ダイアン津田率いる「津田軍団」が“王者製造工場”と呼ばれるまで――M-1王者・たくろう誕生の裏側

お笑いコンビダイアンのボケ担当として知られる津田篤宏さんが率いる「津田軍団」が、いまお笑いファンのあいだで大きな注目を集めています。週刊誌やテレビ番組では「最強の王者製造工場」とまで評され、ついにはM-1グランプリ王者・たくろうまで輩出する存在になりました。

一方で、津田さんは「自分より売れる奴はいらん」と豪語し、「すでに人気のある後輩は入れない」という独特の“入団ルール”を設けていることでも話題になっています。さらにバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』の人気企画「名探偵津田」やスピンオフドラマ「名探偵津田」第4話の放送情報など、津田さん本人の活躍も止まりません。

この記事では、そんな津田軍団の知られざる素顔やメンバー構成、「なぜ王者が続々と生まれるのか」という背景、そして話題の「名探偵津田」第4話について、やさしい言葉でじっくり解説していきます。

津田篤宏とは?「芸人総選挙2025」1位に輝いた“遅咲きのスター”

まずは軍団のリーダーであるダイアン・津田篤宏さんについて、簡単におさらいしておきましょう。

  • お笑いコンビダイアンのボケ担当
  • TBS系『芸人総選挙2025』で1位を獲得
  • TBS系『水曜日のダウンタウン』内の人気企画「名探偵津田」で一躍大ブレイク
  • 同企画で生まれたフレーズ「長袖をください」が『2025 T&D保険グループ 新語・流行語大賞』ノミネート
  • ドラマ『フェイクマミー』など、演技の仕事でも活躍

ダイアンは結成当初から大阪・劇場を中心に地道に活動し、ネタの実力は高く評価されながらも、長らく「実力派だけれど少し地味」と言われてきたコンビでした。しかし、関西ローカル番組や東京進出を経て、徐々に全国的な知名度を獲得。津田さん独特のツッコミと「ゴイゴイスー」などのフレーズが広く浸透し、近年はピンでのバラエティ出演やドラマ、CMなど、多方面で引っ張りだこの存在になっています。

そんな津田さんが、いま最も力を入れているのが、自らが団長を務める「津田軍団」なのです。

津田軍団とは?「お笑い業界で最も勢いがある」と評される集団

津田軍団は、津田篤宏さんを中心とした芸人仲間のグループです。お笑い界では、先輩芸人が後輩を集めて作る「軍団文化」が昔からありますが、その中でも近年特に存在感を増しているのがこの津田軍団だと言われています。

週刊誌では「お笑い業界で最も勢いがある軍団」と紹介され、関西テレビの人気番組『マルコポロリ!』でも特集が組まれるほど。番組では、軍団の“鉄のおきて”や、メンバーが明かす津田さんの素顔などが語られ、大きな反響を呼びました。

軍団はもともと、飲み仲間・ネタの相談相手といった“身内ノリ”の延長線上で形成されていったとされていますが、近年は番組出演・企画の単位としても動くようになり、「一大勢力」とまで表現されるようになりました。

個性派ぞろいのメンバーたち――王者経験者も多数

津田軍団が「王者製造工場」と呼ばれるゆえんは、所属メンバーの肩書きを見るとよくわかります。

古参メンバーには、すでに賞レース王者となったコンビの一員がズラリと並びます。

  • 女と男・市川さん(コンビ「女と男」)
  • ガクテンソク・よじょうさん(『THE SECOND』王者)
  • ライス・関町知弘さん(『キングオブコント』王者)

これだけでも十分すごい顔ぶれですが、2025年にはさらに大きなニュースが飛び込んできました。M-1グランプリで新王者となったコンビ「たくろう」の赤木裕さんが、津田軍団の一員として名を連ねることになったのです。

2025年4月に大阪・よしもと道頓堀シアターで行われた新メンバーオーディションでは、以下のメンバーが新たに加入しました。

  • エルフ・はるさん
  • たくろう・赤木裕さん
  • 豪快キャプテン・山下ギャンブルゴリラさん
  • オーサカクレオパトラ・りえちゃんさん
  • アイラブ地球・きむきむさん

さらに、以前は「仮メンバー」扱いだったツートライブ・周平魂さんが、『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』で優勝したことをきっかけに、正式メンバーへ昇格しています。

このように、津田軍団のメンバーには賞レースのチャンピオンやファイナリスト級の芸人が名を連ねており、「王者製造工場」と呼ばれるのも納得のラインナップになっているのです。

「自分より売れる奴はいらん」――独特すぎる入団ルール

津田軍団が面白いのは、単に実力者が集まっているだけではなく、その入団条件軍団の掟がとてもユニークな点です。

津田さんは、軍団について語る中で「自分より売れる奴はいらん」「すでに人気のある後輩はいれない」といった発言をしています。この言葉だけ聞くと、少し意地悪にも感じられますが、裏を返せば「今はまだそれほど売れていないけれど、これから伸びると自分が信じた芸人しか入れない」という意味でもあります。

