「パンダ」をめぐる今――感謝とノスタルジー、そして動物園のこれから

上野といえば、真っ先にパンダを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
いま、そのパンダをめぐって、「ありがとう」の気持ちを込めたイベントから、かつてのパンダサーカスへの懐かしさ、さらには「パンダはもういらないのでは?」という問いまで、さまざまなニュースが話題になっています。
本記事では、上野で開催される「PANDA CARNIVAL」の内容を中心に、過去のパンダ人気の姿や、現代の動物園が直面している課題もあわせて、やさしくひもといていきます。

上野の玄関口から「ありがとう」を届ける「PANDA CARNIVAL」

まずご紹介したいのは、JR上野駅直結の商業施設「アトレ上野」で行われるイベント「PANDA CARNIVAL(パンダカーニバル)」です。
この企画は、東京都恩賜上野動物園で愛されてきた双子のジャイアントパンダ・シャオシャオ&レイレイへの感謝と、未来への願いを込めた特別イベントとして開催されます。

開催期間は、2026年1月2日(金)から2月28日(土)までで、会場はアトレ上野の全館。上野駅の中央改札口を出てすぐという、まさに「上野の玄関口」から、パンダへの「ありがとう」を発信する企画です。

双子パンダ「シャオシャオ&レイレイ」とは?

シャオシャオとレイレイは、上野動物園で生まれた双子のジャイアントパンダとして、多くの人に親しまれてきました。
双子として一緒にじゃれ合う姿や、少しずつ大きくなっていく様子は、テレビやニュース、SNSなどを通じて日本中に届けられ、その成長を見守ってきたファンも少なくありません。
今回のイベントは、そうした約4年間の成長を振り返りながら、「これまでありがとう」という気持ちをかみしめる場にもなっています。

写真展で振り返る成長の歩み

「PANDA CARNIVAL」の目玉のひとつが、シャオシャオ&レイレイの写真展です。
この写真展は、アトレ上野EAST 2階回廊スペースで、開催期間中を通して実施されます。

展示されるのは、上野動物園の公式写真を中心にした貴重なショット。
生まれたばかりの小さな姿から、木登りを楽しむようになった頃、竹をむしゃむしゃ食べるようになった時期まで、成長の節目節目が写真でたどれる内容です。
さらに、園長や飼育係への特別インタビューもパネルとして掲示され、飼育の舞台裏や、個体ごとの性格、健康管理に込められた思いなども知ることができます。

会場には、来場者がメッセージを書き込めるメッセージボードも用意される予定で、「ありがとう」「元気でいてね」といった言葉で、ファンが思いを届けることができるようになっています。

オリジナルプリントシール機で思い出作り

写真展と同じフロアには、オリジナルプリントシール機も登場します。
稼働期間は2026年1月13日(火)から2月28日(土)で、EAST 2階の回廊に設置されます。

このシール機では、シャオシャオ&レイレイをモチーフにした特別フレームが用意されており、家族や友人と一緒に撮影することで「パンダとの思い出」をその場で手に残すことができます。
パンダ好きの子どもだけでなく、大人にとっても、上野での一日を記念に残すうれしい仕掛けといえるでしょう。

パンダモチーフのグッズとグルメが勢ぞろい

期間中は、アトレ上野館内のショップで、ここでしか買えないパンダグッズや、パンダをモチーフにしたグルメも多数登場します。
販売期間は、イベント期間と同じく2026年1月2日(金)から2月28日(土)を予定しています。

具体的な商品ラインナップは店舗ごとに異なりますが、

  • シャオシャオ&レイレイをデザインした限定雑貨
  • パンダの顔をかたどったスイーツやパン
  • パンダカラー(白と黒)をイメージしたドリンク

など、見ても食べても楽しいアイテムが揃う予定です。
パンダをきっかけに、上野の街を回遊しながらお気に入りの一品を探す楽しみも広がります。

人気イラストレーター・長場雄氏とのコラボ

今回の「PANDA CARNIVAL」の特徴として、アーティストとのコラボレーションがあることも見逃せません。
イベントのメインビジュアルを手掛けるのは、シンプルなラインで描かれる作品で国内外から注目を集めるイラストレーター長場雄(ながば・ゆう)氏です。

長場氏ならではのやさしい線と余白を生かしたタッチで描かれたシャオシャオ&レイレイが、館内各所の装飾や、限定クッションなどのノベルティにも使用されます。
「かわいい」だけではなく、どこか温かみのあるビジュアルは、パンダへの感謝とエールをより印象的に伝えてくれます。

LINEやInstagramを活用した参加型キャンペーン

「PANDA CARNIVAL」では、リアルな会場だけでなく、デジタルツールを活用した企画も用意されています。

  • 限定ノベルティプレゼント:アトレ公式LINE友だち登録やID連携、「上野」をよく行く店舗として登録し、期間中にアトレ上野で合計3,000円(税込)以上の買物をした方を対象に、抽選で限定クッションなどが当たる企画が行われます。
  • Instagramキャンペーン:指定期間中に、ハッシュタグを付けて投稿すると抽選でプレゼントが当たるキャンペーンも予定されています。
  • LINE友だち限定オリジナル壁紙:アトレ公式LINEのトーク画面でキーワード「パンダカーニバル」を入力すると、期間ごとに異なるデザインのオリジナル壁紙がもらえます。

