回転寿司チェーン「スシロー」で広がる“寿司の県民性”ブームとは？
回転寿司チェーンのスシローをはじめ、多くの寿司店でいま注目されているのが、「地域によってこんなに違うの？」と話題の“寿司の県民性”です。各地で人気のネタを比較すると、北海道では「サーモン」、東京では「アボカドサーモン」が1位になるなど、同じ日本でも好みがくっきり分かれていることが分かりました。
また、和歌山県では、漁協直営の海鮮バイキングなど、寿司や海鮮を思い切り楽しめるお店が多数登場し、“好きなネタを好きなだけ”味わえるスタイルが人気を集めています。和歌山の海鮮ビュッフェは、全国チェーンの回転寿司とはまた違った魅力で、地域の味を支えています。
北海道はやっぱり「サーモン」！ 寿司の人気ナンバーワンネタ
まず注目されているのが、地域ごとの人気寿司ネタランキングです。とくに話題になったのが、北海道で「サーモン」がダントツ人気のネタとして1位になったこと。「海の幸の宝庫」といわれる北海道らしい結果で、多くの人から「やっぱりね」「納得の1位」といった声があがりました。
北海道では、脂がのったトロサーモンや炙りサーモン、オニオンサーモンなど、サーモン系のバリエーションも豊富です。回転寿司チェーンでも、サーモンは不動の定番として、多くの店舗で売り上げ上位を占めています。とくに子どもや若い世代を中心に、「とりあえずサーモンから」という人も多く、まさに世代を超えた“国民的ネタ”になりつつあります。
こうした傾向は、スシローのような大手チェーン店のメニュー構成やキャンペーンにも影響を与えています。季節ごとのフェアでサーモンを前面に押し出したり、トッピングやソースを変えた新作サーモン寿司を展開したりと、サーモン人気を反映した商品開発が続いています。
東京は「アボカドサーモン」が1位に 進化系ネタが支持される理由
一方、首都圏の中でも東京で1位になったのは、意外にも「アボカドサーモン」。サーモンにアボカドを合わせた、いわば“洋風寿司”や“カフェ系寿司”ともいえるネタがトップに立ったことが注目されました。
アボカドサーモンは、濃厚なサーモンのうま味と、クリーミーなアボカドが相性抜群で、マヨネーズやオニオン、ソースなどを組み合わせたアレンジも豊富です。東京は、海外の食文化や新しい食トレンドが入りやすい土地柄でもあり、伝統的な握り寿司だけでなく、ロール寿司や創作寿司など、“進化系寿司”への抵抗感が少ないといわれます。
回転寿司チェーンでも、アボカドを使った創作メニューは若い世代に人気で、「写真映えする」「ヘルシーなイメージがある」といった声が支持につながっています。スシローなどでも、女性やファミリー層を意識した創作ネタとして、アボカド系寿司は定番化しつつあります。
山国には山国の寿司文化 “独自すぎる”人気ネタも
興味深いのは、海に面していない“山国”の県で見られる、個性的な人気ネタです。ニュースでは、「山国の独自すぎる人気ネタ」として、一般的なマグロやサーモンではなく、ローカルなメニューが上位に食い込んでいる地域も紹介されています。
例えば、地元で親しまれてきた川魚を使った寿司や、地域の名物料理を巻き寿司にアレンジしたものなど、その土地ならではの工夫が光るネタが人気を集めています。海が遠い地域では、昔から保存性の高いネタや、身近で手に入りやすい食材を使った寿司文化が発達してきました。その流れが現代の「ご当地寿司ネタ」として、回転寿司やスーパーの寿司コーナーにも息づいています。
こうした“山国発”の寿司は、観光客にとっても新鮮な驚きになります。「海がない県なのに、こんなにおいしい寿司があるんだ」と、地域のイメージを良い意味で裏切る存在として注目されることも増えています。
「寿司の県民性」が教えてくれるもの
各地の人気ネタランキングから見えてくるのは、単なる好みの違いだけではありません。そこには、その地域の歴史や食文化、産業構造が色濃く反映されています。
- 北海道のように水産資源が豊富な地域では、サーモンやイクラ、ホタテなど地元の海産物が人気に。
- 東京など都市部では、海外の食文化と融合した創作寿司やロール寿司が受け入れられやすい傾向に。
- 山国では、川魚や保存食文化、肉料理を取り入れた“ご当地ならではの寿司”が登場。
こうした違いは、スシローのような全国チェーンにとっても貴重なヒントになります。店舗ごとに地域の嗜好を反映したメニューを用意することで、「地元の人にとって本当にうれしいラインナップ」を追求することができます。
また、私たち消費者にとっても、旅行や出張で他県の回転寿司店を訪れた際、「この県ではどんなネタが人気なんだろう？」とメニューを眺める楽しみが増えます。まさに、寿司を通じて日本各地の個性に触れられるきっかけになっているのです。
和歌山で話題の「ビュッフェ・バイキング」名店 寿司と海鮮を好きなだけ
