紅白歌合戦“戦後80年”の節目にK-POPグループaespa初出場決定 —その舞台裏と反響を優しく解説—
NHK紅白歌合戦2025年――多様な世代をつなぐ大舞台
2025年12月31日の大晦日に放送される第76回NHK紅白歌合戦。今年のテーマは「つなぐ、つながる、大みそか」。昭和から令和に至る歴史を象徴し、日本の放送100年を締めくくる節目の年となります。司会を務めるのは広島出身の有吉弘行さんと綾瀬はるかさん、また長崎出身の福山雅治さんやMISIAさんがトリを飾る可能性が高く、平和や世代の継承というメッセージが込められた特別な夜になります。
aespa(エスパ)とは?世界で躍進する多国籍K-POPガールズグループ
aespaは韓国の大手事務所SMエンターテインメントが2020年にデビューさせた4人組のガールズグループです。韓国、中国、日本出身のメンバーで構成され、リアルとバーチャルが融合した世界観を持ち、デジタル世代の若者から幅広い支持を集めています。これまでの活動では、日本でも多くのファンを獲得し、2025年には初の日本ドームツアーも予定されるほどの人気ぶりです。
紅白歌合戦への出演が決定したことで、aespaは日本のメインストリーム音楽番組で初めてそのパフォーマンスを全国に届けることになります。ライブやミュージックビデオでのハイレベルなダンスや歌唱力は業界からも高く評価されており、最新曲はSNSや動画配信サイトで数千万回以上再生されています。
“戦後80年”の紅白にK-POPグループ起用の意味と反響
今大会は、戦後80年という歴史的な節目の中で放送されます。そんな中、aespaの紅白出場は「世代・国境を超え、人々を音楽でつなぐ」というテーマを象徴する試みのひとつといえます。多文化共生や国際交流が加速する時代に、K-POPグループの出演は紅白の在り方を大きく変える画期的な出来事となりました。
また、aespaのみならず、ILLITや&TEAMなど韓国発のグループもラインナップに名を連ねており、令和の音楽地図に深く根差した特別な紅白となっています。従来の演歌やJ-POPの枠を超え、いまや紅白はグローバルな音楽祭に進化を遂げているのです。
aespaの過去投稿に再び注目が――SNS時代の光と影
一方で、aespaの出場決定に際して、過去のメンバーのSNS投稿が再燃する事態となっています。かつて一部メンバーがInstagramなどで“キノコ雲ランプ”(原爆を連想させるデザイン)の写真を投稿し、日本のネットユーザーの間で物議を醸しました。これに対して「意図的ではなかった」という釈明があったものの、戦後80年のテーマを掲げた今年の紅白だけに、再び過去の問題が注目されてしまった形です。
SNSの時代において、アーティストの発信は世界中の視線が集まるだけに、ちょっとした出来事が大きな話題になることも少なくありません。紅白出場によってさらに公の場で説明や謝罪が求められる可能性もあり、aespaはBTSの過去事例を教訓に、誠実な対応を期待されています。
ILLIT――第5世代K-POPグループとして二年連続快挙
aespaと共に話題となったのがILLIT(イリット)です。HYBE傘下の5人組グループで、2024年に紅白初出場、その実力と人気を武器に本年も二年連続で選出されました。K-POP第5世代のグループの中で紅白に連続出場したのはILLITのみ、韓国でも珍しい快挙としてニュースを賑わせています。
紅白ではK-POP勢が名を連ねるなか、ILLITのステージは「韓流ブームの新たな証」として大きく期待されています。また、日本語の難読グループ名にベテラン芸人やタレントが「アエスパ?」「イリットか?」と戸惑う場面も報道され、親しみやすさや文化的多様性が一層話題となっています。
多文化時代の紅白――新旧アーティストの交差点
- 初出場はaespa、ILLIT、&TEAMなどのK-POP勢を含む計10組。令和を象徴する新世代の顔ぶれと、演歌やJ-POPのベテランが“音楽でつながる”紅白らしい構成となりました。
- ORANGE RANGEが19年ぶり、King & Princeが2人体制となって復帰。かつてのグループメンバーが紅白で別の場所に立つ、芸能界の新しい風景も見られます。
- 出場歌手は紅組20組・白組17組、計37組。旧知のアーティストとフレッシュな顔ぶれが並び、さまざまな世代に寄り添う特別な舞台です。
- 2024年出場組から大幅に入れ替えがあり、従来の枠組みにとらわれない音楽祭となったことが特徴です。
批判や戸惑い、そして期待――拡張する紅白の意味
K-POPグループの出場には時に批判的な声も聞かれます。特に今年は「響きが難しい」「日本人になじみにくい」というグループ名が話題になったほか、SNS炎上リスクを抱えています。しかし一方で、音楽を通した国際交流の意義や「放送100年」という歴史的節目にふさわしい多様性の象徴として、高く評価する声も多いのです。
紅白歌合戦は、日本の音楽文化のバロメータであり続けるだけでなく、多様なジャンル、世代、国境を超えた“つながり”の場へと着実に変化しています。今年の舞台には、音楽を愛するすべての人々への温かなメッセージが込められています。
まとめ:混沌と活気のなかで未来へ“つなぐ”紅白歌合戦
今年のNHK紅白歌合戦は、多様性と国際性を象徴するイベントとなりました。aespaの初出場を巡る反響や、ILLITの快挙、SNS時代ならではの課題――そのすべてが今を生きる私たちの社会の「いま」を映し出しています。様々な議論や戸惑いも含めて、世界中の人々を“音楽でつなぐ”大みそか。今年も温かい歌声が日本中、世界中の心に響きますように――。



