寛一郎、役者人生8年目のいま──苦悩を越えて見据える「大きい花火」の夢と、父・佐藤浩市との関係の変化

俳優・寛一郎さんが、俳優デビューから8年を迎えました。
祖父は名優・三國連太郎さん、父は俳優・佐藤浩市さんという「三世代俳優」の家系に生まれながら、自らの足で着実にキャリアを積み重ねてきた寛一郎さん。
この8年間の苦悩と成長、そして「大きい花火を上げたい」と語るこれからの夢、さらに父との関係の変化について、近年のインタビュー内容などをもとに整理してお伝えします。

三世代俳優として歩み始めた20代──デビューから現在まで

寛一郎さんは1996年8月16日、東京都生まれの俳優です。
父は俳優の佐藤浩市さん、祖父は名優・三國連太郎さんという、日本映画界でも屈指の俳優一家に生まれました。

高校卒業後にはアメリカ・ロサンゼルスへ短期留学し、その後、2017年に俳優デビューを果たします。
デビュー作となったのは、東野圭吾さん原作の映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などで、以降さまざまな映画・ドラマに出演し、若手俳優として存在感を高めてきました。

2020年代に入ると、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で公暁役を演じ注目を集め、その後も話題作への出演が続きます。
近年では、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」などにも出演し、時代劇での存在感も示しています。

さらに、2025年度後期のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」では、ヒロイン・トキのお見合い相手・山根銀二郎役で朝ドラ初出演が決定しました。
朝ドラという国民的ドラマへの出演は、俳優としてのステップアップを象徴する出来事と言えます。

「役者になって8年」 苦悩と孤独を抱えた日々

デビューから8年。順風満帆に見えるキャリアの裏には、本人にしか分からない苦悩や孤独がありました。
スポーツ紙のインタビューでは、自身の歩みを振り返りながら、「この仕事が生きがい、生きる理由」と語っています。

ある作品では、「LGBTQ」の「Q(クィア)」にあたる役柄・健流を演じました。
健流は自ら命を絶つ人物として描かれ、その死の理由を周囲の人々が探していく物語の中で、寛一郎さん自身も孤独社会との軋轢と深く向き合ったといいます。

役作りを通して、「自分と周りとの軋轢」「社会との摩擦」を強く感じていた時期があり、「孤独」という感覚が非常に濃く心にあったと明かしています。
健流の選択について、「決して自死を肯定するわけではない」と慎重に前置きしたうえで、「彼にとっての最善の策だったのかもしれない」と思う瞬間もあったと、複雑な胸中を語っています。

こうした難しい役に向き合う中で、役者としてだけでなく、一人の人間としても自分自身と向き合い続けてきたことがうかがえます。

自分をどう見ている?「嫌みっぽくて生意気、でもすごくピュア」

インタビューの中で、記者から「笑顔が魅力的」と伝えられた寛一郎さん。自分はどんな人間だと思うかと問われ、「なんだろう、難しいなあ」と考え込んだあと、少し照れくさそうにこう語っています。

  • 「嫌みっぽいですし、生意気っぽいですし…」
  • 「でもすごいピュアな人間なので…だから、笑顔が魅力的なんじゃないかな」

自分の良い面・悪い面の両方を冷静に見つめながらも、「ピュア」であろうとする姿勢がうかがえます。
その笑顔の裏には、孤独や葛藤を抱えながらも、真摯に役と向き合い続ける俳優としての姿があるのかもしれません。

父・佐藤浩市との関係──「倒すべき相手」から、少し微妙な距離感へ

父・佐藤浩市さんについて、寛一郎さんは以前、「倒さなければいけない相手」と表現したこともあるほど、強く意識してきました。
同じ俳優として、そして偉大な父を持つ息子として、その存在は常に大きかったのでしょう。

役者としての歩みを進める中で、若い頃は父から「役をもっと大事にしろ」などさまざまな助言を受けてきました。
しかし現在は、自分からあまり相談することはなくなったと話しています。

その理由について、寛一郎さんはこう語っています。

  • 「話はこれまでにすごくたくさん聞けた」
  • 「親父からどういう答えが返ってくるかも分かってしまう」
  • 「それが分かってしまうことに、少しさみしさもある」

また、現在の父との関係については、「今、何周か回って、ちょっと父親との関係が微妙な時期かもしれない」と率直に表現。
「嫌いなわけではない」としつつも、佐藤さんが65歳となり、父の側から「仲良くしたい感じ」が強く伝わってくる一方、自分の中でその距離感をどう捉えるか、模索している心情がにじみます。

かつては「倒すべき相手」として見ていた父が、年月を経て一人の人間として、また年老いていく親として見えてきたのかもしれません。
その微妙な揺らぎは、家族であり、同じ職業を生きる者同士だからこその複雑さと言えるでしょう。

「父の芝居をコピーできる」──受け継いだ感性と、そこからの自立

インタビューで特に印象的なのが、「自分は父親の芝居をコピーできる」と語った一言です。
セリフの間やニュアンスも含め、同じセリフを渡されて「お父さんならどう演じるか」と聞かれれば、「100%正解を出せる自信がある」とまで言い切っています。

これは、幼い頃から父の芝居を見続けてきたからこそ生まれた感覚であり、同時に「父のスタイルをなぞるだけではいけない」というプレッシャーにもつながり得るものです。
その一方で、「親父からの答えが分かってしまう」ことに、ある種の寂しさを感じているという告白は、父からの影響を十分に受け取り切ったからこそ、今は自分自身のスタイルを模索する段階にあることを示しているように思えます。