こうした寿司人気と並んで、いま注目されているのが和歌山県の「ビュッフェ・バイキング」名店です。和歌山は、黒潮が流れる豊かな漁場を持ち、マグロや鯛など新鮮な魚介が豊富な地域。その魅力を存分に味わえるのが、海鮮を中心としたバイキングスタイルのお店です。
中でも、ニュースで紹介されたのが、漁協直営の海鮮バイキングなど、地元ならではの新鮮な魚介を楽しめるスポットの数々です。バイキング形式なので、寿司や刺身、海鮮丼、焼き魚、揚げ物など、好みの料理を好きなだけ味わえます。
漁協直営「とれとれ亭」 白浜の海鮮バイキング
和歌山県白浜町にある「とれとれ亭」は、漁協が運営する「とれとれ市場」直営のバイキングレストランです。南紀白浜で水揚げされた新鮮な海の幸や、地元の野菜を使った料理がずらりと並びます。
- 朝食・ランチ・ディナーの各時間帯でバイキングを実施。
- 市場直送の鮮魚を使った海鮮料理や寿司が豊富。
- 併設の白浜温泉「カタタの湯」とあわせて楽しめるのも魅力。
とれとれ亭では、寿司や刺身はもちろん、煮物や揚げ物、洋風メニュー、デザートまで幅広い料理が提供されています。観光客からは、「海鮮もお腹いっぱい食べられてコスパが良い」と高い評価を得ています。
黒潮市場の「バイキングレストラン ゴンドワナ」
和歌山市の黒潮市場2階にある「バイキングレストラン ゴンドワナ」も、海鮮好きにはたまらないスポットです。
- 市場直送の生マグロ食べ放題が名物。
- にぎり寿司や焼き魚、天ぷら、ご当地グルメ、デザートまで約50種類もの料理が並ぶ。
- 土日祝にはディナーバイキングも開催され、家族連れや観光客で賑わう。
生マグロは一度も冷凍されていないため、もちもちとした独特の食感が楽しめます。自分でご飯にのせてオリジナルの鉄火丼を作ることもでき、マグロ好きにはたまらない内容です。寿司を「一皿ずつ注文」する回転寿司とはまた違う、「マグロを心ゆくまで味わう」スタイルが人気の理由になっています。
そのほかの和歌山・海鮮バイキングの名店
ニュースでは、和歌山県内のバイキング・ビュッフェの名店として、次のようなお店も紹介されています。
- 海鮮食堂つなや有田川店（食べ放題コースで寿司や海鮮を満喫できる）
- 旬菜バイキングや、海が見えるレストランなど、地元食材を活かしたビュッフェを提供する店舗
いずれも、和歌山ならではの新鮮な魚介を気軽に楽しめるお店として、地元の人にも観光客にも支持されています。
回転寿司チェーンと海鮮バイキング それぞれの魅力
スシローのような回転寿司チェーンと、和歌山の海鮮バイキングには、それぞれ違った魅力があります。
| スタイル | 回転寿司チェーン（例：スシロー） | 海鮮バイキング（和歌山など） |
|---|---|---|
| 注文方法 | 1皿ずつ好きなネタを注文 | 時間内なら料理を取り放題 |
| 価格 | 皿ごとの積み上げ方式で調整しやすい | 基本は定額で食べ放題 |
| メニューの幅 | 寿司中心＋サイドメニュー | 寿司・刺身・海鮮料理・デザートまで多彩 |
| 地域性 | 全国展開だが県民性を取り入れた限定ネタも | 地元漁港直送など、地域食材色がより濃い |
どちらも「寿司・海鮮を気軽に楽しめる」という点では共通していますが、食べ方の楽しさや地域色の出し方に違いがあります。回転寿司では、最新の人気ネタや創作ネタ、キャンペーン商品を試すワクワク感が魅力です。一方、海鮮バイキングでは、「今日はお腹いっぱいまでマグロを食べたい」「いろいろな料理を少しずつ試したい」といった願いを叶えてくれます。
“寿司の県民性”ブームがもたらす、これからの楽しみ方
今回話題になっている「サーモンは北海道1位」「アボカドサーモンは東京1位」といったニュースは、私たちに新しい寿司の楽しみ方を提案してくれています。
- 旅行先で、回転寿司チェーンや地元の寿司店に入り、「この県ならではの人気ネタ」を探してみる。
- 和歌山のような海沿いの地域では、海鮮バイキングで地元の魚を思い切り味わってみる。
- 自宅でも、好きなネタのランキングを家族や友人と比べてみて、“わが家の県民性”を話題にしてみる。
スシローをはじめとする回転寿司チェーンが全国に広がったことで、どの地域でも手軽に寿司を楽しめる時代になりました。その一方で、今回のような調査を通じて、地域ごとの違いに改めて目を向ける動きも出てきています。
和歌山の漁協直営バイキングや市場直送のレストランのように、「その土地に行かなければ味わえない寿司・海鮮の体験」も、今後ますます注目されていくでしょう。寿司の県民性を知ることは、日本各地の食文化の豊かさを知ることにもつながっています。
次に寿司を食べるときは、ただ「おいしい」だけでなく、「このネタはどんな地域で人気なんだろう」「自分の住む県の1位は何だろう」と、少しだけ想像してみると、いつもの一皿がもっと楽しく感じられるかもしれません。
