富山県立高校入試の志願倍率が過去最低の0.89倍に…平均倍率5年連続で低下

富山県教育委員会が2026年2月24日に発表した県立高校一般入試の志願倍率が、過去最低の0.89倍となりました。前年度の0.99倍から0.10ポイント低下し、平均倍率の低下が5年連続で続いている状況が明らかになります。

志願倍率の詳細について

富山県内の公立高校の入学願書受け付けが2月24日正午に締め切られ、全日制34校82科の募集人数5,020人に対して、志願者数は4,482人となっています。志願者数が募集人数を下回るのは極めて珍しいことであり、県内の高校教育を取り巻く環境の変化を象徴しています。

特に注目すべき点は、定員割れした学校が28校56科にも及んでいることです。これは全体の約67%の学科が定員に満たない状況であることを意味しており、高校選択の多様化と生徒数の減少という課題が同時に存在していることがわかります。

高倍率と低倍率の学科について

一方で、特定の学科には志願者が集中している傾向も見られます。最も倍率が高いのは富山中部高校の探究科学科で2.10倍となっており、次いで富山商業高校の会計ビジネス科が1.68倍、富山高校の探究科学科が1.64倍と続いています。

これらの高倍率を示す学科は、いずれも探究科学科や商業系の専門学科です。生徒たちが特色のある学科や将来のキャリアに直結する学科を選択する傾向が強まっていることが推測されます。一方で、普通科のみの学科では倍率が低い傾向にあり、学科による選好度の違いが明確に表れています。

富山県の高校教育を取り巻く背景

このように志願倍率が低下し続けている背景には、いくつかの要因が考えられます。最大の要因は少子化による生徒数の減少です。富山県内の中学卒業予定者数が年々減少していることは、高校入試の競争倍率に直結します。

また、定員割れが広がっている状況は、生徒側が進路選択において自由度を持ち、必ずしも地域の公立高校を選択する必要がなくなってきたことを示しています。私立高校への進学や県外への進学、あるいは高認試験や大学進学予備校などの多様な進路選択肢の出現が、公立高校の志願倍率低下に影響している可能性があります。

今後のスケジュールと課題

一般入学試験は3月5日と6日に実施される予定です。定員割れが相次いでいる状況では、推薦入試で合格した生徒の確保が重要になるほか、一般入試での合格者数調整が各校で課題となることが予想されます。

また、このような倍率の低下は、県内の高校教育の質の維持にも影響を与える可能性があります。富山県教育委員会は、学校再編計画なども含め、今後の高校教育の適正配置について検討を急ぐ必要があると考えられます。

他県の状況との比較

全国的に見ると、高校入試の倍率低下は富山県だけの現象ではありません。少子化の進行に伴い、多くの地域で類似の傾向が見られています。ただし、富山県の0.89倍という倍率は全国的に見ても極めて低い水準であり、県内の生徒減少が進んでいることを示しています。

このような状況の中でも、探究科学科や商業系学科など、特色ある教育課程を持つ学科に対する志願者の関心は依然として高いことがわかります。生徒たちが自分の将来に直結する教育内容を求めていることを反映した結果といえるでしょう。

まとめ

富山県立高校入試の志願倍率が過去最低となった今回の結果は、少子化による生徒数減少と、生徒側の進路選択の多様化という、日本の教育現場が直面する深刻な課題を浮き彫りにしています。県教育委員会が適切な対応策を講じ、生徒一人ひとりの才能を引き出す高校教育の実現に向けて、今後さらなる工夫が求められる状況が続きます。

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