天皇皇后両陛下、京都府立植物園を御訪問 多様な植物と「STSフォーラム」への思い
はじめに
2025年10月4日、天皇皇后両陛下は2泊3日のご予定で京都を訪問されました。この訪問は、国際的な科学技術の会議である「STSフォーラム」開会式へのご出席と、京都府立植物園の視察が主な目的です。両陛下の京都ご訪問は、即位以来6年ぶりとなり、多くの市民や関係者の歓迎を受けました。
京都府立植物園での御様子
- 到着と歓迎
4日午後0時20分ごろ、JR京都駅に到着された両陛下は、京都府知事などにお迎えされ、その足で京都府立植物園へと向かわれました。両陛下は集まった人々に笑顔で手を振り、温かく交流されました。 - どんぐりの森
両陛下がまずご覧になったのは、園の開園100周年を記念して新設された「どんぐりの森」です。20種を超える国内外のブナ科の木が並び、どんぐりが実る様子や、多様な生態系の仕組みに深いご関心を示されました。天皇陛下は、「楽しくドングリに触れながら生態系を学ぶことができる仕組みに感心しました」とお言葉を寄せられました。植物の多様性や、自然界の不思議に触れることができたことから、「面白いですね」と率直な感想も述べられました。
- 観覧温室と珍しい植物への興味
その後、460メートルに及ぶ順路をめぐる「観覧温室」をご視察。ここにはランやアナナス、高山植物、昼夜逆転室など多彩な展示があり、両陛下は園長の説明に熱心に耳を傾けられていました。特にラン科の花や、クヌギ、コナラなどの多様な植物の生態にご興味を持たれ、皇后陛下は「それまでは知られていなかった?」とご質問になるなど、自然への探究心も垣間見えました。
- 一日目のご感想
一日を終えて、両陛下は「植物の多様性や面白さを肌で感じることができました」との感想を公表されました。今回の視察を通じて、自然や生態系保護の重要性をあらためて感じておられる様子でした。
国際会議「STSフォーラム」開会式へのご出席
両陛下は翌5日には、世界各国からノーベル賞受賞者や科学技術分野の専門家が集う国際会議「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」の開会式にご出席されました。
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天皇陛下の英語によるごあいさつ
開会式では、天皇陛下が英語でスピーチを行い、AI(人工知能)の発展や科学技術が人類にもたらす未来への期待と責任についてお話になりました。科学技術がもたらす新たな機会と、同時に生じうる課題に言及し、「未来のために知恵と協力が必要です」と強調されました。 -
AI時代へのご関心
陛下はAIの急速な進化が人類の暮らしを一層豊かにする可能性がある一方で、倫理や安全性についても言及されるなど、そのバランスや社会全体への影響に深いご理解を示されました。
STSフォーラムは、国境を越えた課題解決に向けて意見交換や最新の科学技術に関する知見を共有する貴重な場として、今回も多くの関心を集めました。陛下のごあいさつは、参加者に大きな感動と勇気を与えました。
那須の会社敷地内での火災発生
この日、もうひとつ注目されたニュースが栃木県那須町の会社敷地内で発生した火災です。ただし、この事故の概要や被害の詳細については本記事の執筆時点(2025年10月5日)で報道内容が限られています。今後、消防・警察当局による現場調査や、会社側の発表をもとに、新たな情報が公開されるものと予想されます。関係者の皆さまのご無事と早期の復旧をお祈りいたします。
まとめ・両陛下の思いと社会へのひろがり
今回の京都ご訪問では、天皇皇后両陛下が自然と人間社会、科学技術と人類の未来への深いご興味を示されていることが強く伝わってきました。とりわけ、「自然の多様性や面白さを感じ、そこから学ぶことの大切さ」や、「科学技術の進展が世界に与えるインパクトと責任」へとつながるご発言は、私たち一般市民にとっても大きな指針となります。
AIや新しいテクノロジーが急激に進化する現代において、科学への理解と同時に、倫理や共生の視点を忘れないという陛下のお考えは、日本だけでなく世界中に強い共感を呼ぶことでしょう。
そして、天皇皇后両陛下の穏やかで誠実なお姿は、社会全体にやすらぎと希望をもたらした訪問となりました。引き続き、両陛下が環境保護や科学技術、そして人々の幸せのためにご関心・ご活動をつづけていかれることに、多くの期待が寄せられます。