるアプローチでテーマに切り込む1本として期待が寄せられています。
東宝による才能支援プロジェクトの枠内で、アニメーション作品が実写短編と同列に並べられ、同じスクリーンで上映されるという形式は、若手クリエイターにとって貴重な機会であると同時に、観客にとっても新しい才能をいち早く見つける場になっています。
6つの短編が生む「唯一無二の映像体験」
『GEMNIBUS vol.2』のラインナップは、映像美が際立つものから、ジャンル色の強い作品、青春ドラマ、ホラーやサスペンス的要素を持つものまで、幅広い構成になっています。たとえば、
- 圧倒的な映像美の中で「幸福」の意味を問いかける問題作『青い鳥』(監督・脚本・撮影:増田彩来)
- スタイリッシュな映像で現代社会の闇を切り裂くSFサイコロジカルホラー『顔のない街』(監督・脚本:村上リ子/出演:吉田美月喜、香椎由宇)
- プレッシャーの中を走り抜ける青春映画『ソニックビート』(監督・脚本:関駿太/出演:西垣匠、山崎天、戸塚純貴)
などが挙げられています。
これらの作品は、それぞれが独立した短編でありながら、全体として「新しい才能の現在地」を浮かび上がらせる構成になっています。観客は、約2時間前後の上映時間の中で、まったく異なるトーンやテーマの物語を次々と体験することになり、結果として強い余韻を味わえる仕掛けになっているのです。
プロジェクトリーダーが語る手応えと狙い
「GEMSTONE Creative Label」のプロジェクトリーダーであり、本作のプロデューサーも務める栢木琢也氏は、前作の成功と今作への思いについて、
- 前作への大きな反響のおかげで第2弾を製作できたことへの感謝
- 今回集まった監督たちは、確かな個性と強烈な企画性を併せ持つ「次代を担う才能」であるという手応え
- その才能が開花する瞬間に、観客にもぜひ劇場で立ち会ってほしいという願い
を語っています。
才能支援プロジェクトという言葉には、「発掘」や「育成」といった意味合いだけでなく、観客と新しい才能とをつなぐ場をつくるという役割も含まれています。『GEMNIBUS vol.2』は、その具体的な形として、完成された1本の長編映画とは異なるスタイルでありながら、同じかそれ以上に濃密な鑑賞体験をもたらしてくれそうです。
1週間限定公開という特別な上映形態
『GEMNIBUS vol.2』は、2026年3月6日(金)から1週間限定で、TOHOシネマズ 日比谷にて公開されます。前作『GEMNIBUS vol.1』が一部劇場で上映延長されるほどの支持を得たことを踏まえると、今作も短期間ながら大きな話題を集めることが予想されます。
1週間限定という枠は、観客にとっては「この期間中に足を運ぶ理由」ともなり、イベント上映に近い特別感があります。作品はもちろん、監督や出演者が登壇するトークイベントやティーチインなどが行われる可能性もあり、映画とクリエイターの距離が近い場としても期待されています。
マカロニえんぴつファンにも映画ファンにも嬉しいコラボレーション
今回のニュースは、映画ファンだけでなく、マカロニえんぴつのファンにとっても見逃せないものです。新曲「静かな海」は、主題歌として映像とともに体験することで、楽曲の新たな一面が感じられるはずです。
また、これまでマカロニえんぴつをあまり知らなかった映画ファンにとっては、エンドロールや本編と楽曲のマッチングを通じて、バンドの音楽性に触れるきっかけにもなるでしょう。音楽と映画の出会いが、新しい観客層の広がりにつながる可能性もあります。
東宝の才能支援プロジェクト、第2弾『GEMNIBUS vol.2』。そこに流れるマカロニえんぴつ「静かな海」は、6つの短編をそっと包み込みながら、クリエイターたちのまなざしと観客の心を静かに、しかし確かに結びつける役割を果たしてくれそうです。




