桂林や雲南で「雲海」と「霧氷」が競演 南方に訪れたロマンチックな冬景色

中国南部の桂林や雲南の山々で、この冬、美しい雲海霧氷(むひょう/雾凇)が次々と姿をあらわし、話題を集めています。
ふだんは温暖なイメージの強い地域ですが、寒波と晴天が重なったことで、山頂では銀世界と雲の海が広がる幻想的な光景が生まれ、多くの観光客がその一瞬を楽しんでいます。

桂林・猫儿山 元旦の雲海と霧氷がつくる「空の上の銀世界」

広西チワン族自治区の観光都市・桂林近郊にある猫儿山(マオアルシャン)では、元旦前後にかけて、山頂一帯が見事な霧氷と雲海に包まれました。
標高の高い猫儿山では気温が氷点下まで下がり、樹木の枝や草花、山肌に細かな氷の結晶がびっしりと付着。そこへ晴れ間がさすと、あたり一面がガラス細工のようにきらめく「銀の森」となります。

同時に、山の下には大きな雲海が広がり、まるで山が雲の上に浮かんでいるかのような景色が現れました。
地元メディアは、「雲海と霧氷が織りなす夢のような絵巻」と表現し、多くの写真や動画が紹介されています。日の出や夕日と重なる時間帯には、雲の色がオレンジやピンクに染まり、訪れた人たちは思わず足を止めて見入っていたそうです。

2026年1月2日には、この冬景色を目当てに、多くの観光客が猫儿山景区を訪れました。
展望デッキからは、足元に雲が流れ、遠くの山なみが島のように浮かび上がる様子が一望できます。冷たい風は吹きますが、その分空気は澄み、写真撮影には絶好の条件となりました。

桂林・全州天湖 今季初雪と霧氷、スキーも楽しめる高原の冬

桂林の北部、全州県の天湖(天湖景区)にも、この冬ついに今季初雪が降り、山頂一帯が白く染まりました。
雪が積もった天湖では、湖畔の木々や柵、展望エリアに霧氷がびっしりと付き、辺りは白と青を基調とした静かな世界に。訪れた人々は、雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりと、南方では貴重な“本格的な冬遊び”を楽しんでいます。

全州天湖にはスキー場が併設されていて、
・高山で霧氷を眺める
・ゲレンデでスキーやスノーボードを楽しむ
・雪原でそり遊びや写真撮影をする
といった体験を「一カ所でまとめて楽しめる」のが大きな魅力です。
観光エリアとスキー場が組み合わさったこのスタイルは、近年、桂林エリアの新しい冬のレジャーとして人気が高まりつつあります。

動画では、ふわふわの新雪を踏みしめながら、雲に近い高地で霧氷を眺める人の姿や、真っ白なゲレンデを滑り降りるスキーヤーたちの様子が紹介されています。
雪遊びをした後、展望スポットで霧氷の付いた木々と遠くの山なみを背景に記念撮影をするなど、「遊ぶ」と「見る」を両方満喫できる場所になっています。

雲南・梁王山 雲海と霧氷が「一枚の絵」のように融合

雲南省の梁王山でも、ここ数日、美しい雲海霧氷の景色が現れ、ニュースで取り上げられています。
山頂近くでは、夜の冷え込みによって樹木が真っ白な霧氷に覆われ、朝になると眼下に厚い雲の層が広がります。
白い氷の枝と、柔らかな雲の絨毯が重なり合い、「まるで一枚の風景画のようだ」と表現されています。

とくに風の弱い日には、雲海が静かに止まり、ところどころから山頂だけが顔を出す「雲海の島々」のような景色が見られます。
そこに日の光が差し込むと、霧氷はキラキラと輝き、雲は淡いオレンジ色へと変化し、刻一刻と表情を変えていきます。
山道を歩きながら霧氷のトンネルをくぐり、展望ポイントに出ると足元に雲の海が広がる――そんなドラマチックな体験ができると、訪れた人たちの間で話題になっています。

雲南・乌蒙山 「雪が降るウーモン山」で冬のロマンを再発見

雲南省の乌蒙山(ウーモン山)も、この冬の注目スポットのひとつです。
「雪が降るウーモン山」と題されたニュースでは、山一帯に降り積もった雪が、雲南の冬を彩るロマンチックな景色として紹介されています。
普段は緑豊かな山ですが、雪の日にはその姿が一変し、白い森と谷が連なる幻想的な世界になります。

ウーモン山では、標高の高い場所を中心に、木々の枝や岩肌に霧氷が付き、遠くの山なみと重なって、いくつものレイヤーがあるような風景を生み出します。
近景の霧氷、中景の雪化粧をした丘陵、そして遠景の山並みと雲――その奥行きのある構図は、カメラ愛好家にも人気で、SNSなどにも多くの写真が投稿されています。

雪の静けさの中、時おり聞こえるのは風の音と、木々から落ちる雪のかすかな音だけ。
「雲南にもこんな“本格的な冬”があるのか」と、地元の人も改めてその魅力を感じているようです。

南方の山に広がる「冬のロマン」 霧氷と雲海が愛される理由

桂林や雲南の山々で見られる霧氷雲海は、自然が生み出す「冬の芸術」といわれることがあります。
霧氷は、空気中の水蒸気が冷たい物体に触れて凍りつき、繊細な氷の結晶を作り出したものです。
枝の一本一本に氷の羽が生えたような姿は、同じ場所でも日によって形が変わる一期一会の景色です。

雲海は、谷間などに雲が溜まり、上から見下ろすと「白い海」のように見える現象です。
朝夕の光が当たると、雲の表面が波のようにうねって見えたり、色が刻々と変化したりして、見る人を飽きさせません。
こうした現象が同時に起きるのは、気温、湿度、風向き、日照など、さまざまな条件がそろったときだけで、その「めずらしさ」も人気の理由のひとつです。

ここ数年、中国南部の山岳地帯では、冬のこうした自然現象を活かした観光づくりが進んでいます。
桂林・猫儿山や全州天湖のように、展望デッキや遊歩道を整備して安全に霧氷と雲海を楽しめるエリアや、スキー場と観光スポットを組み合わせた複合型の冬のレジャー施設などが増えています。
気軽な日帰り旅行から、ゆっくりと滞在して景色を堪能する旅まで、楽しみ方の幅も広がってきました。

冬の桂林・雲南を楽しむためのポイント

  • 早朝や午前中が狙い目:霧氷や雲海は、朝の冷え込みが残っている時間帯に見られることが多く、天候がよい日は日の出前後がとくにおすすめです。
  • 防寒対策はしっかりと:桂林や雲南の市街地は比較的温暖ですが、山頂は氷点下になることもあります。厚手の上着、手袋、帽子などを準備しておきましょう。
  • 足元の安全に注意:霧氷や雪で道が滑りやすくなるため、滑りにくい靴や簡易アイゼンがあると安心です。
  • 天気予報と交通情報をチェック:霧氷や雲海は天候に大きく左右されます。また、雪の日は道路状況が変わりやすいので、最新情報を確認してから出かけましょう。

桂林の猫儿山や全州天湖、そして雲南の梁王山や乌蒙山に広がるこの冬の景色は、
「南方にもこんな冬があるんだ」と感じさせてくれる、特別な瞬間です。
自然がつくり出す一度きりの風景を求めて、これからも多くの人が山を訪れることになりそうです。

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