実際に、あるお笑いライターはこう分析しています。

  • 津田軍団は「自分より売れている、または売れる見込みがある後輩は入れない」というルールがある
  • しかしそれは、「売れる見込みがない後輩」を集めているのではなく、「地味だけど実力がある」芸人を好んで集めている、ということ
  • 実際、メンバーは劇場や営業での出番が多く、賞レースで結果を出す前からしっかり仕事をしている芸人ばかり

また、軍団にはこんな少し不思議な掟もあります。

  • 津田さんと一緒にいるときは「お笑いの話をしない」

普通、先輩芸人のもとには「ネタを見てほしい」「アドバイスがほしい」といった後輩が集まりがちですが、津田軍団では、あえて“お笑いの話をしない”ことで、フラットな関係性居心地のよさを大事にしているようです。この距離感のなかで、お互いをよく知り合い、自然と「一緒にいて楽しい仲間」になっていくことが、軍団の結束力につながっているのかもしれません。

人気後輩コンビ「ジョックロック」が不合格になった理由

2025年の新メンバーオーディションには、M-1ファイナリストとして注目を集めていたコンビ「ジョックロック」も参加していました。しかし、結果は不合格。その理由がまた、津田軍団らしいものでした。

お笑いライターによると、ジョックロックが落選した理由は、津田さんが「すでに人気のある後輩はいらない」と判断したからだと言われています。つまり、「軍団に入らなくても自分たちの力でやっていける」と見抜いた、ということでもあります。

このエピソードからもわかるように、津田軍団は「とにかく人数を増やしたい」という集団ではありません。むしろ、津田さんが「自分の過去と少し重なるような、“地味だけど実力のある”後輩」を見つけて、ゆっくり育てていく場だと言えるでしょう。

なぜ王者が続出するのか――“遅咲きコンビ”ダイアンの経験が背景に

では、なぜ津田軍団からは、キングオブコント王者THE SECOND王者、そしてM-1王者・たくろうまで、賞レースの勝者が続々と生まれているのでしょうか。

そこには、ダイアンというコンビの歩みが深く関係していると指摘されています。

  • ダイアンは、決して派手な人気を誇るタイプではなかったが、ネタへのこだわりストイックな姿勢を貫いてきた
  • M-1グランプリでは2度の決勝進出を果たすなど、実力で地位を築いてきた
  • 一気に売れたわけではなく、「実力はあるが地味」と評されてきた時代が長かった

こうした経歴から、津田さん自身が「人気はまだそこまででもないけれど、ネタの実力が高い芸人」に強くシンパシーを抱いているのではないか、と言われています。だからこそ、津田軍団には“今はまだそこまで目立っていないが、将来伸びると見込んだ芸人”が数多く集まり、それが結果的に賞レースでの躍進につながっているのでしょう。

実際、軍団メンバーは劇場での出番も多く、日々の舞台経験を通じて着実に力をつけています。軍団として飲みに行ったり、番組に一緒に出演したりすることで、互いのネタを見る機会や刺激を受ける場も増え、そのことが「王者製造工場」と呼ばれる原動力になっていると考えられます。

公開オーディションという“場”――芸人なら誰でもチャンスあり

津田軍団は、2025年に東京と大阪で公開オーディションを開催し、大きな話題を呼びました。

  • 東京会場:3月20日(木・祝) ヨシモト∞ドームⅠ
  • 大阪会場:4月15日(火) 大阪市内劇場
  • 参加条件「芸人であること」ただ一つ
  • 審査員:津田さんをはじめとする軍団メンバー芸人
  • オーディションの様子は、後日「ダイアン津田のゴイゴイスーチャンネル」(公式YouTube)で公開予定

参加資格が「芸人であること」だけという、非常にオープンな形で門戸を開いたことから、「津田軍団の新しい伝説が生まれる瞬間」として注目を集めました。津田さんはコメントで「あの一大勢力・津田軍団に新メンバーが入るかもしれません。見に来てくれた方にはスーを差し上げます!」と語り、いつもの“ゴイゴイスー節”でイベントを盛り上げています。

この公開オーディションは、芸人にとって単なる「軍団入りのチャンス」以上の意味を持ちます。大先輩の前でネタを披露し、その様子が映像として残ることで、自分たちを知ってもらう場にもなるからです。オーディションを経て加入したメンバーが、その後M-1王者や各種賞レースの上位進出者になっていることを考えると、「津田軍団オーディションに出ること自体が、売れるきっかけになりうる」と言っても過言ではないでしょう。

