ジェニーハイ、5人で歩んだ8年の活動に幕──中嶋イッキュウも思い語る「もちろん続けたい」
2018年の結成から多彩で異色な音楽性とユーモアでファンを魅了してきた5人組バンド「ジェニーハイ」が、2025年9月13日開催の「KOYABU SONIC 2025」をもって、活動を一旦終了することが公式に発表されました。中嶋イッキュウ(Vo.)をはじめ、個性豊かなメンバーたちがそれぞれの思いを語りつつも、同日開催のライブが“解散”の場となりました。この出来事は、ファンのみならず音楽業界に大きな衝撃を与えています。
ジェニーハイの歩みと個性的なメンバーたち
ジェニーハイは、BSスカパー!の番組「BAZOOKA !!!」の企画から生まれたプロジェクトを原点とし、小籔千豊(Dr.)の発案で2018年に誕生。バンドは、小籔に加え、お笑い芸人のくっきー!(野性爆弾)(Ba.)、ロックバンドtricotのボーカル中嶋イッキュウ(Vo.)の3名からスタートしました。その後、音楽プロデューサーでギタリストでもある川谷絵音(Gt.)が加わり、さらにピアニストの新垣隆(Key.)が加入して、最終的に5人組バンドとなりました。
ジャンルレスな音楽と、メンバーそれぞれのバックグラウンドを生かした楽曲・パフォーマンスで、2018年3月の「片目で異常に恋してる」から「シャミナミ」「ジェニーハイラプソディー」「ノーメイクスター」など数多くの人気曲を発表。際立った個性と遊び心あふれるステージで、多くの音楽ファンから支持を集めてきました。
活動停止へ──ワーナーミュージックとの契約終了と「解散」発表まで
2025年9月11日、ジェニーハイは公式ウェブサイトを通じて、最新シングル「あの夏が癖になっていく」の配信をもってワーナーミュージック・ジャパンとの契約が終了したことを発表しました。そして、「今後の活動継続については現時点で未定」とし、9月13日の「KOYABU SONIC 2025」の出演をもってライブ出演予定がなくなること、つまりこの日のステージがジェニーハイとして最後のライブとなる可能性があることを明らかにしました。
バンドは「2018年の結成以来、変わらぬご声援を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。また皆さまとお会いできる日を、メンバー一同楽しみにしております」とファンへの感謝をつづり、ライブに向けて思いを新たにしていました。
「KOYABU SONIC 2025」にて“解散”ライブ──ユーモアと本音が交錯する終幕
2025年9月13日、インテックス大阪で開催された「KOYABU SONIC 2025」。ジェニーハイは午後8時過ぎに登場し、「ジェニーハイラプソディー」「ノーメイクスター」「シャミナミ」など代表曲を熱演、笑いと感動があふれるパフォーマンスで会場を盛り上げました。
- ドラム・小籔千豊:「きょうで一旦終了。解散理由は“食生活の方向性の違い”。くっきー!は生魚が苦手、俺は肉がダメ、川谷Pは二郎ラーメンばかり、イッキュウは健康志向に一度目覚めるもすぐやめた、ガッキーは実は大食い」などと冗談まじりに解散理由を語り、場を和ませました。
- 小籔は「“解散”と報じてもらった方が、どこかのレーベルの偉いさんが拾ってくれるかもしれない」と新レーベルへの移籍を期待する率直な思いも吐露。「活動できるかできないかは音楽業界の偉いさん次第」とコメントしました。
- 新垣隆:「ガッキーは“第2期に向けてラップの王を目指す”」と謎の意気込みも述べ、次の展開を暗示。
- 川谷絵音:「これまでメチャクチャ活動してきたわけでもない。契約が切れて今の気持ちは『解散?』ぐらい」と本音を明かしつつ、「クエスチョンマーク付きで報じてほしい」と語りました。
また、ベースのくっきー!も「皆さん(他メンバー)についていくだけ」と柔らかくバンドへの想いを語っています。
中嶋イッキュウ、「もちろん続けたい」──ファンや音楽へのまっすぐな思い
ボーカルの中嶋イッキュウは記者から今後について問われると「もちろん続けたい」と力強く答えました。他のメンバーたちも「条件さえ整えば、これからもバンドを続けたい」と思いは同じ。「また皆さまとお会いできる日を楽しみにしております」という公式発表やコメントからも、メンバー全員が本心では再開への希望を持っていることが見て取れます。
イッキュウにとってジェニーハイでの活動は、tricotでのキャリアとは異なる貴重な体験でした。お笑いやクラシック、J-POPなどジャンルを超えたメンバーとの化学反応、独自性のあるパフォーマンスは、8年間の歴史の中で彼女の表現の幅と成長につながったことでしょう。ライブや作品を通じて多様なリスナーと出会い、支えられてきたことを大切にしています。
ジェニーハイの“これまで”と“これから”
バンドは今回の活動停止を「区切り」としつつも、完全な終焉とは明言していません。「またいつか戻ってきたい」「年に1度でもライブができたら」「2年に1度CDが出せたら」など、再開への期待や願望をあえてユーモラスに、時に真剣に語っています。音楽への純粋な情熱と、ファンや関係者への誠意が伝わる言葉の数々でした。
- 「現時点で活動継続は未定」だが、レーベル契約や環境が整えば今後も活動する意欲がある
- 今後の動向は音楽業界やファンからの反響次第で変化の可能性あり
- バンドは「また皆さまとお会いできる日を楽しみにしている」と明言
ファンと共に歩んだ8年間、そして新たな一歩へ
2018年の結成当初から一貫して、「音楽をもっと自由に、おもしろく」を体現してきたジェニーハイ。中嶋イッキュウら5人それぞれの人生と才能が交差し、多様な価値観・個性・笑い・感動が凝縮された8年を、ファンは目撃し応援してきました。
一旦区切りとなりましたが、ファンはもちろん、関係者やメンバー自身も「終わり」よりも「新しいスタート」への期待を胸に抱いています。これからも彼らの動向から目が離せません。
メンバー紹介と今後について
- 小籔千豊(ドラム): バンドのまとめ役であり発起人。今後も音楽活動や笑いを届ける存在。
- くっきー!(野性爆弾)(ベース): 独創的なパフォーマンスと温かな人柄でチームを支える。
- 中嶋イッキュウ(ボーカル): tricotと並行しつつ、ジェニーハイで新たな表現に挑戦。「もちろん続けたい」と次期展開にも意欲。
- 川谷絵音(ギター/プロデュース): 多彩な楽曲とアレンジでバンドの音楽的な幅を広げ続けた。
- 新垣隆(キーボード): ピアニストとしてユニークな存在感と独自のMC、ラップにも意欲。
これからも彼ら1人1人が音楽・芸能の現場で活躍し続けることは間違いないでしょう。ジェニーハイとしての再結成や楽曲リリースにも期待が高まります。