伊藤英明&本宮泰風が“一日警察署長”に就任 横浜駅で特殊詐欺撲滅を呼びかけ
人気俳優の伊藤英明さんと本宮泰風さんが、一日警察署長として神奈川県警とタッグを組み、横浜駅周辺で詐欺被害防止を呼びかけるキャンペーンに参加しました。
2人が出演するDMM TVオリジナルドラマ「ドンケツ season2」と神奈川県警察のコラボレーション企画として行われ、駅構内のパトロールやトークイベントを通じて、増加する詐欺電話への注意をやさしく、そして力強く訴えました。
ドラマ「ドンケツ season2」×神奈川県警察の異色コラボ
今回のキャンペーンは、DMM TVで独占配信中のドラマ「ドンケツ season2」と、神奈川県警察が共同で実施した詐欺撲滅プロジェクト「詐欺なんて撲滅じゃ!」の一環として企画されました。
会場となったのは人通りの多い横浜駅。平日にもかかわらず、多くの買い物客や通勤・通学途中の人々が足を止め、2人の呼びかけに耳を傾けました。
「ドンケツ」は、累計930万部を突破した人気漫画を実写化した極道アクションドラマで、裏社会を舞台にした迫力ある物語や肉弾戦アクションが注目を集めているシリーズです。 その世界観とは対照的に、今回2人が担った役割は「市民を守る一日警察署長」。
作品のイメージと、現場での活動とのギャップが大きいからこそ、多くの人の関心を引きつける取り組みとなりました。
伊藤英明&本宮泰風が一日署長として制服姿で登場
神奈川県警は19日、伊藤英明さん(50)、本宮泰風さん(53)に一日警察署長を委嘱しました。
イベントでは、ドラマで主人公ロケマサを演じる伊藤さんが神奈川県警大和署、カリスマヤクザ・速水役の本宮さんが戸部署の一日署長に任命されています。
2人は普段のドラマ撮影とはまったく違う、凛々しい警察官の制服姿で登場。
本宮さんは、自身も伊藤さんも「ドンケツ season2」でヤクザ役を演じていることに触れながら、「この作品では、僕も伊藤英明くんもヤクザの役を演じています。そうした立場の僕たちが制服姿で登場することに、正直『どうなんだろう』と感じる部分もありました」と率直な思いを口にしました。
その一方で、本宮さんは続けて「ただ今回は、その僕らの持つパワーを生かして、犯罪防止に取り組めたらと思っています」と語り、作品で培った知名度や発信力を、社会のために役立てたいという強い意欲を示しました。
役柄とは真逆の「市民を守る立場」としてのメッセージは、俳優としてだけでなく、一人の大人としての責任感も感じさせるものでした。
横浜駅をパトロール 市民に“詐欺電話”への注意を喚起
イベントでは、一日署長の2人が横浜駅構内や周辺をパトロールしながら、市民へ直接声をかける姿も見られました。
現在、神奈川県内では国際電話を利用した詐欺など、電話を使った特殊詐欺の手口が急増しており、県警は警戒を強めています。
神奈川県警は、こうした状況を踏まえ、高齢者を中心とした市民への注意喚起を強化しており、今回は特に次のようなポイントを重点的に呼びかけました。
- 見慣れない国際番号や不審な電話には、すぐに出ない・信じない
- お金やキャッシュカードの話が出たら、まず家族や警察に相談する
- 「今すぐ」「誰にも言わないで」と急がせる電話は詐欺を疑う
一日署長の2人は、駅を行き交う人々にチラシを配布しながら、「怪しい電話があったら、まず周りの人に相談してください」「一人で判断しないことが大切です」といった形で、穏やかな口調で注意を促しました。
普段からドラマや映画でおなじみの俳優が、目の前で真剣な表情で呼びかけることで、通行人の表情も自然と引き締まっていく様子が印象的でした。
「ヤクザ役なのに一日署長」だからこそ届くメッセージ
今回のイベントは、オリコンニュースでも「ヤクザ役なのに一日署長」という見出しで紹介され、ネット上でも話題を集めました。