バラエティでも引っ張りだこ――『マルコポロリ!』『あちこちオードリー』などに出演

津田軍団は、すでにいくつものテレビ番組で特集を組まれています。

  • 関西テレビ『マルコポロリ!』では「津田軍団はゴイゴイSP」として軍団特集を放送
  • メンバーである女と男・市川さん、ガクテンソク・よじょうさん、新参メンバーのツートライブ・周平魂さん、そして津田さんの大ファンだという渋谷凪咲さんらが出演
  • 番組では、軍団の「鉄のおきて」や、酔ったときに飛び出す津田さんの“ビッグマウス”などが暴露されました

また、テレビ東京系バラエティ『あちこちオードリー』でも、「ダイアン津田軍団」をテーマにした芸人持ち込み企画回が放送されています。ここでも、ライス関町さん、ガクテンソクよじょうさん、ツートライブ周平魂さん、女と男市川さんらが「津田軍団の実態」を語り、視聴者の笑いを誘いました。

さらに、テレビ朝日系の特番などでも、津田さんの“奇行”や軍団とのエピソードがクイズ形式で紹介されるなど、「津田+軍団」のセットが、ひとつのバラエティブランドとして機能し始めています。

「名探偵津田」第4話 ~電気じかけの罠と100年の祈り~ 前編

津田さんの人気を決定づけた企画のひとつが、TBS系『水曜日のダウンタウン』内で展開されている「名探偵津田」シリーズです。この企画は、津田さんが“名探偵”に扮し、さまざまな謎やトリックを解き明かしていくというバラエティ色の強いミステリードラマで、毎回SNSを中心に大きな反響を呼んでいます。

シリーズからのスピンオフとして制作されている連続ドラマ版「名探偵津田」では、第4話「電気じかけの罠と100年の祈り」前編が話題になっています。タイトルからもわかるように、「電気じかけの罠」というミステリー要素と、「100年の祈り」という少しノスタルジックで壮大なテーマが組み合わさった物語となっており、ファンの期待が高まっています。

津田さんは、バラエティで見せる“いじられキャラ”の一面だけでなく、「名探偵津田」シリーズではシリアスな演技コミカルな推理シーンなど、幅広い表現を披露しています。こうした経験が、軍団メンバーとのコント企画やドラマ出演の機会にもつながり、結果的に津田軍団全体の露出アップにもつながっていると考えられます。

韓国ロケ番組やYouTubeでも活躍――津田軍団の“場”はさらに拡大

津田軍団は、テレビだけでなく配信番組やYouTubeでも活躍の場を広げています。

FANYチャンネルでは、津田さんが韓国を旅する番組「ダイアン津田のカムスーハムニダ」が配信されており、ここにも「津田軍団」が登場します。

  • 韓国で2泊3日の旅を満喫し、グルメ・エステ・ショッピングなどを楽しむ企画
  • 津田さんに振り回される津田軍団メンバー(ライス関町さん、エルフはるさん、女と男・市川さん)が同行
  • 番組のナレーションは、津田さんのファンとして知られる渋谷凪咲さんが担当

また、前述の通りオーディションの模様は「ダイアン津田のゴイゴイスーチャンネル」で公開予定とされており、YouTubeも隊員たちの重要な活躍の場になっています。テレビ・配信・劇場・YouTubeと、メディアをまたいで活動することで、津田軍団の存在感はさらに増していきそうです。

これからの津田軍団――“王者製造工場”から「バラエティ界の主役」へ?

週刊誌では、「来年は団長の津田だけでなく、『津田軍団』メンバーがバラエティー界を席巻するかもしれない」との見方も示されています。すでに、M-1王者・たくろうをはじめ、THE SECOND王者・ガクテンソク、キングオブコント王者・ライスなど、“タイトルホルダー”が多数集まる軍団となっていることを考えると、今後さらに個々のメンバーのメディア露出が増えていく可能性は高いと言えるでしょう。

一方で、津田さんは「売れすぎたら軍団から外す可能性もある」という冗談とも本気とも取れるコメントもしており、そこに津田軍団ならではのユーモアと、独特の距離感が表れています。しかし、それも含めて「一番売れたやつが偉い、ではなく、“地味で実力のある芸人”が報われる世界を作りたい」という、津田さんなりのメッセージなのかもしれません。

「自分より売れる奴はいらん」「お笑いの話はしない」といった一見風変わりな掟の裏には、遅咲きの実力派コンビとして歩んできたダイアンの歴史と、後輩たちへの優しい目線が隠れています。そして、その思いに応えるように、津田軍団からは次々と“王者”が誕生しているのです。

名探偵として謎を解き、韓国ロケでゴイゴイスーを連発し、オーディションで新たな才能を見いだす――。そんなダイアン津田さんと津田軍団の動向から、これからもしばらく目が離せません。

参考元