「スマホ食中毒」が話題に!ノロウイルス流行期に見直したい暮らしの中の予防対策
今、ノロウイルスの流行シーズンが本格的に始まっています。寒さとともに、感染性胃腸炎やノロウイルスによる食中毒の報告が全国的に増加しています。特に注目されているのが、「スマホ食中毒」という新しい感染リスク。スマートフォンの画面がウイルスの温床になっている可能性が指摘され、家庭や職場での予防対策が改めて求められています。
ノロウイルス、なぜ今が流行期?
厚生労働省によると、ノロウイルスによる食中毒の約6割が11月から2月にかけて発生しています。気温が下がり、空気が乾燥するこの時期は、ノロウイルスが活発に活動しやすくなるためです。ウイルスは寒さや乾燥に強く、年中存在していますが、特に冬場は感染が広がりやすい環境が整います。
最近では、愛知県で大根おろしを原因とする大規模な食中毒が発生。9月下旬、加工施設で製造された大根おろしを食べた259人が体調を崩し、ノロウイルスが検出されました。幸い重症者はいませんでしたが、こうした事例が相次いでいることから、家庭や施設での予防対策が急務となっています。
「スマホ食中毒」って何?
「スマホ食中毒」という言葉、聞いたことがありますか?これは、スマートフォンの画面にノロウイルスが付着し、それを手で触った後に食事をすることで感染するリスクを指しています。トイレや調理場、食卓など、私たちが日常的にスマホを触る場所は、意外とウイルスの感染経路になりやすいのです。
特に「トイレでスマホを使う」習慣は、感染リスクを高める大きな要因です。トイレの便座やドアノブなどに付着したウイルスが、手や指先に移り、そのままスマホの画面に付着。そのスマホを食事中に触ると、ウイルスが口の中に入ってしまう可能性があります。便座よりもスマホの画面の方が細菌やウイルスが多いという調査結果もあり、注意が必要です。
ノロウイルスの感染経路と症状
ノロウイルスの感染経路は「人から人へ」。手や指先についたウイルスが、調理のときに食材に移ったり、ドアノブやタオルなどに付着したりして、生活の中で広がっていきます。また、感染者の嘔吐物や排泄物からもウイルスが空気中に飛散し、二次感染を引き起こすこともあります。
ノロウイルスの怖いところは、「腐敗」ではないため、食品の味や見た目に変化がなく、気が付くのが難しい点です。発症すると、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れます。小さな子どもや高齢者は、脱水を引き起こすなど、重症化するケースもあります。
残念ながら、ノロウイルスの特効薬はなく、症状を抑える薬はあっても、ウイルスそのものを退治する治療法はありません。そのため、予防が何より大切です。
家庭でできる予防対策
- 手洗いの徹底:せっけんと流水で、爪の間までしっかり、最低30秒は洗いましょう。厚生労働省は「1回ではなく、2回洗う」ことを推奨しています。一度目で汚れを浮かせ、二度目で流しきるイメージです。
- スマホの除菌:食事前やトイレ使用後は、スマホの画面も除菌シートやアルコール(ただしノロウイルスには効果が限定的)で拭きましょう。トイレにスマホを持ち込まない習慣も大切です。
- 調理器具やドアノブの消毒:キッチンやトイレのドアノブ、タオルなど、手がよく触れる場所は定期的に消毒しましょう。
- 食材の加熱:ノロウイルスは加熱で死滅します。特に貝類や生野菜などは、しっかり加熱してから食べるようにしましょう。
- 食事中はスマホを触らない:食事中にスマホを触らない習慣をつけることで、感染リスクを大幅に下げられます。
子どもをきっかけに感染が広がることも
ウイルス性胃腸炎は、子どもをきっかけに家庭内で広がることも少なくありません。保育園や学校で感染した子どもが、家庭にウイルスを持ち帰ることで、家族全員が次々と発症するケースも報告されています。特に小さな子どもは、手洗いや除菌の習慣がまだ身についていないため、家族全員で予防意識を高めることが重要です。
まとめ
ノロウイルスの流行期には、「スマホ食中毒」をはじめとした新しい感染リスクに注意が必要です。日常生活の中で、手洗いやスマホの除菌、調理器具やドアノブの消毒、食材の加熱など、小さな習慣の積み重ねが大きな予防につながります。特にトイレや食事中は、スマホの使用を控えることが大切です。
ノロウイルスの特効薬はないため、予防が何より大切。家族みんなで予防意識を高め、安全で健康的な冬を過ごしましょう。



