ニュージーランドで平和シンポジウムが開催 SGIが共催し若者たちが平和について語り合う
2025年8月22日、ニュージーランドのオークランド市にあるニュージーランド文化会館で、「ニュージーランド/アオテアロア平和財団」とニュージーランドSGI(創価学会インタナショナル)が共催するユース平和シンポジウムが開催されました。このイベントには200人以上が参加し、平和への貢献について活発な議論が交わされました。
教育を通じた平和構築を目指す取り組み
今回のシンポジウムを共催した「ニュージーランド/アオテアロア平和財団」は、教育を通じた平和構築を目指している団体です。同財団は、ニュージーランドSGIが推進する「子ども絵画展」にも協力するなど、日頃から平和活動において連携を深めています。
シンポジウムでは、参加者たちがワークショップなどを通じて、自分自身ができる平和への貢献について語り合いました。若者を中心とした参加者たちは、それぞれの立場から平和について考え、意見を交換する貴重な機会となりました。イベントでは、ニュージーランドSGIのマ理事長があいさつを行い、参加者を激励しました。
ニュージーランドにおける平和活動の広がり
ニュージーランドでは、近年、平和に関するシンポジウムやイベントが活発に開催されています。2024年10月4日には、ニュージーランドの首都ウェリントンの国会議事堂内で、ニュージーランドSGI、戸田記念国際平和研究所などが共催する平和シンポジウムが開催されました。
このシンポジウムでは、「激動の時代における平和への挑戦」というテーマのもと、ヘレン・クラーク元首相と戸田記念国際平和研究所のケビン・クレメンツ所長が登壇しました。両氏は紛争の要因について議論し、衝突や分断の社会を変えるには、決して希望を捨てず、人と人とをつなげる対話が重要であると語り合いました。
若者の力を引き出す重要性
クラーク元首相とクレメンツ所長は、特に気候変動が誘発する危機への対処には世代間の協力、とりわけ若者との協力が必要であると強調しました。人類が直面する最も差し迫った課題に対して効果的な解決策を見いだすために、若者の関与は不可欠であるという認識が示されました。
ヘレン・クラーク氏は、ニュージーランドの首相を3期9年務めた後、2009年に女性初の国連開発計画(UNDP)総裁に就任した経験を持つ、国際的にも著名な政治家です。2017年に退任するまで、世界の開発と平和の分野で重要な役割を果たしてきました。
ニュージーランドSGIの活発な活動
ニュージーランドSGIは、平和シンポジウムの開催だけでなく、さまざまな活動を展開しています。2025年9月20日には、オークランド市のニュージーランド文化会館を中心に、同国各地をオンラインで結んで総会が開催されました。
総会のテーマは「2030年へ飛翔! 皆を照らす旭日と輝け!」で、SGI発足50周年という節目の年に、青年が立ち上がり新しい歴史を刻もうという意気込みが示されました。総会では、マオリ語による歓迎のあいさつで開幕し、男子部の代表がマオリの伝統的な踊りである「ハカ」でステージに登場するなど、ニュージーランドの文化を大切にした運営が行われました。
対話を通じた平和の実現
谷川SGI理事長は総会において、ニュージーランドの模範的な前進をたたえ、さらなる飛躍に向けて新しい気持ちで対話拡大に邁進しようと語りました。また、少人数による納得の語らいの重要性を述べ、青年の力を大きく引き出し、希望の未来を開いていこうと励ましました。
総会前日の9月19日には、谷川SGI理事長が市内の壮年部メンバーの自宅などを訪れ、師弟共戦の道を歩む友をたたえました。また同日、訪問団一行はニュージーランド文化会館で行われたリーダー質問会に出席し、「師弟の精神をどう伝えていくか」などの質問について参加者と真剣に語り合いました。
国際的な平和への課題
2024年10月のシンポジウムは、世界が前例のない社会、経済、政治的な課題に直面し、ウクライナや中東からスーダンまで各地で紛争が勃発している中で開催されました。このような状況下で、平和について考え、対話することの重要性は一層高まっています。
クラーク元首相とクレメンツ所長は、ニュージーランドがAUKUS(米英豪3カ国の安全保障条約)に参加する可能性について懸念を示しました。両氏はニュージーランドの独立した外交政策を擁護し、特定の国々を標的とする軍事的同盟に断固として反対する姿勢を示しました。「恐怖政治」の危険性を警告し、それが分極化を招き、建設的で平和的な未来ビジョンの追求を妨げると主張しました。
希望を持ち続けることの大切さ
世界的な逆境に直面する中で、若者たちが希望を維持するにはどうすればよいかという質問に対し、クレメンツ教授は、戸田平和研究所の創設者である故・池田大作氏による力強いメッセージを世界の若者たちに捧げました。困難な時代だからこそ、希望を失わず、一人ひとりが平和のためにできることを実践していく姿勢が求められています。
多様性を尊重した平和活動
ニュージーランドSGIの総会では、婦人部のメンバーが職場や家庭での困難を成長の糧にして信頼を広げた喜びを報告したり、未来部メンバーがエネルギッシュなダンスで盛り上げたりと、世代を超えた多様な参加が見られました。また、同国SGIの吹奏楽団「ビクトリアス・マーチ」が学会歌「青年よ広布の山を登れ」を演奏するなど、文化活動も活発に行われています。
総会では、有志による華やかな「ボリウッドダンス」なども披露され、多文化が共存するニュージーランド社会の特徴を反映した内容となりました。
継続的な平和への取り組み
ニュージーランドにおける平和活動は、一過性のイベントではなく、継続的な取り組みとして展開されています。教育を通じた平和構築、対話による相互理解の促進、若者の育成など、さまざまな角度から平和の実現に向けた活動が行われています。
特に注目されるのは、「子ども絵画展」のような文化活動を通じて、子どもたちに平和の大切さを伝える取り組みです。このような草の根レベルの活動が、将来的に大きな平和の潮流を生み出す原動力となることが期待されています。
今回のユース平和シンポジウムは、若者たちが自ら平和について考え、行動する機会を提供するものであり、ニュージーランドにおける平和活動のさらなる発展を予感させる重要なイベントとなりました。200人以上の参加者が集まったことは、平和への関心の高さを示すものであり、今後もこのような活動が継続されることで、より多くの人々が平和について考え、行動するきっかけとなることが期待されます。