ロックバンド「THE ALFEE」が秩父をジャック!51年目の冬祭りで故郷を全面的にプロデュース

ロックバンド「THE ALFEE」が、2025年12月1日から秩父市の「矢尾百貨店」を期間限定で「THE ALFEE百貨店」として営業を開始し、大きな話題を呼んでいます。デビューから50年を超える活動を続けるTHE ALFEEが、故郷である秩父を舞台に展開する大型企画は、ファンだけでなく地元住民からも「秩父では誰もTHE ALFEEから逃げられない」との反響を呼んでいます。

百貨店全体を使った大規模な連携企画

今回の企画は、秩父市の観光大使を務めるメンバーの想いと、地域活性化への取り組みが形になった結果です。矢尾百貨店は現在リニューアル中で、10月に「セリア」が出店し、11月28日には「ベスト電器ヤオ秩父店」が「ヤマダファミリーショップ ヤオ秩父店」として移転オープンするなど、商業施設としての機能を強化していました。

そうした館内整備が進む中、THE ALFEEとのコラボレーション企画「THE ALFEE百貨店」が誕生しました。期間は12月1日から12月15日までの約2週間で、営業時間は通常10時から19時までですが、12月3日は20時まで営業時間を延長しています。入場料は1,000円(高校生以下は無料)に設定されています。

デビューから現在まで、音楽活動の歩みを辿る展示

THE ALFEE百貨店内では、バンドの半世紀を超える歴史が一堂に介された展示が繰り広げられています。デビュー期からの写真パネルをはじめ、活動の歩みを追う展示コーナーでは、下敷きやタオル、バンダナ、チョーカー、エアクッションなど、歴代のライブグッズが丁寧にディスプレーされています。

特に注目されているのが、デビューから2025年8月3日までに行われた全コンサート会場の一覧を、縦約2メートル、横約3.5メートルの大型パネルにまとめた資料です。この膨大なツアー履歴を見ることで、THE ALFEEがいかに日本全国で活動を続けてきたかが一目瞭然となります。

会場では50周年ライブの映像も常時放映されており、来場者の中には映像の前で体を揺らしながらリズムを取る姿も見られています。また、衣装や楽器の展示も行われており、メンバーがステージで実際に使用した品を間近で鑑賞することができます。

メンバーの秘蔵品や秩父ゆかりの展示物

今回の展示では、THE ALFEEのメンバーの個性が詰まった秘蔵品も数多く公開されています。例えば、メンバーが所属していた野球チーム「代々木デビルズ」のユニホームや、メンバーの誕生日に他のメンバーから贈られた顔をあしらったアロハシャツなど、ユニークな品々が並びます。

さらに、F1車を模したベースや、秩父鉄道で車掌を務めた際のパネルなど、秩父との関わりを示す展示物も多く配置されています。また、秩父市の観光大使を務めるメンバーの名刺も展示される予定です。

昨年発売された「THE ALFEE トリビュート・アルバム 五十年祭」のジャケット写真に使われた造形物は、秩父仕様に装飾して展示されており、ファンにとってはこれまで以上に充実した展示体験となっています。

秩父文化とのコラボレーション

館内各所には、秩父を代表するキャラクターや文化を取り入れたフォトスポットが設けられています。秩父市のイメージキャラクター「ポテくまくん」をはじめ、「ぷめるちゃん」や秩父鉄道のキャラクター「パレオくん」「パレナちゃん」などが配置されています。

さらに秩父札所や豚みそ、酒瓶、ちょうちんなど、地域ゆかりのモチーフが加えられ、秩父の要素がちりばめられたフォトスポットが完成しました。来場者はこれらのスポットで写真を撮影できます。

販売コーナーでは、秩父のイメージキャラクター「ポテくまくん」とのコラボTシャツや、矢尾百貨店とのコラボエコバッグなど、ここでしか手に入らないオリジナル商品が用意されています。限定数のオリジナルデザイン紙袋も販売されており、ファンからの注目を集めています。

特設ショップと地域連携

1階食品フロアには、メンバーの実家である「櫻井太傳治商店」が期間限定で出店しており、地元酒を使ったオリジナル商品などが販売されます。こうした地元企業との連携は、単なるイベントを超えた、地域活性化の取り組みとなっています。

実行委員会の浅井博司さんは「展示をきっかけに『催事場だけでなく矢尾百貨店をジャックしよう』となり、メンバーの館内放送も用意した。話が秩父市や鉄道会社へ広がり、ポテくまくんとのコラボ、秩父夜祭を見に来るツアーなど、街を挙げての企画になった」とコメントしており、この企画がいかに規模を拡大しているかが伝わります。

矢尾百貨店催事担当の若林富夫さんも「館内放送では3人の声が流れる。展示会場は音楽やライブ映像を流しているので、放送を聞きやすい他のフロアで、買い物と一緒に楽しんでもらえれば」と期待を寄せています。

秩父夜祭2025との連動企画

THE ALFEE百貨店の開催は、秩父を代表する冬のイベント「秩父夜祭」の時期と重なっており、「THE ALFEE 51年目の冬祭り 秩父夜祭2025」として統合的にプロデュースされています。

横浜アリーナでの公演では、THE ALFEE監修による秩父バスツアーが発表され、700名を超える多くのファンが抽選に参加するなど、大きな話題となりました。このツアーは、THE ALFEEのファンが秩父夜祭を鑑賞しながら、地域の文化や歴史を体験する機会として企画されています。

秩父鉄道との特別コラボレーション

今回の企画にはさらに、秩父鉄道も参加しており、「THE ALFEE特別列車」の運行が決定しています。秩父鉄道のSLパレオエクスプレスや普通列車での特別列車運行が予定されており、記念乗車券の販売も行われます。

12月6日(土)と7日(日)には、熊谷駅から三峰口駅間で1日1往復の特別運行が実施される予定で、SL乗車には指定席券と乗車区間分の乗車券が必要となります。

ファンの反応と地域への影響

この企画に対して、SNS上では「想像を軽く超えてきた…!」や「百貨店が乗っ取られてる!」といった驚きの声が相次いでいます。また「秩父では誰もTHE ALFEEから逃げられない」という投稿も見られ、秩父全域がTHE ALFEE一色に染まる様子が伝わってきます。

この現象は、単なるファンイベントではなく、秩父市全体の活性化に大きく貢献するものとして認識されています。デビュー以来51年間にわたって音楽活動を続けるTHE ALFEEが、故郷である秩父に対して行う大規模な「恩返し」とも言えるこの企画は、バンドの思い入れの深さを感じさせるものとなっています。

THE ALFEE百貨店は12月15日までの期間限定で営業予定です。秩父への来訪を考えているファンや、ロックバンドの歴史に興味を持つ方々にとって、この冬は秩父を訪れる絶好の機会となるでしょう。

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