米津玄師「1991」10月13日配信リリース、新たなジャケットビジュアル公開

人気アーティスト・米津玄師による劇場用実写映画『秒速5センチメートル』主題歌「1991」(読み:ナインティーンナインティワン)が、2025年10月13日に配信リリースされることが明らかになりました。今回、この新曲のジャケットビジュアルも同時に公開され、ファンの間で大きな話題となっています。

「1991」は、新海誠監督のアニメ映画『秒速5センチメートル』(2007年公開)を、奥山由之監督・松村北斗主演で実写化した作品の主題歌として書き下ろされた楽曲です。映画は10月10日から全国で公開されており、物語の世界観をさらに深める音楽として期待が高まっています。

ジャケットビジュアルには、米津玄師の静かな表情が印象的で、どこか物憂げな雰囲気が漂います。青を基調とした色使いが、映画全体の持つ“切なさ”や“希望”と共鳴するデザインとなっています。また、タイトルである「1991」の数字が大きく描かれており、この年が米津玄師と奥山由之監督の生まれ年であること、そして作品のキーワードであることが伝わってくる仕上がりです。

米津玄師はコメントで、「映画を試写で初めて見させてもらった時、冒頭から終わりまで全てのカットに奥山さんの熱意と執念が滲むその出来栄えに『すごいものを見た』という興奮をおぼえました。子どものころ原作と出会い、数年まえMV監督としての奥山さんと出会い、やがて映画監督にもなった彼がこのような素晴らしい映画を撮り、そこにわたしの居場所があったのが嬉しくてなりません。映画の為に書き下ろした曲であるのはもちろんですが、先述の経緯による影響もあってか同時にわたしの半生を振り返るような曲にもなってしまい、映画のキーワードでもあるところの1991というタイトルにさせてもらいました」と語っています。

「第5夜 私たちの『秒速5センチメートル』」プロジェクト始動

また、映画『秒速5センチメートル』公開を記念して、「第5夜 私たちの『秒速5センチメートル』」と題したファン参加型プロジェクトが始動しました。これは、映画の公開1週間目となる10月17日からスタートする大型キャンペーンで、視聴者が自身の“秒速5センチメートル体験”をSNSや公式サイトでシェアする企画です。

「第5夜」のタイトルは、映画が3つのエピソードに分かれており、そのうちの“もう一つの夜”をファンのみなさんと共に創ろうという趣旨に由来します。参加者は、映画で感じた思いや、自分の過去に重ねるようなエピソードをハッシュタグ「#私たちの秒速5センチメートル」で投稿します。優秀作品は公式サイトや劇場ロビーで特別展示されるなど、映画の世界観をさらに広げる取り組みとなっています。

このプロジェクトには、映画の主題歌を歌う米津玄師自身も参加し、「みんなの“秒速5センチメートル”をぜひ聴かせてください」とメッセージを寄せています。物語や音楽に触発された人々の声が集まることで、映画の余韻が長く続くことを期待する声も多く、映画館を離れた“物語の続き”が生まれています。

米津玄師の主題歌起用が続く背景 ―作品ごとに物語と同化する楽曲へ―

米津玄師はこれまでにも数多くの映画やドラマの主題歌を手がけてきましたが、そのたびに観客や関係者から「作品の世界観と楽曲が深く結びついている」「物語そのものが音楽になっている」と絶賛されています。今回の『秒速5センチメートル』でも同様に、楽曲がストーリーや登場人物の心情とシンクロしていることが高く評価されています。

専門家からも、「米津玄師の楽曲は単なる“付属品”ではなく、作品の一部として脚本・映像と響き合い、観客の感情に直接訴えかける力がある」と分析する声が聞かれます。劇中で使われる音楽の選択や、アーティストへの依頼の背景には、制作側の“作品と音楽の一体化”への強いこだわりがあることがうかがえます。

また、米津玄師と奥山由之監督はともに1991年生まれで、ものづくりを志した時代や、職業人としての悩みを共有してきた仲でもあります。監督は「互いに『1991』年に生まれ、同じ時代にものづくりを始めて、だからこそ(きっと)似た悩みをくぐり抜けながら、時に一緒に創作をしてきた米津さんと、ついに『秒速5センチメートル』を共に描けたことが嬉しくてなりません」と語り、両者の共通したバックグラウンドが作品に良い化学反応を生み出していることも明らかにしています。

楽曲制作の過程では、米津玄師が実際に映画を試写で鑑賞し、作品の持つ空気感や登場人物の心情をじっくりと咀嚼した上で詞を書き上げたとのこと。そのため、「1991」は映画のために作られた書き下ろしであると同時に、米津玄師自身の半生が投影された作品とも言える内容になっています。楽曲が生まれた背景を知ることで、リスナーはより深く作品世界に入り込むことができるでしょう。

米津玄師の“物語と音楽の共鳴”が観客の心を動かす

米津玄師の主題歌がこれほどまでに支持される理由は、単なる“ヒット曲”ではなく、必ず物語と共鳴する楽曲を生み出し続けている点にあります。専門家は、「彼の楽曲は映画の世界観や登場人物の感情に寄り添い、ときに観客自身の記憶や感情を呼び起こす力がある」と評価します。特に『秒速5センチメートル』のような、人の心の“距離”や“時”をテーマにした作品において、米津玄師の音楽は観客の共感をさらに深める役割を果たしています。

また、今回の主題歌「1991」の旋律は、「一歩一歩の歩みを大切に踏みしめるような」印象を持つと評されています。登場人物・遠野貴樹の半生を、映像や音楽を通して自分ごととして重ねて描くことで、初めて聴いたときから心が震えるような体験ができると、監督もコメントしています。

こうした背景から、米津玄師の楽曲は“映画の声”として観客に届き、映画館を出た後も心に長く残る音楽として、これからも多くの作品で起用されていくことが予想されます。

まとめ ―“物語と音楽、そして観客が重なる瞬間”―

米津玄師による映画『秒速5センチメートル』主題歌「1991」の配信リリースとジャケットビジュアル公開は、映画ファン・音楽ファン双方から大きな注目を集めています。映画の世界観や登場人物の心情と深く結びついた楽曲は、作品をより豊かに彩り、観客の心に強く響いています。

「第5夜 私たちの『秒速5センチメートル』」プロジェクトのように、映画の余韻をファンと共に分かち合う試みも始まっており、物語や音楽が観客一人ひとりの人生体験と重なり合う瞬間が生まれています。米津玄師の主題歌は、単なる“映画のBGM”を超えて、ストーリーの重要な一部として確固たる地位を築いていることが、今回のリリースでも改めて実感できるでしょう。

これからも、米津玄師の“物語と音楽の共鳴”が多くの人々の心を動かし続けることが期待されます。

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