こぐま座流星群が今夜から明日明け方にかけて見頃に 12月最後の流星群を観測するチャンス

12月下旬に毎年活発になる「こぐま座流星群」が、今夜22日夜から23日明け方にかけて見ごろを迎えます。極大時刻は23日午前1時ごろと予測されており、冬至の季節に訪れる今年最後の流星群として、天文ファンから注目を集めています。先月のふたご座流星群では全国的に天気が悪かったため、今回のこぐま座流星群が観測の貴重なチャンスとなっています。

こぐま座流星群とは

こぐま座流星群は、毎年12月下旬に活発になる小規模の流星群です。母天体は太陽の周りを約14年の周期で公転するタットル彗星(8P/タットル)で、流星群の出現期間は12月17日から26日ごろとされています。

この流星群の特徴は、放射点が北極星(ポラリス)に非常に近い位置にあることです。そのため、北半球では一晩中観測することが可能で、流星が地平線以下に沈むことがありません。これは他の流星群にはない大きなメリットで、観測時間に制限がないため、自分の都合の良い時間帯に観測できるという利点があります。

今夜から明け方の観測条件は良好

今年のこぐま座流星群の観測条件は、非常に恵まれています。月の輝面率が6%ときわめて低く、月明かりの影響がほぼないため、暗い夜空を背景に流星を観測することができます。これは流星群の観測に最適な条件です。気象の面でも、全国的に22日夜は観測に好条件が整う見込みとなっており、晴天が期待できる地域が多いと予想されています。

おすすめの観測時間帯

極大の予想時刻は12月23日午前1時ごろですが、実際の観測に適した時間帯は22日夜遅くから23日明け方にかけて広がります。空が暗くなった夜間でも観測可能ですが、時間が経つにつれて放射点の高さが上がり、より観測しやすくなります。

具体的には、夜間の放射点の高さは約20度ほどですが、午前1時ごろには約30度にまで上がります。明け方に近づくにつれて放射点はさらに高くなり、見やすい条件が整います。最も観測しやすい時間帯は、23日の未明から明け方にかけてとなるでしょう。

流星の見え方と観測時のポイント

こぐま座流星群は小規模な流星群のため、最良の観測条件下で極大の時間帯に期待できる流れ星の数は1時間あたり7~10個程度となっています。ふたご座流星群の100個以上と比べると大幅に少ないため、「見られたらラッキー」という心構えで観測に臨むことが大切です。ただし、時折流星出現が活発化する年もあるため、予測が難しい部分があります。

流星は放射点のあるこぐま座の方向だけに出現するのではなく、夜空のどこにでも現れる可能性があります。そのため、放射点の方向に固執するのではなく、空全体を広い範囲で眺めるようにしましょう。空を広く見渡していることで、より多くの流星を捉える確率が高まります。

観測をより快適に行うための準備

流星を見つけるには、街灯などの人工の明かりが少なく、空を広く見渡せる場所を選ぶことが重要です。屋内から急に屋外に出た場合、目が暗さに慣れるのに時間がかかります。最低でも15分程度は観察を続けることで、より多くの流星を発見できる可能性が高まります。

観測の際には、望遠鏡や双眼鏡は視野が狭くなるため、肉眼での観測をおすすめします。星座早見盤があれば、放射点の位置確認や観測の合間に星座や星を楽しむことができます。

この時期最も重要なのは防寒対策です。レジャーシートや背もたれが傾けられる椅子などを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、長時間の観測も快適に行えます。防寒着や寝袋、ホッカイロなど、暖かさ対策を十分に施して無理のない範囲で観測に臨みましょう。

こぐま座を見つけるには

こぐま座流星群の放射点はこぐま座にあります。まず北極星(ポラリス)を見つけることが、こぐま座を探す最初のステップとなります。北極星の周辺にこぐま座の小北斗七星があり、この付近が流星の放射点となります。北半球のどこからでも、北の空を見上げることで確認できます。

今年のチャンスを逃さずに

先月のふたご座流星群では全国的に天気が悪く、観測できなかった天文ファンも多かったと思われます。今回のこぐま座流星群は、月明かりの影響がなく、全国的に好条件が整う見込みです。小規模な流星群で出現数が少ないため、見えるかどうかは運の要素も大きいですが、12月最後の流星群を観測するこのチャンスを逃さないようにしましょう。

防寒をしっかりして、今夜22日夜から23日明け方にかけて、冬の夜空に輝く流星を探してみてはいかがでしょうか。コンスタントに出現する流星群ではないため予測が難しい部分もありますが、夜空を見上げる時間自体が、冬至の季節の特別な体験となるでしょう。

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