「重度のうつ病で手遅れでした」――はらぺこツインズが語った活動休止と現在の思い

登録者数57万人超の人気大食い双子姉妹YouTuber「はらぺこツインズ」が、公にしてこなかった心の病と活動休止の裏側について、少しずつ言葉を紡ぎ始めています。
姉の小野かこさんがインスタグラムで「診断された時は重度のうつ病で既に手遅れでした」「2年間引きこもりでした」と打ち明けたことが、大きな反響を呼んでいます。

長年抱えてきた「うつ病」と2年間のひきこもり

かこさんは、インスタグラムの投稿で自らが抱えてきた状況を、率直な言葉で綴りました。
「診断された時は重度のうつ病で既に手遅れでした。2年間引きこもり、主治医と母としか話さない日々が続き、布団の中から天井を見上げる毎日でした」と、当時の様子を回想しています。

投稿の中でかこさんは、今も睡眠障害などの症状があり、強めの薬を処方されていること、そして服薬治療カウンセリング治療を継続していることも明かしています。
加えて、「私は解離性健忘症も発症してしまい、強いストレスを感じると発作が起きるのですが、その発作が起きたことを忘れてしまいます」と告白し、「これは本当にあこに申し訳ないです…」と妹への思いも記しています。

こうした状況から、かこさんは「今は極力ストレスがかからない状況を作ることを心がけています」と、自分自身を守るための工夫をしていることを伝えました。

活動休止の発表と、あこさんの「即時入院」

はらぺこツインズが活動休止を公表したのは、10月24日に更新されたインスタグラムでのことでした。
その中で、妹の小野あこさんについて「先月より体調が思わしくなく、病院で診察を受けたところ、医師の判断により即時入院となりました」と報告しています。

同時に、かこさん自身も体調不良が続いていると説明し、「総合的に判断した結果、回復を最優先に考え、活動を一時休止させていただく運びとなりました」と発表しました。
この時点で、2人が長年うつ病を患っていること、さまざまな体調不良が重なっていたことも、公表されています。

「大食いは関係ない」動画で語られた本当の理由

活動休止から約3週間後、はらぺこツインズはYouTubeチャンネルで「【ご報告】活動休止の本当の理由をお話しします。」という動画を公開し、沈黙を破りました。

動画の中で2人は、まず「たくさんのご心配をおかけして申し訳ありません」と深々と頭を下げ、その後少しずつ本当の理由を語り始めました。
あこさんは、入院の主な原因について「ストレス性胃腸炎」「慢性的な胃の不調」「椎間板ヘルニア」など複数の体調不良が重なったこと、そして「長年患っている病気」としてうつ病があることを明かしました。

2人は「私たち2人とも、うつ病なんです」と告白し、「何にも興味がなくなる。食べるのが大好きやったけど、その“生きがい”すらなくなってしまう」と、うつ病によって生活や心の状態が大きく変わってしまったことを正直に語りました。

さらに、世間にある「大食い=不健康」というイメージについても触れ、「大食いは不健康ではない」「自己管理の甘さが原因であって、大食いは関係ない」と、誤解や偏見を静かに否定しました。
一部SNSでは「救急搬送された」という誤情報も流れていましたが、本人たちは「一切ない」ときっぱり否定しています。

うつ病と向き合いながらの治療と現在の体調

動画とインスタグラムの投稿を通じて、はらぺこツインズは現在の治療状況についても丁寧に説明しています。
かこさんは、睡眠障害を含めた心身の症状に対し、薬物療法とカウンセリングを組み合わせた治療を受けていることを公表しました。
また、ストレスが引き金となる解離性健忘の発作を防ぐため、「極力ストレスをかけない環境作り」に努めているとしています。

一方で、あこさんについては、ストレス性胃腸炎や椎間板ヘルニアといった身体的な不調が大きく、長い入院・療養が必要となりました。
11月11日に投稿された動画では、2人とも「ご飯が美味しいと感じられるまでに回復した」と話しており、少しずつ日常を取り戻しつつあることも伝えています。

