きょう12月23日は「東京タワー完工の日」！戦後復興を象徴する333メートルの塔が誕生した日
本日12月23日は、日本を代表する建造物「東京タワー」が完成した記念日です。1958年（昭和33年）のこの日、東京・芝公園に東京タワーが竣工し、完工式が行われました。この日は「東京タワー完工の日」として日本の記念日に制定されており、日本の戦後復興と高度経済成長の象徴として今もなお愛される建造物の誕生を祝う日となっています。
当時世界最高の高さ333メートル——日本の技術力を世界に示す
東京タワーの高さは333メートル（海抜高は351メートル）。これは当時、フランス・パリのエッフェル塔（312メートル）を21メートル上回る、世界で最も高い自立式鉄塔でした。国産の材料と技術で建てられたこの塔は、戦後の日本が国際社会に対して「日本は復興した」というメッセージを発信する象徴的な存在となったのです。
設計を担当したのは、「塔博士」と呼ばれた構造家・内藤多仲です。内藤多仲は大阪通天閣や札幌・名古屋のテレビ塔など、数多くの塔を手がけた日本を代表する塔設計の第一人者。東京タワー創業者である前田久吉が「パリのエッフェル塔を凌ぐ高さの塔を、現在の日本の技術をもって成し遂げる」という思いを基に、内藤多仲がこの偉大なプロジェクトの設計を指揮しました。
驚異的なスピード——わずか1年半で完成した巨大プロジェクト
東京タワーの建設は1957年6月に着工され、1958年12月23日に竣工するまで、約1年3か月（543日間）という驚異的な工期で完成しました。この短期間での完成は、当時の日本の建設技術の高さを象徴するものとなりました。
建設に投じられたリソースは膨大です。総工費は当時の金額で約30億円、そして延べ約22万人以上の作業員が携わったという、日本有数の大プロジェクトでした。建設には4,000トン（鉄塔本体3,600トン、アンテナ支持塔80トン）の鋼材が使用されましたが、当時の日本の鉄鋼生産能力は限定的であり、良質な鋼材の確保が困難だった時代での建設であることを考えると、この達成はさらに驚異的なものです。
単なる観光塔ではなく、日本の電波インフラを一本化する実用施設
東京タワーは観光目的の建造物ではなく、テレビ・ラジオの電波送受信用の実用的なインフラとして建設されました。正式名称は「日本電波塔」であり、関東一円に電波を行き渡らせることが建設の主要な目的だったのです。これはパリのエッフェル塔が1889年のパリ万博のシンボルとして建設された背景とは大きく異なります。
東京タワーは、戦後復興の進む日本の急速な経済成長を支えるメディアインフラとして、テレビ放送の普及とその信号を全国に届けるという重要な役割を果たしました。人々の生活の質の向上と情報社会への転換を、物理的に支える存在だったのです。
竹中工務店による精密な施工——96人の技術者の名前が刻まれた銘板
東京タワーの施工を担当したのは、竹中工務店です。1957年6月の着工から約1年3か月後、延べ21万9,335人の人員を動員しての完成となりました。完工式が行われた際、鉄塔本体の最上部には、建設に携わった96人の技術者たちの名前が刻まれた金属製の銘板が据えられました。これは、この偉大なプロジェクトに関わった技術者たちの誇りと、その成果を末永く記念するためのものでした。
1958年12月23日から現在へ——東京の象徴として今も愛される
1958年12月7日には公開開始（プレオープン）され、12月24日からは一般公開が開始されました。完工式が行われた12月23日から66年以上が経った現在も、東京タワーは東京を代表する観光名所として、そして電波送受信の重要なインフラとして機能し続けています。
また、2018年度にはグッドデザイン賞を受賞するなど、建築的・デザイン的価値も改めて認識されています。昭和33年の日本の技術力と意志が結晶した東京タワーは、単なる過去の遺産ではなく、現在も多くの人々に愛され、その存在が日本の未来への希望を象徴し続けているのです。
本日12月23日——東京タワー完工の日の意義
本日12月23日が「東京タワー完工の日」として記念日制定されたのは、1958年のこの日の完成・完工式に基づいています。日本記念日協会が編んだデータブックにも「東京タワー完工の日」として掲載されており、現在も多くの「きょうは何の日」カレンダーやニュースサイトで紹介されています。
この記念日は、単に歴史的な出来事を祝うだけではなく、戦後復興から高度経済成長へと発展する日本の歩みを象徴する日として、現代を生きる私たちにとっても重要な意味を持っています。東京タワーの完成を通じて、日本の技術力、建設力、そして国民一丸となって困難を乗り越える力を改めて認識する機会となるでしょう。
12月23日は、クリスマスを控えた冬の季節に、東京の夜空を明るく照らす東京タワーの光とともに、日本の過去と現在、そして未来が交差する特別な日なのです。
