徳川家康とその軌跡に出会う、特別展「徳川十五代将軍展」後期展示が仙台で開幕

2025年10月7日、仙台市博物館で開催中の特別展「徳川十五代将軍展―国宝・久能山東照宮の名宝―」が後期展示へと突入し、徳川家康ゆかりの貴重な品々が一般公開されています。本展は、戦国から江戸期への歴史の舞台転換を担った徳川家康と、その後十五代にわたって受け継がれた徳川将軍家の文化や美術の粋を一堂に紹介する壮大な内容です。
後期ならではの見どころも追加され、歴史好きやご家族連れはもちろん、日本文化に関心のあるすべての方におすすめです。

1.見どころ満載―家康ゆかりの名宝たち

今回の展示では、徳川家康自らが用いた甲冑「歯朶具足(しだぐそく)」や、スペイン国王から家康に贈られたという洋時計など、普段はなかなか目にする機会のない歴史的価値の高い至宝が公開されています。特に「歯朶具足」は関ヶ原の戦いで家康自身が身につけて戦ったと伝わる品で、繊細な装飾と当時の武人の精神性が垣間見える圧巻の逸品です。また、世界の交渉史の貴重な証拠である洋時計は、徳川時代の外交や技術交流を語る上で欠かせません。

  • 国宝2件、重要文化財31件を含む、厳選された約100点が出展
  • 将軍家に伝わる武具・武器・書画など、文化財の豊かなバリエーション
  • 伊達家ゆかりの品も登場、「黒漆五枚胴具足 伊達政宗所用」の公開も

2.展示会スケジュールと会場案内

本展は2025年9月12日(金)から11月9日(日)まで開催されており、10月7日より展示内容を一部入れ替える形で、より多くの名品が登場します。
会場の仙台市博物館では、家族づれやさまざまな年代、国籍の来館者がじっくり時間をかけて展示品を鑑賞できる工夫が随所にほどこされています。
また、会期中は特別な解説イベントや関連講座が随時行われており、来館者はより深く徳川家の歴史や文化を感じることができます。

  • 前期展示: 9月12日〜10月5日
  • 後期展示: 10月7日〜11月9日
  • 開館時間: 9:00~16:45(入館は16:15まで)
  • 休館日: 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)
  • 入館料: 一般1,600円、高校・大学生1,300円、小・中学生900円(団体割引もあり)
  • 主催:仙台市博物館・tbc東北放送・河北新報社などで構成された実行委員会

3.主要展示品のご紹介

  • 歯朶具足(しだぐそく)

    関ケ原合戦の際、徳川家康自身が身につけたと伝承される具足(よろいかぶと)。歯朶模様の装飾が特徴で、戦国武将の誇りと美意識、そして戦場における祈りが籠められています。家康の生涯と武士の精神性を体感できる「かつてない貴重な機会」として多くの注目を集めています。
    普段は久能山東照宮で大切に守られているこの甲冑を間近で見ることができるのは、まさにこの展覧会ならではの特権です。

  • スペイン国王より贈られた洋時計

    国際的な文化交流の証として、スペイン王家から徳川家康に寄贈された豪華な時計も本展の目玉。精密で美しい細工が施された洋時計は、当時の最先端の技術が詰まっており、新大陸やヨーロッパとの交流史を実感させてくれます。
    力強い鎖国政策のかたわらで、世界の動きに敏感だった江戸幕府の一端を感じられる希少な逸品です。

  • 久能山東照宮ゆかりの至宝

    家康の遺言により創建された久能山東照宮は、家康愛用の品々や歴代将軍直筆の書画、多くの奉納品が伝わる文化財の宝庫。将軍家の納めた美術工芸品、書画や屏風、鎧兜、刀剣などが特別に公開されており、江戸時代の武家文化を総合的に体感できます。
    日本史ファンはもちろん、日本文化に興味のある外国からのお客様にもおすすめの内容となっています。

4.久能山東照宮・徳川家の歴史をたどる

徳川家康は戦国の世から江戸時代へと時代を切り開き、1603年に江戸幕府を開きました。彼の死後、その遺骸は静岡県の久能山に葬られ、ここが後に東照宮として祀られるようになります。東照宮は徳川将軍家の厚い崇敬を集め、家康のみならず歴代将軍の貴重な品が納められてきました。
今展では、そんな久能山東照宮に伝わる家康ゆかりの品々を通じて、戦国から天下泰平へと続く大きな時代の流れや、武士たちの揺るぎない精神、幕府の文化的な隆盛を体感することができます。

5.伊達家とのつながりにも注目

戦国時代から江戸期にかけて、徳川家と伊達家は密接な関係を築いてきました。今回は伊達政宗が所用したと伝わる甲冑「黒漆五枚胴具足」など、宮城・東北ゆかりの品々も展示されており、当地ならではの見どころもたくさん。戦国の世で生き抜いた各大名家の誇りや知恵、その交渉術や家族のつながりも感じ取れる展示となっています。

6.来館者へのメッセージと開催意義

本展を訪れる皆様には、単なる歴史的お宝鑑賞にとどまらず、徳川家康とその一族が遺した日本文化の深さ、多様性、創造性、そして日本が国際社会とどのように向き合ってきたかを、じっくり味わっていただきたいと考えています。
また、学校の教育活動や地域の歴史学習の一環としても極めて意義深く、ご家族やお友達との思い出づくりにも最適です。特に将来、歴史や文化を学びたい子どもたちにこそ、ぜひこの「本物」の迫力を体験してほしいと願っています。

  • 事前予約や混雑情報は公式サイトやSNSをご参照ください。
  • 図録や限定グッズの販売もあり、コレクターや贈り物としても注目です。

7.最後に―過去と未来をつなぐ展覧会

四百年以上の時を超えて、なお語りかけてくる家康の生涯とその精神、将軍家の文化。
「徳川十五代将軍展」は、その歴史の息遣いを身近に感じる特別な機会となります。今こそ、日本人として、また世界の一員として、私たちのルーツや誇りを再発見し、新しい時代の未来につなげていくことが求められています。ぜひお見逃しなく。

  • 会場情報:仙台市博物館(仙台市青葉区川内26番地)
  • 会期:2025年9月12日(金)~11月9日(日)
  • 開館時間:9:00~16:45(入館は16:15まで)
  • 観覧料:一般1,600円/高校・大学生1,300円/小・中学生900円(団体割引あり)
  • 主催:仙台市博物館、tbc東北放送、河北新報社 ほか

歴史と文化の「今」と「未来」を体感できるこの機会を、心ゆくまでお楽しみください。

参考元