氷川きよし、KIINA.として歩んだLAの2か月と「再スタート」──心は変わらないまま、表現の翼を広げて

演歌界のスターとして長年愛されてきた氷川きよしさんが、「人間・KIINA.、歌手・氷川きよし」として新たな一歩を踏み出しています。
その背景には、アーティスト名「KIINA.」として過ごしたロサンゼルス(LA)での2か月、そしてジャンルを越えて変幻自在のステージを見せる「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025 ~KIINA’S LAND~」の存在があります。

LAで過ごした「KIINA.」としての2か月──世界的ピアニストの言葉に涙

氷川さんは、アーティスト名「KIINA.」として、ロサンゼルスで約2か月を過ごしました。
環境も言葉も文化も異なる地で、自分自身と向き合い、音楽と向き合う時間だったとされています。

そのなかで、ある世界的ピアニストからかけられた言葉が、氷川さんの心を大きく揺さぶりました。
それは、「どんな姿形をしていようと、心は変わらない」というメッセージでした。

自分のあり方、見た目やイメージ、ジャンルの枠にとらわれず、「心のままに生きていい」という強い肯定の言葉を受けたことで、氷川さんの目からは次から次へと涙があふれたと明かしています。
長年、国民的演歌歌手としての期待を背負い続けてきたからこそ、「どう見られるか」と「どうありたいか」の間で揺れていた心に、その言葉は深く響いたのでしょう。

このLAでの経験は、氷川さんが自分自身の「心」を信じて表現するという決意を、よりいっそう強くするきっかけとなりました。
姿やスタイルが変化しても、「心は変わらない」。その信念こそが、今の氷川さん/KIINA.の軸になっています。

「人間・KIINA.、歌手・氷川きよし」の再スタートに選んだ一曲

再始動にあたり、氷川さんは「人間・KIINA.、歌手・氷川きよしの再スタート」にふさわしい曲を自ら選びました。
「不器用なので、人の何倍も努力しないといけない」と語るように、その1曲には、これまでの歩みと、これから進んでいく決意が込められています。

2025年には、新曲「白睡蓮」がリリースされ、「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025 ~KIINA’S LAND~」のステージでも披露されています。
「白睡蓮」は、作詞・松本隆さん、作曲・TAKUROさん、編曲・亀田誠治さんという豪華メンバーによる楽曲で、来世での再会を願う世界観を持つ、切なくも美しい歌です。

ツアー東京公演(LINE CUBE SHIBUYA)では、この「白睡蓮」を歌う前に、氷川さんは「大切な新曲を歌わせていただきます」と丁寧に語り、客席からは大きな拍手が送られました。
この曲は、単なる新曲ではなく、「再スタート」を象徴する1曲として、氷川さん自身の想いと重ねて歌われています。

さらに、公演のラストには、自身が作詞を手がけた「WALK」、そしてサプライズで「Party of Monsters」を披露するなど、「KIINA.」としての表現の幅も見せています。
演歌の枠を越えたポップスやロック、ダンサブルな楽曲まで、振れ幅の大きなセットリストは、「ジャンルに縛られないアーティスト」としての現在地を示しています。

座長公演で「直接オファー」した2人の友人

氷川さんは、座長公演にあたり、「この再スタートを一緒に歩みたい」と強く感じた2人の友人に、直接出演のオファーを行ったとされています。
長年の活動の中で出会った信頼できる仲間に、自ら声をかけ、ステージを共にすることは、氷川さんにとっても大きな勇気となりました。

周囲に支えられながらも、決断の一つ一つは自分の意志で行う。
その積み重ねが、「人間・KIINA.」としての生き方、「歌手・氷川きよし」としての表現を、より豊かにしているように感じられます。

ジャンルを越えて変幻自在──「KIINA’S LAND」が描く世界

2025年5月からスタートした全国ツアー「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025 ~KIINA’S LAND~」は、氷川さんのデビュー26年目の幕開けを飾るコンサートシリーズです。
5月8日の埼玉・ウェスタ川越公演を皮切りに、全国各地で開催されています。

このツアーはタイトルの通り、「KIINA.」が創り出す世界=“KIINA’S LAND”がテーマ。
演歌、ポップス、ロックといったジャンルにとらわれず、「いま歌いたい歌」「いま見せたい世界」をストレートに届ける構成になっています。

東京・LINE CUBE SHIBUYA公演のライブレポートでは、氷川さんが「盛り上がり、すごい! こちらもみなさんに負けないように張り切って歌わせていただきたいと思います」と笑顔で語り、約1か月ぶりのコンサートを心待ちにしていた様子が伝えられました。
全24曲にわたるステージは、演歌の名曲から新曲「白睡蓮」、自身作詞の「WALK」、さらにサプライズ曲まで、まさに「変幻自在」という言葉がふさわしい内容となっています。

ツアーは、埼玉・川越から始まり、東京、神奈川、広島、大分、熊本、宮城、愛知、大阪などへと続いていきます。
各地での公演スケジュールは、オフィシャルサイトや特設ページを通じて発表されており、多くのファンがこの“新たな旅”を見守っています。

「心は変わらない」からこそ、自由になれる

LAでの2か月、世界的ピアニストからの
「どんな姿形をしていようと、心は変わらない」
という言葉は、氷川さんにとって、自分の歩みを肯定する大きな支えになりました。

見た目やイメージが変わっても、歌うジャンルが広がっても、歌に込める想い、ファンへの感謝、自分らしく生きたいという願いは変わりません。
むしろ、「心は変わらない」と確信できたからこそ、表現はより自由になり、「KIINA.」としての新たなステージが開かれていったのだと考えられます。

演歌歌手として国民的な支持を得てきた経験と、LAで得た刺激、そして多様なジャンルに挑戦する今。
それらすべてが混ざり合い、「人間・KIINA.、歌手・氷川きよし」という新しい姿を形づくっています。

再スタートの先に広がる「KIINA’S LAND」

2025年には、コンサートツアーだけでなく、劇場版『氷川きよし/ KIYOSHI HIKAWA + KIINA. 25th Anniversary Concert Tour -KIIZNA-』も公開され、再始動の姿が映像作品としても記録されています。
デビュー25周年を経て、26年目に突入した今、氷川さんは「過去」と「現在」と「これから」をつなぐ存在として、新しい音楽の旅に出ています。

「不器用なので、人の何倍も努力する」と語る氷川さん。
LAでの涙、友人へ直接オファーした座長公演、新曲に込めた決意、そしてジャンルレスなツアー──その一つひとつのエピソードからは、真っ直ぐで誠実な人柄がにじみ出ています。

これからも、「どんな姿形」であっても、「どんなジャンル」で歌っていても、氷川きよし/KIINA.の「心」は変わりません。
その変わらない心を軸に、「KIINA’S LAND」という広大な表現の世界は、これからさらに色彩豊かに広がっていくことでしょう。

参考元