東京藝術大学のDOORプログラムが10年目の節目を迎え、2026年度受講生を全国募集

東京藝術大学の履修証明プログラム「Diversity on the Arts Project(DOOR)」が、2026年度の受講生募集を開始しました。今年からは新たに厚生労働省の教育訓練給付制度の対象講座に指定され、より多くの社会人が学びやすくなったことが大きな特徴です。このプログラムは、藝大生と社会人が共に学ぶ、ユニークな教育課程として注目を集めています。

「ケア×アート」をテーマにした充実したカリキュラム

DOORは「ケア×アート」をテーマに、「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成することを目的としています。1年間にわたって、東京藝術大学の教員をはじめ、アーティストや多様な福祉の実践者など、30名を超える講師陣が登壇します。このプログラムの大きな特徴は、単なる講義だけではなく、受講生同士の対話を重視しており、全国から集まった受講生との交流の機会が設けられていることです。

授業は対面授業、オンライン授業、eアーカイブラーニングで学ぶことができるため、全国から受講が可能です。この柔軟な学習方法により、忙しい社会人でも無理なく学ぶことができる環境が整備されています。さらに、授業は藝大生の履修・聴講も可能であり、社会人と藝大生が共に学びを深めるプログラムであることが、このプログラムの大きな魅力となっています。

2026年度募集の詳細情報

募集人数は120名となり、応募者が多い場合は書類選考が実施されます。応募期間は2026年1月5日(月)午後2時から2月13日(金)午後2時までで、DOOR公式ウェブサイトの募集ページからオンラインでの応募を受け付けています。在籍期間は1年間で、2026年4月1日から2027年3月31日までとなります。

受講料は40万円(検定料なし)です。ただし、本プログラムは文部科学省の「職業実践力育成プログラム(BP)」に認定され、厚生労働省の教育訓練給付制度「特定一般教育訓練」に指定されているため、所定の要件を満たした手続きを行った場合には、受講料の40%の給付を受けることが可能となります。

学生向けの新しい支援制度も登場

2026年度からは、他の教育機関に在籍しながら同時期にDOORプログラムを受講する学生を対象に、受講料の一部(10万円)を減免する独自の制度が新たに設けられました。この制度により、大学在学中など、他の教育機関に在籍している学生でも、経済的な負担を軽くしながらプログラムに参加することができるようになりました。このような取り組みを通じて、より多様な環境にいる人々が学びの機会を得られるような仕組みが整えられています。

10年目の記念すべき年となる2026年度

DOORは今年で10期目を迎える、歴史あるプログラムです。これまで9年間にわたって、多くの社会人と藝大生がこのプログラムを通じて、アートとケアについて深く学んできました。プログラム全体で対話を重視する姿勢は変わらず、受講生同士での交流はもちろんのこと、全国に住んでいるDOOR修了生とのアートや福祉・ケアと関連するプロジェクトでの交流も様々に行われています。

無料の公開講座も開催

DOORの受講を検討している方に向けて、2026年1月26日(月)にオンライン公開講座が開催されます。本プログラムの必修科目「ダイバーシティ実践論」の講義をリアルタイムに配信するもので、講師として東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授の西原珉氏が登壇し、聞き手は東京藝術大学長の日比野克彦氏が務めます。

公開講座は時間が分かれており、18時から18時20分までは概要説明、18時20分から19時50分までが特別講義となります。参加は無料で事前申し込み制です。プログラムについて詳しく知りたい方、受講を迷っている方にとって、プログラムの内容や雰囲気を理解する良い機会となるでしょう。

応募資格と問い合わせ先

募集対象は、高等学校卒業以上の学歴を有する者、または同等以上の学力があると大学が認めた者です。外国人志願者も応募可能で、授業履修に支障のない日本語能力があることが条件となります。

詳しい情報やご質問については、東京藝術大学の履修証明プログラムDOORまでお問い合わせください。住所は〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8で、メールアドレスはinfo-door@ml.geidai.ac.jpです。なお、オフィスは水曜日、木曜日、祝日は閉室となっています。

社会のニーズに応える学びの場

このプログラムの募集開始は、現代社会において「ケア」と「アート」の両面から社会課題に向き合う人材の育成が、今まで以上に求められていることを示しています。厚生労働省の給付制度対象化により、社会人学生の学習機会がより広がることが期待されます。東京藝術大学のDOORプログラムは、これからも多くの受講生を受け入れ、社会的要請に応えながら、より良い学びの機会の創出に努めていく方針です。

2026年度の受講生募集に関する詳細は、DOOR公式ウェブサイト(door.geidai.ac.jp)の募集ページをご確認ください。応募期間の締め切りは2026年2月13日午後2時までとなっているため、興味のある方はお早めのご応募をお勧めします。

参考元