日本テレビの新ドラマ『そこから先は地獄』が話題沸騰

2025年10月7日深夜からスタートした日本テレビ系ドラマDEEP『そこから先は地獄』が、早くも大きな注目を集めています。井桁弘恵さんが主演を務めるこのドラマは、「全員不倫、誰かが死ぬ」という衝撃的なキャッチコピーとともに、深夜ドラマの新しい地平を切り開く作品として期待されています。

豊田裕大演じる”美しい男”が物語のカギを握る

本作で特に注目を集めているのが、豊田裕大さんが演じる城内涼というキャラクターです。パーソナルジムを経営する25歳の美しい男性という設定で、妻からの暴力に苦しむDV被害者という複雑な役どころを演じています。この役柄は、従来のドラマではあまり描かれてこなかった「男性のDV被害」という現代的なテーマを扱っており、作品に深みを与える重要な要素となっています。

主人公の矢嶌莉沙を演じる井桁弘恵さんは、夫の不倫に苦しむ29歳の生命保険会社勤務の女性。真面目で純粋な性格の莉沙が、偶然出会った涼に惹かれていく様子が丁寧に描かれています。第2話の場面写真では、涼の右手にある痛々しい傷を手当てする莉沙の姿が公開され、二人の関係性の変化を予感させる内容となっています。

第2話の見どころと展開

10月14日深夜に放送される第2話のサブタイトルは「サレ妻 VS DV妻!宣戦布告」。莉沙は夫・高久の不倫にショックを受けながらも、涼のことが忘れられず、彼が経営するジムを再訪します。肩にあるあざを「きれいだ」と言ってくれた涼の言葉が、莉沙の心に深く刻まれていたのです。

一方で、莉沙は夫の高久が既婚者専用のマッチングアプリを使って女性と会っていたという事実を知り、決定的な証拠をつかもうと行動を起こします。高久のスマートフォンにこっそりGPSアプリを仕込むという大胆な手段に出た莉沙ですが、そのGPSが怪しい動きを見せ始め、物語は新たな展開を迎えることになります。

現代的な家庭問題を真正面から描く意欲作

『そこから先は地獄』は、モラハラ、不妊、妻からのDVといった現代社会が抱える深刻な家庭問題を真正面から取り上げた作品です。これまでのドラマでは語られることの少なかったテーマに、果敢に挑戦している点が高く評価されています。

物語には三組の夫婦が登場し、それぞれが複雑な問題を抱えています。豊田裕大さん演じる涼の妻・城内凪子は山崎紘菜さんが演じており、夫への愛情を暴力でしか表現できないというDV妻の役どころ。また、小久保寿人さんが演じる美容外科医の進藤将也は、妻を下に見るモラハラ夫として描かれ、その妻・奏子を演じる奈月セナさんは、夫への復讐として不倫相手の子を「托卵」しようとするトロフィーワイフという衝撃的な設定になっています。

三角不倫が織りなす地獄絵図

これら三組の夫婦が一つのマンションを舞台に繰り広げる泥沼の三角不倫が、本作の最大の見どころとなっています。「歪んだ愛でもいい、狂った愛でもいい、傷ついてもいい、ただ誰かに愛されたかっただけ」という登場人物たちの切実な想いが、視聴者の心を揺さぶります。

特に、井桁弘恵さん演じる莉沙が、「私が不倫なんてするはずがない」と思っていたにもかかわらず、涼への想いが抑えられなくなっていく過程は、人間の弱さと複雑さを見事に表現しています。豊田裕大さんの繊細な演技も相まって、視聴者は莉沙の葛藤に共感せざるを得ない状況に引き込まれていきます。

スピンオフドラマ『そこらじゅうが地獄』も配信中

本編ドラマの放送に加えて、『そこらじゅうが地獄』というタイトルのスピンオフドラマも動画配信サービス「TVer」で配信されています。本編第1話放送終了後から配信が開始されたこのスピンオフでは、本編では描かれない登場人物たちの別の側面や背景が明かされます。

第1話は「妊活崩壊!!夫婦が壊れるとき」、第2話は「パワハラ爆発!告発の代償!」というサブタイトルで、本編とは異なる視点から物語が展開されています。井桁弘恵さんや豊田裕大さんをはじめ、本編の出演者たちがスピンオフにも登場し、より深い人物描写を楽しむことができる内容となっています。

深夜ドラマの新しい可能性を示す作品

『そこから先は地獄』は、毎週火曜日24時24分から24時54分という深夜枠での放送ですが、その内容の濃密さと大胆なテーマ設定により、「深夜ドラマの常識を塗り替える」作品として注目されています。従来の深夜ドラマとは一線を画す本格的な愛憎劇として、「ドロドロ作品の決定版」という評価も受けています。

脚本を担当する早船歌江子さんの緻密な心理描写と、菅原伸太郎さん、保母海里風さんら演出陣の繊細な映像表現が、登場人物たちの複雑な感情を見事に描き出しています。また、吉井和哉さんによる主題歌「甘い吐息を震わせて」も、作品の世界観を深める重要な要素となっています。

放送後も話題が続く理由

本作が話題を集めている理由の一つは、現代社会が抱える問題を避けることなく描いている点にあります。不倫やDVといったセンシティブなテーマを、単なるセンセーショナリズムではなく、人間の弱さや孤独、愛への渇望という普遍的な感情と結びつけて描いているため、多くの視聴者が共感できる作品になっています。

また、豊田裕大さんの「美しい男」という設定も、従来の男性像とは異なる新しいキャラクター像として注目されています。DV被害者という設定を通じて、男性も被害者になり得るという現実を描くことで、ジェンダーの固定観念に一石を投じる内容となっています。

今後の展開への期待

「誰かが死ぬ」という衝撃的な予告がされている本作ですが、三組の夫婦による複雑な関係性がどのような結末を迎えるのか、視聴者の関心は高まるばかりです。井桁弘恵さんと豊田裕大さんの繊細な演技、そして落合モトキさん、山崎紘菜さん、小久保寿人さん、奈月セナさんら実力派キャストの競演により、毎回予測不可能な展開が待っています。

日本テレビ系「プラチナイト」の第2部「ドラマDEEP」枠は、これまでも意欲的な作品を送り出してきましたが、『そこから先は地獄』はその中でも特に挑戦的な内容となっています。深夜という時間帯だからこそ描ける人間の暗部と弱さ、そして愛への切実な渇望が、視聴者の心を掴んで離さない作品となっているのです。

放送はTVerやHuluでも配信されているため、見逃した方でも視聴可能です。現代社会の闇を映し出すこのドラマは、今後も多くの話題を呼ぶことでしょう。

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