ただし、今後は以前のような「限界まで食べる」スタイルからは変化が生じる可能性も示唆しており、「大食いの量が減ってしまう可能性がある」と語っています。
それでも、2人は自分たちの体と心を最優先にしながら「自分たちが楽しめるペース」を模索していきたいとしています。

活動休止から1ヶ月後に見えた「少しずつの前進」

活動休止から約1ヶ月が経過した11月下旬、はらぺこツインズは再び大食い企画の投稿を行い、ファンの間に安堵の声が広がりました。
メディアの報道によると、動画には以前と同じように笑顔の2人が登場し、久しぶりの大食いチャレンジを披露したといいます。

コメント欄には、「元気に活動出来るようになって良かった」「無理しないペースで続けてね」「戻ってきてくれてうれしい」といった温かいメッセージが多く寄せられました。
うつ病を打ち明けた後だからこそ、ファンの声には「とにかく焦らずに」「健康第一で」という、2人の心身を気遣う言葉が目立ちます。

はらぺこツインズ自身も、動画や投稿を通じて「自分たちのペースで」「無理をしない」という姿勢を繰り返し強調しており、かつての「全力で食べ続ける」スタイルから、「自分たちを大切にしながら続けていく」スタイルへと、少しずつ変化している印象です。

「大食い」と「健康」へのまなざしの変化

今回の一連の告白を通じて、はらぺこツインズは、「大食い」と「健康」をめぐる世間の見方にも一石を投じました。
彼女たちは動画内で、「大食いは不健康というイメージを持たれがちだけど、そうじゃない」「大食いそのものではなく、自己管理やストレスとの向き合い方が大切」と語っています。

実際、2人の体調不良の主な原因として挙げられているのは、ストレス性胃腸炎や慢性的な胃の不調、椎間板ヘルニア、そして長年抱えてきたうつ病など、複数の要因が絡み合ったものです。
「救急搬送された」というデマが流れた際も、本人たちは「そのような事実は一切ない」と強く否定しており、事実と異なる憶測や偏見に対しては、はっきりとした姿勢を示しました。

こうした誤情報やイメージに対して、自らの経験をもとに冷静に説明する姿は、多くの視聴者にとっても「大食い」「YouTuber」「メンタルヘルス」について考えるきっかけとなっています。

ファンと共に歩む、これからの日々

はらぺこツインズは、活動休止の報告から、病名の公表、そして現在の体調まで、一つひとつを時間をかけて言葉にしてきました。
最初のインスタグラムでの活動休止発表では「ご心配をおかけして申し訳ありません」と深く頭を下げ、11月のYouTube動画では「動画を上げなきゃっていうプレッシャーから解放された気がします」と、少しホッとした表情ものぞかせています。

かこさんは「ゆっくり治して、自分たちが楽しめるペースを見つけたい」と話し、あこさんも「無理に明るく振る舞うことをやめた」素の自分たちでいたいという思いをにじませました。
その言葉の背景には、「まずは自分たちが健康であること」「心も体も整えたうえで、またみんなと楽しく食べたい」という、シンプルでまっすぐな願いが感じられます。

活動休止から1ヶ月が経ち、大食い動画への復帰にファンから安心の声が上がる一方で、「完全に元通り」になることを求めるのではなく、「今の2人」を見守り、支えようとする空気も広がっています。
うつ病というデリケートなテーマを、自らの経験として丁寧に共有したはらぺこツインズ。その勇気ある告白は、多くの人にとっても「心の不調は特別なことではない」「一緒に向き合っていけるものだ」と感じさせてくれる出来事となっています。

今後も、はらぺこツインズは、自分たちの体調と相談しながら、無理のないペースで活動を続けていくとみられます。
視聴者にとっては、「たくさん食べる姿」だけでなく、「自分たちの弱さも含めて見せてくれる二人」の存在そのものが、大きな支えとなっていきそうです。

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