嵐ラストツアー札幌公演と大学入試が重複 受験生と一般ファンの間で予約争奪戦が加熱
国民的アイドルグループ「嵐」のラストツアーが2026年3月に札幌で開催されることが発表されて以来、受験生と一般ファンの間で深刻なホテルや交通手段の予約争奪戦が巻き起こっています。特に注目されているのが、嵐の札幌公演(3月13日~15日)と北海道大学の後期日程入試(3月12日)の日程がほぼ重複しているという問題です。この状況は、受験生の親御さんたちからも「気の毒すぎる」という声が上がるほど、社会的な関心を集めています。
ラストツアー発表で急速に埋まるホテルと交通予約
嵐のラストツアー「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」は、全国5大ドームで全15公演が予定されています。札幌の大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)での公演が初日となることが11月22日に発表されました。この発表直後から、札幌市内のホテルや飛行機の予約が殺到し、わずかな時間で満室近い状態になってしまったとのことです。
札幌ホテルヤマチの支配人は「発表の午後6時になってからネットを中心に一気に満室近い状態になった」とコメントしており、この急速な予約の埋まり方が尋常ではないことを物語っています。2019年の最後のドームツアー時も全国から札幌にファンが集まりましたが、今回のラストツアーということもあり、その波及効果はさらに大きくなることが予想されます。
入試日程との重複が招く「受験生への影響」問題
嵐の札幌公演がニュースになっている最大の理由が、北海道大学の2026年度一般選抜・後期日程試験(3月12日実施予定)との日程接近です。受験生たちは試験前後に札幌への移動や宿泊が必要になる場合がありますが、その時期がちょうど嵐のコンサートと被ってしまっています。
SNS上では「受験生への影響」「宿泊費の高騰」などの議論が広がっており、受験を控える家庭にとって深刻な問題として認識されています。特に札幌市内のホテル不足と料金高騰は、受験生の家族にとって大きな負担になっています。一部の報道では、ホテルの料金が通常の5倍にまで跳ね上がっているとも言われており、地域全体への経済的な影響も大きくなっています。
北大生協が異例の対策を発表
この事態を受けて、北大生協が異例の対策を発表しています。北大の入試課は報道に対して「安心して受験に臨めるよう努めてまいります」とコメントしており、受験生への配慮姿勢を示しています。具体的な支援内容については調整中とのことですが、この対応は受験生と保護者から一定の安心感をもたらしています。
文部科学省の関係者も「落ち着いて受験準備を進めてください」というメッセージを発信しており、官庁レベルでもこの問題に対する対応が進められています。受験という人生における重要なイベントと、国民的アイドルのラストツアーという特殊な状況が同時に起こることは、教育機関にとっても異例の対応を強いられる状況になっています。
ファンと受験生の両立を目指して
嵐のファンからは「5人でのラストツアーを見届けたい」という強い想いが表現されており、「ようやく発表されたツアー日程。大切な初日だから絶対に行きたい」といった声が多く聞かれます。一方、受験生の親御さんたちからは「気の毒すぎる」という同情の声も上がっており、両者の想いが交錯する状況が生まれています。
注目すべき点として、札幌でのホテル確保ができなかったファンにもまだチャンスがあるという指摘もあります。コンサートチケットの販売はまだこれからであり、宿泊地を札幌市外に変更するなどの柔軟な対応が可能な状況もあります。ただし、交通渋滞の懸念やホテル料金全体の上昇は避けられない見通しです。
2026年春、札幌が歴史的瞬間を迎える
嵐は2020年12月31日をもって一度活動を休止していましたが、2025年5月に「2026年のコンサートをもって活動を終える」ことを発表していました。今回のラストツアーは、グループとしての最終活動となる重要なイベントです。北海道を皮切りに、東京・愛知・福岡・大阪の5大ドームを巡り、最後に東京ドームでの5月31日のファイナル公演で区切りを迎えます。
札幌公演は3月13日から3月15日までの3日間に3公演が予定されており、この初日の重要性からもファンの熱量が高まっていることがうかがえます。受験生にとっても、ファンにとっても、札幌でのこの歴史的瞬間に関わることになる2026年春は、多くの人にとって記憶に残る時期になることでしょう。
社会全体での配慮と対応が課題
この状況は、単なる娯楽イベントと受験という教育の問題の衝突に留まりません。地域経済への影響、ホテル業界への対応、交通機関の混雑対策など、さまざまなステークホルダーが対応を迫られています。受験生と親御さんにとっては、試験という人生における重要な選択肢に関わる時期だからこそ、官庁・自治体・民間企業が連携して、できる限りの配慮をすることが求められています。
北大生協や文科省の対応は、このような困難な状況の中での前向きな取り組みと言えます。今後、札幌での嵐ラストツアーが、受験生にも一般ファンにも「心に残る春」になるような環境づくりが期待されています。
嵐のラストツアーと大学入試の重複という、予想外の事態に直面した社会。受験生と一般ファン、そして教育機関や自治体が、どのように知恵を絞ってこの課題に向き合うのか。2026年3月の札幌は、多くの人の視線が集まる重要な時期になることが確実となっています。
