大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』キャスト17人がクランクアップ 最終回目前、感謝あふれるコメントが続々

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が、12月14日の最終回「蔦重栄華乃夢噺」を目前に控え、主要キャスト17人のクランクアップコメントが公開されました。
約1年半におよぶ長期撮影をともに走り抜けたキャストたちからは、「光栄」「幸せでした」といった言葉が相次ぎ、作品への深い愛情と充実感がにじむ内容となっています。

1年半にわたる長期撮影が終了 「光栄」「幸せでした」と語るキャストたち

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、江戸の出版文化を牽引した蔦屋重三郎(通称・蔦重)の波乱に満ちた生涯を描いた大河ドラマです。
撮影は2024年5月に関東近郊でスタートし、2025年10月まで約1年半にわたって行われ、いよいよドラマは最終回を迎えます。

今回公開されたクランクアップコメントでは、主演の横浜流星さんをはじめ、主要キャストたちが、長い時間を共有してきた現場への思いや、役柄との別れへの寂しさ、そして視聴者への感謝をそれぞれの言葉でつづっています。

  • 「この作品に参加できたことが光栄だった」
  • 「仲間たちと最後まで走り抜けられて幸せでした
  • 「支えてくださったスタッフ、視聴者のみなさんに感謝しかありません」

こうしたコメントからは、豪華キャストが集結した大河ドラマならではの絆の強さと、作品にかけた情熱が伝わってきます。

中村隼人「カモ平ともいじられましたが…」長谷川平蔵宣以として生き抜いた日々

なかでも注目を集めているのが、長谷川平蔵宣以を演じた中村隼人さんのクランクアップコメントです。中村さんは撮影を振り返りながら、愛情を込めて役への思いを語っています。

中村さんはコメントの中で、「カモ平ともいじられましたが、なんとか平蔵の人生を全うできたと思います」とユーモアを交えて報告。
長期間にわたる撮影の中で、現場ではあだ名で呼ばれつつも、人物としての平蔵の一生をきちんと演じきれた手応えをにじませました。

長谷川平蔵といえば、時代劇ファンにはおなじみの実在の人物であり、重責の大きい役どころです。中村さんは、作品を通してこの役を任されたことへの感謝と、共演者・スタッフへの敬意もあわせて述べており、撮影を終えた今の率直な心境が感じられるコメントとなりました。

横浜流星演じる“蔦重”、店を再開するも脚気で倒れる 最終回の行方は

最終回を前に公開されたあらすじでは、主演・横浜流星さん演じる蔦屋重三郎(蔦重)の過酷な運命も明かされています。

ドラマ終盤、蔦重は再び店を構え、精力的に出版事業に取り組んでいきます。
多くの才能ある絵師たちと組み、日本の出版文化を大きく前進させていく姿が描かれてきました。

しかしその一方で、最終回では脚気の病に倒れてしまう展開が待っています。
江戸時代にも多くの人々を苦しめた脚気という病は、当時としては命に関わる大きな病。情熱のままに走り続けてきた蔦重の身体には、大きな負担がかかっていたことがうかがえます。

店を再開し、なおも前を向いて進もうとする蔦重が、病とどう向き合うのか。そして、彼が人生をかけて守ろうとした「本」と「表現」の世界が、どのような形で受け継がれていくのか――最終回では、その答えが描かれることになります。

メインキャスト17人の言葉ににじむ『べらぼう』への深い愛情

オリコンなどで紹介された通り、今回クランクアップコメントを寄せた17人のキャストは、いずれも物語の核を担ってきた面々です。
コメントの詳細は媒体ごとに紹介スタイルが異なるものの、共通しているのは、作品と仲間への敬意と感謝です。

たとえば、キャストたちはそれぞれの役名を挙げながら、

  • 「この時代、この人物を生きられたことが本当にうれしい
  • 「蔦重を中心にしたこの物語の一員でいられたことを誇りに思う」
  • 「視聴者のみなさんに少しでも、江戸の文化の面白さが伝わっていたらうれしい」

といった思いを口にしています。
長期に及ぶ大河ドラマでは、キャスト・スタッフがほとんど「家族」のような存在になっていくと言われますが、その空気感がコメントの一つひとつから自然に伝わってきます。

大河ドラマ『べらぼう』とは? 蔦重の「栄華乃夢噺」を描いた1年

あらためて、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、江戸の出版界で活躍した蔦屋重三郎の人生を通して、町人文化のエネルギーや、表現の自由に懸けた人々の姿を描いてきた作品です。

主演の横浜流星さんを中心に、各回ごとにさまざまな絵師や文人、町人たちが登場し、日本文化の根っこを形作ってきた人々の営みがドラマチックに表現されてきました。
東洲斎写楽の名で絵を売り出すエピソードなど、歴史好き・アート好きの視聴者にも印象に残る展開が数多く描かれています。

また、コメディ要素や人間味あふれるやりとりも多く、重厚な歴史ドラマでありながら、親しみやすさも兼ね備えた作風が支持を集めました。
今回のクランクアップコメントの中にも、「現場が本当に楽しかった」「笑いの絶えない座組だった」といった空気が自然ににじみ出ています。

視聴者へのメッセージが詰まったクランクアップコメント

今回届いたクランクアップコメントの多くは、最後に視聴者へのメッセージで締めくくられています。
長い期間、日曜夜の放送を見守ってきたファンに向けて、キャストたちは口々に「最後まで見届けてほしい」と呼びかけています。

  • 「蔦重たちが命を懸けて守ろうとしたものを、最終回で確かめてください」
  • 「みなさんの応援のおかげで、ここまで走り抜けることができました」
  • 「クランクアップしましたが、物語はオンエアを通してみなさんの心の中で続いていきます」

こうした言葉からは、ドラマが単なる娯楽作品を超えて、今を生きる私たちに「表現することの意味」や「誰かと何かを分かち合うことの喜び」を問いかける作品になっていることがうかがえます。

最終回「蔦重栄華乃夢噺」へ クランクアップの笑顔と、物語のラストシーン

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、最終回「蔦重栄華乃夢噺」が放送されることで、1年にわたる物語に幕を下ろします。
クランクアップの日、キャストたちが見せたのは、やり切った人だけが見せられる晴れやかな笑顔でした。

一方で、ドラマの中の蔦重は、脚気という病に倒れながらも、自らが信じた世界を託そうと最後まで足掻き続けます。
現実の撮影現場の「お疲れさまでした」という声と、ドラマの中で懸命に生きる人物たちの姿が、どこか重なって見えてくるようです。

クランクアップコメントは、そんな彼らの本音が詰まった「もうひとつの最終回」とも言える存在です。キャスト17人の思いを知ったうえで最終回を観ると、きっと物語のラストシーンが、より一層深く心に残るはずです。

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