「裏社会」を描く極道ドラマで強烈な存在感を放つ2人が、今度は「市民を守る側」に立って詐欺撲滅を訴えるという構図は、一見するとミスマッチにも思えます。
しかし、本宮さんが語ったように、「作品とは真逆の立場だからこそ、インパクトがあり、メッセージが届きやすい」という側面もあります。
ドラマのファンにとっても、「ロケマサ」や「速水」といったキャラクターを通じて2人を知った人たちが、今回の社会的なメッセージに自然と関心を持つきっかけになるでしょう。
また、警察が行う啓発活動は、どうしても堅く感じられがちですが、エンターテインメントと組み合わせることで、ぐっと身近に感じられるようになります。
今回のように人気俳優が前面に立つことで、若い世代から高齢者まで幅広い層に情報が届きやすくなることも、大きな意義と言えそうです。
「ドンケツ season2」との相乗効果にも注目
「ドンケツ season2」は、前作から引き続き伊藤英明さんがロケマサを演じ、物語は前作で逮捕されたロケマサのその後を描きながら、宿敵・野江谷との最終決戦へと加速していく内容です。
本宮泰風さんは、今作から参加するカリスマヤクザ・速水役として登場し、物語をさらに熱く盛り上げています。
シリーズ完結に向けて、安田顕さん、金子ノブアキさん、今井翼さん、柳葉敏郎さんなど、豪華キャストが集結していることも大きな話題となっています。
すでに、神奈川県警察とのコラボポスターや場面写真も公開されており、作品と社会啓発を両立させるユニークな取り組みとして注目されています。
ドラマ側にとっては、リアルな「街」と「警察」との連携によって作品世界がより身近に感じられ、警察にとっては、作品の人気を活かして詐欺撲滅のメッセージを拡散できるという、双方にメリットのある試みと言えるでしょう。
増える国際電話詐欺 身を守るためにできること
神奈川県警によると、近年問題となっているのが国際電話を使った詐欺の急増です。
海外からの着信を装い、不安をあおったうえで金銭をだまし取ろうとする手口が目立っており、「電話番号の表示だけでは安全とは限らない」状況になっています。
自分や家族を守るために、次のようなポイントを日頃から意識しておくことが大切です。
- 知らない国や地域の番号からの着信は、むやみに折り返さない
- 音声ガイダンスに従って個人情報を入力しない
- 「未納料金」「裁判」「逮捕」などの言葉で不安をあおる電話は、まず本当に関係する機関に自分で確認する
- 少しでも不審に思ったら、最寄りの警察署や警察相談専用電話(#9110)に相談することを検討する
今回の一日署長イベントは、単なる話題作りではなく、こうした具体的な注意点を市民一人ひとりに知ってもらうための大切な機会となりました。
ファンと市民の心に残る“一日”に
イベント会場では、2人の姿を一目見ようと集まったファンだけでなく、たまたま通りかかった多くの市民が、配布されたチラシを手に真剣な表情で読み込む姿が見られました。
ドラマの世界と現実の社会問題が交差する、特別な時間になったと言えるでしょう。
伊藤英明さんと本宮泰風さんにとっても、今回の一日署長という経験は、自身の役者としての活動が社会とつながることを改めて実感する機会になったはずです。
作品を通じて得た人気や注目度を、社会の安心・安全のために活かしていくという姿勢は、多くの人の共感を呼びそうです。
今後も、ドラマや映画といったエンターテインメントと、警察や行政による啓発活動とのコラボレーションは、さまざまな形で広がっていく可能性があります。
その先に、「詐欺なんて撲滅じゃ!」という力強いメッセージが、より多くの人の心に届き、被害の減少につながっていくことが期待されます。