「大きい花火を上げたい」──これからの夢

来年には30歳を迎える寛一郎さん。
役者として節目の年齢にさしかかる中で、これからの夢について問われると、彼は迷いなくこう語りました。

「大きい花火を上げたいんです。見たことない花火を作り出せる人間になれたら、と思います」

ここでいう「花火」は、もちろん比喩表現です。
多くの人の心に強く残る作品や演技、誰も見たことのない表現を生み出す俳優になりたい、という願いが込められているように感じられます。

インタビューでは、その目の奥に強い輝きが宿っていたと記されています。
記者はその姿に、「安易な表現を使えば、『スター』になる男の言葉だった」と評しています。
すでに実績を積みながらも、そこに甘んじることなく、あくまで「もっと先」を目指していることが伝わってきます。

朝ドラ「ばけばけ」で見せる新たな一面

今後の活躍を語るうえで欠かせないのが、2025年度後期のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」への出演です。
同作は、没落士族の娘であり、小泉八雲の妻・小泉セツをモデルにしたヒロイン・トキの物語で、明治初期という激動の時代を舞台にしています。

寛一郎さんが演じる山根銀二郎は、武士階級の没落によって貧しい家に生まれた士族の青年で、ヒロイン・トキのお見合い相手という重要な役どころです。
制作側は、銀二郎について「貧しい状況でも、まっすぐでピュアな心を持った人物」と説明し、その誠実さや洞察力を持つ青年像を、寛一郎さんが立体的に表現してくれることへの期待を語っています。

一方、本人も「これまで時代劇に携わることは多かったが、明治時代を舞台にした作品は初めてで、とても新鮮な気持ち」とコメント。
急速な近代化で社会が揺れる明治初期という時代を、自身も演じる人物も同じように「変化に翻弄される者」として体感しようとしている姿勢が印象的です。

まっすぐでピュアな青年・銀二郎は、どこか本人の人柄にも重なる部分があります。
自身が語る「すごくピュアな人間」という自己認識が、どのように役に投影されていくのか、多くの視聴者の注目を集めることになりそうです。

「役者の家」に生まれたメリットとデメリット

「役者の家」に生まれたことについては、過去のインタビューで「メリットとデメリットは半々」と率直に語っています。
名前が知られている家に生まれたことで、早い段階から注目を集める一方、「親の七光り」と見られることへの抵抗感や、常に比較されるプレッシャーもあったといいます。

それでも、「父や祖父が築いてきたものを、ただ受け継ぐだけではなく、自分の言葉と身体で表現したい」という思いが、舞台や映画、ドラマの一つひとつの仕事に向かうエネルギーとなっているようです。

「これが最初で最後になるかも」──覚悟を持って挑む作品たち

過去に出演した舞台作品「カスパー」については、「これが最初で最後の舞台になるかもしれない」と語るほどの覚悟で臨んだといいます。
膨大なセリフが飛び交う「言葉の拷問劇」とも言われる作品にまっこうから向き合い、自分を追い込むことでしか到達できない表現領域を目指した姿がうかがえます。

「最初で最後」とまで言い切るのは、それだけ一つひとつの仕事に全力を注ぎ、「同じ熱量で超えられる作品にまた出会えるのか」という不安と期待を同時に抱えているからでしょう。
この「一本一本に賭ける」姿勢こそが、彼のいう「見たことない花火」を生み出していく原動力になっているのかもしれません。

29歳から30代へ──「スター」と呼ばれるその日まで

デビューから8年、現在29歳。
これまでに映画、ドラマ、舞台とさまざまな表現の場で経験を重ね、視線の先には「大きい花火を上げたい」という明確な夢があります。

父や祖父という大きな存在に囲まれながらも、自分自身の言葉で、自分にしかできない役を紡いできた寛一郎さん。
孤独や軋轢を抱えながらも、それをエネルギーに変えて前進してきた彼の姿は、多くの人の心を打つものがあります。

インタビューを行った記者は、「安易な表現を使えば、『スター』になる男の言葉だった」と彼を評しました。
その言葉どおり、これからの日本の映画・ドラマ界で、彼がどんな「花火」を打ち上げていくのか。今後の一作一作から、目が離せません。

関連する情報インフラの変化──生成AI時代のニュースの受け取り方

一方で、こうした芸能ニュースやインタビュー記事の届けられ方も、大きな変化の中にあります。
海外では、巨大IT企業が欧米メディアと提携し、ニュース配信の主戦場がSNSから生成AIへと移りつつあるという報道も出ています。これは、情報の入り口が検索やSNSだけではなく、対話型AIなど多様なチャネルへ広がっている現状を示すものです。

情報が「どこから」「どのような文脈で」届けられるかは、ニュースの受け取り方にも影響を与えます。
俳優のインタビュー記事や作品情報も、従来の紙媒体やウェブメディアに加え、こうした新しい情報インフラを通じて届く機会が増えていくでしょう。

メルマガ受信設定の操作不可のお知らせについて

また、ニュース配信の形態といえば、古くからあるメールマガジン(メルマガ)も重要な情報源のひとつです。
一部のサービスでは、システムの更新や障害などにより、一時的に「メルマガ受信設定の操作ができない」旨を知らせる案内が出ているケースもあります。

メルマガの受信設定が変更できない期間が生じると、購読者は希望どおりに配信を止めたり、再開したりすることが難しくなります。
こうしたときは、サービス側からの公式なお知らせや復旧情報を確認し、再び設定が可能になったタイミングで見直しを行うことが大切です。

芸能ニュースやインタビュー記事など、多様なコンテンツをどの媒体で受け取るかは、今後さらに選択肢が増えていきます。
寛一郎さんのような俳優の歩みを追いかけるうえでも、メール、ウェブ、SNS、そして生成AIと、複数の窓口をうまく使い分ける時代になりつつあると言えるでしょう。

参考元