こうした仕組みは、会場に足を運んだ人だけでなく、SNSを通じてパンダへの思いを共有したい人にも楽しみを提供してくれます。

「パンダサーカス」を懐かしむ声――変わる楽しみ方

一方で、ニュースの中には「パンダのサーカス懐かしい」といった声も取り上げられています。
かつては、動物が芸を披露するサーカスが身近な娯楽であり、パンダやクマ、ライオンなどがショーに登場することもありました。

しかし近年は、動物福祉の観点から、野生動物に芸をさせるショーに対する見方が大きく変わってきています。
動物に過度な負担をかけず、本来の行動を尊重するべきだという考え方が世界的に広まり、サーカスのあり方も大きく転換してきました。

かつてのパンダサーカスを懐かしむ声がある一方で、現在は、自然な姿を静かに見守るスタイルへと楽しみ方がシフトしつつあります。
上野動物園のパンダブームも、ガラス越しにゆったりと座ったり、竹を食べたりする姿をじっくり観察することに価値を見出してきた点が特徴です。

「パンダはいらない?」と問われる上野動物園の今

さらに、いま一部で議論を呼んでいるのが、「パンダ返還が進む上野動物園で、ライオンやシマウマもいない。パンダはもういらないのでは?」という問いかけです。
ニュースによると、上野動物園では現在、人気の高い大型動物が以前ほど見られない状況にあり、「動物園の魅力」をどう維持・再構築するかが課題になっていると伝えられています。

パンダは長年、上野動物園のシンボル的存在として、入園者数の増加や地域経済の活性化に大きな役割を果たしてきました。
しかし、パンダの多くは中国からの貸与という形で来日しており、一定の期間が来れば本国へ返還する取り決めがあります。こうした動きの中で、「パンダのいない上野動物園」をどう考えるかという問題が浮かび上がっているのです。

動物園の役割は「見せ物」から「学びと保全」へ

この議論の背景には、動物園の役割の変化があります。
かつての動物園は、「珍しい動物を見せる」ことが主な目的でした。しかし現在は、次のような役割が重視されるようになっています。

  • 絶滅危惧種の保全:飼育・繁殖を通じて、野生では減少している動物を守る。
  • 環境教育:来園者に生物多様性や環境問題について伝える場として機能する。
  • 研究:動物の生態や行動、繁殖に関するデータを蓄積し、学術的な知見を広げる。

パンダは、まさに絶滅危惧種であり、世界各地の動物園が保全・研究に取り組んできた象徴的な存在でもあります。
同時に、人気の高さゆえに多くの人が動物園や環境問題に関心を持つ「きっかけ」となってきました。

「パンダはいらないのか」という問いは、単に「かわいい動物がいるかどうか」ではなく、これからの動物園がどんな目的を持つ施設であるべきかを考えるきっかけにもなります。

大型動物が減ることの寂しさと、その先にあるもの

ライオンやシマウマといった「ザ・動物園」ともいえる存在が見られなくなることに、寂しさを覚える人は少なくありません。
子どものころに見た迫力ある姿を、自分の子どもにも見せてあげたい――そんな思いから、「昔の動物園の方が良かった」と感じる声もあるでしょう。

一方で、動物福祉や施設の老朽化、限られたスペースと予算の中で、どの動物をどのような環境で飼育するかは、非常に難しい判断が求められます。
その結果として、特定の大型動物の飼育をやめる決断がなされることもあります。

パンダが象徴するのは、単なる人気動物としての側面だけではありません。
・どこまで人間の楽しみのために動物を展示してよいのか
・動物にとってよりよい環境とはなにか
・動物園は、地域社会にとってどんな存在であってほしいのか
といった問いを、私たちに静かに投げかけている存在でもあります。

「ありがとう」をきっかけに、パンダと動物園の未来を考える

今回の「PANDA CARNIVAL」は、シャオシャオ&レイレイへの感謝未来への願いをテーマにしたイベントです。
写真展やグッズ、グルメ、デジタルキャンペーンを通じて、多くの人がパンダに親しみ、上野の街に足を運ぶきっかけをつくってくれます。

同時に、ニュースで取り上げられる「パンダサーカスの懐かしさ」や「パンダはいらないのか」という議論は、動物との関わり方が時代とともに変わってきたことを教えてくれます。
かつてのように芸を見せてもらうだけでなく、自然な姿を尊重しながら、どう共に生きていくのかを考える時代になりつつあります。

上野駅から一歩外に出れば、アトレ上野の館内に広がるパンダの世界と、その先にある上野動物園、そして不忍池や博物館、美術館といった文化施設がつながっています。
「PANDA CARNIVAL」を訪れた際には、シャオシャオ&レイレイへの「ありがとう」の気持ちとともに、これからの動物園やパンダとの付き合い方について、少しだけ思いを巡らせてみるのも良いかもしれません。

参考元