「え、そんな改札あったっけ?」知られざる山手線の“ウラ口改札”たち――知名度なさすぎ“出たら秘境”も
東京を代表する都市鉄道である山手線。日々膨大な人々が行き交う、日本の中心ともいえる路線ですが、その各駅には多くの人が知らない「ウラ口改札」が数多く存在しています。今回は、その知られざる出入口の数々、そして出た先の「秘境」ともいえるエリアに焦点をあてて、優しく、丁寧にご紹介します。
多くの人が知らない「裏口改札」とは?
山手線の駅といえば、一日の乗降客数が数十万人を超える巨大ハブの印象が強いですよね。しかし、表口や主要改札と比べて「え、こんな場所にも改札が?」「知らなかった…」と驚くようなウラ口改札が複数存在します。その多くは利用客が少なく、地域住民や熟練の通勤者しか使わない“隠れた存在”なのです。
- 知名度がとても低い
- 案内表示も最小限、またはなし
- 出入口の周辺が“秘境”のように静か
山手線「ウラ口改札」の代表例
いくつかの特徴的なウラ口改札について、具体的にご紹介します。
田端駅「南口」――山手線の“ラスボス級”ウラ口
田端駅の南口は、山手線で最も知名度の低いウラ口のひとつとして知られています。まず駅のホームから南口へは、南側の跨線橋(こせんきょう)を上がり「南改札口」を経由します。しかし、途中の通路や階段には「バス・タクシーの乗り場は北口利用を」といった案内が何度も掲示されており、アナウンスでも北口利用を勧められます。まるで利用を「拒まれて」いるような雰囲気さえ感じられるのです。
南改札には自動改札機が2基並ぶだけ、改札員も常駐せず、駅舎から出てみてもそこに広がる光景は「ほんとうに山手線の駅なの?」と疑いたくなるくらい静か。駅舎を出ると正面に坂道、その左右には住宅街と、案内看板すら出ていません。不動坂と呼ばれる急で細い階段を上がれば住宅地へ、ゆるやかな坂道を進めば台地の上の住宅街に出ます。道行く人もまばらで、まさに“秘境”の趣があります。
- 案内表示や看板がほとんど無い
- 初めて来た人は「どこに出るのか」戸惑いがち
- 住宅地と直結し、地域住民以外は利用しにくい
- 駅舎自体が木造風で、昭和の面影も感じられる
上野駅「入谷改札」――ひっそりとした裏口の実力
続いては上野駅の入谷改札・入谷口。広大な上野駅構内の3階レベルにある高架コンコースから「公園改札」とは反対方向に迂回し、「入谷改札」を経て出られるのが「入谷口」です。こちらも知名度は非常に低く、「そんな改札あったの?」と驚く人が多いのが特徴です。
入谷改札を抜けて左に曲がると、静かな市街地が広がり、上野の賑わいとは対照的。「公園出口」の華やかな雰囲気とは全く異なる世界が待っています。
- 繁華街や上野公園とは逆方向
- 利用客が極端に少なく、静か
- 地元の人以外は使う理由がない立地
池袋駅「メトロポリタン口」――都会の“隠された扉”
池袋駅のメトロポリタン口は、2階デッキ部分に直接つながる改札です。駅の複数の改札の中でも、知名度はそこまで高くありません。地上の混雑を避けて複合ビル「メトロポリタンプラザビル」を直結で利用できるため、実はとても便利なのに「あまり知られていない裏ワザ」的存在です。
- 2階デッキに直結、地下の人混みを回避
- ビル直結で、雨の日や買い物帰りにも重宝
- 案内掲示が控えめで、駅常連でも見落としがち
ウラ口改札の用途と魅力
これらのウラ口改札は、利便性やアクセス性こそ派手ではありませんが、日常使いには実用的で、何より人混みを避けてスムーズに駅へアクセスしたい人には最適です。駅の主たる出入口に比べると利用者数が極端に少ないため、「東京の中心で、静けさに包まれたい」「地元目線で駅を使いたい」そんな願いを叶えてくれる存在です。
- 駅の混雑回避に最適
- 住宅街やマイナーエリアと直結
- 地元の人にとって欠かせない生活導線
- 時には“昭和の面影”を感じさせるノスタルジックな雰囲気
知らない人ばかりの“ウラ口”を使う際のポイント
もしウラ口改札を使ってみたくなったら、いくつか気を付けたいポイントもあります。
- 案内板や掲示が極めて少ないので、事前に場所を確認
- 住宅地側に出てしまうと周辺にコンビニや店舗が無い場合も
- 夜間や早朝は人通りが少ないので安全面で配慮を
- 駅から出たあと自転車・バスの発着点が遠いことがある
地域とウラ口改札――「知る人ぞ知る」存在の大切さ
これらのウラ口改札は、決して“不便な場所”ではありません。むしろ、駅の規模が大きくなればなるほど、地域住民の暮らしにとっては便利な“裏導線”として重宝されています。一方で、観光客やビジネス街への訪問者には気付きにくい存在でもあり、そこをあえて使いこなすことで「東京通」になれるかも知れません。
- 住宅地と駅をつなぐ“生活動線”の役割
- 混雑回避、時短移動の“裏ワザ”としても有効
- 数十年変わらぬ“昭和感”を味わえる
観光や通勤で新しい発見も?
山手線のウラ口改札を巡ってみると、普段は見過ごしてしまいそうな地域の素顔や、“駅の裏側”の歴史に出会えることがあります。表玄関ばかりでなく、ぜひ裏口も使いこなして新しい東京の旅や日常を楽しんでみてはいかがでしょうか。
これからも日本の大都市を支える山手線とその特徴的な改札口たちは、多くの人々の日常を静かに支え続けます。
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