仙台が音楽で彩られる2日間——第34回「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」開幕

仙台市民の秋の風物詩、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が2025年9月13日(土)、晴れやかに開幕しました。本フェスティバルは今年で34回目を迎え、仙台の街が“音楽の都”となる2日間の祭典です。プロやアマチュアを問わず、国内外から集結した約700組のバンドが、杜の都・仙台を包み込みました。

定禅寺ストリートジャズフェスティバルとは?

「ジャズフェス」と親しまれるこのイベントは、1991年に始まり、仙台の秋を象徴する祭りとして長年愛されてきました。ジャズだけにとどまらず、ロック、ポップス、民族音楽、ゴスペル、クラシックなど多彩なジャンルがストリートを彩ります。昨年(2024年)の開催では過去最多、約70万人の来場者を記録し、本年も大きな盛り上がりを見せています。

2025年の開催概要

  • 開催日:2025年9月13日(土)、14日(日)
  • 会場:仙台市中心部(定禅寺通・勾当台公園ほか・計41ステージ)
  • 出演者数:約700組・のべ4,300人のミュージシャン
  • 主催:公益社団法人定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会
  • 開催時間:11:00~17:30(ステージによっては20:00まで)
  • 入場:無料(屋外開催、雨天決行)

演奏ステージは仙台の定禅寺通りを中心に、勾当台公園、青葉通り一帯、さらには仙台駅構内でも展開されました。地元の方々のみならず、遠方からの参加も多く、その交流の幅広さがこのフェスティバルの大きな特徴です。

雨でも消えない音楽のぬくもり

開幕当日は朝から小雨が降り続きましたが、それにもかかわらず、多くの観客が傘をさしながらストリートに集い、ミュージシャンの演奏に耳を傾けました。参加者の一人は「雨でも関係ない。音楽があれば十分に楽しめる」と笑顔で語り、会場には温かなグルーヴが響いていました。

東京や静岡、岩手など全国各地から訪れた奏者たちも、「仙台の街が一体で音楽を楽しむ雰囲気が最高」「ここでしか出会えない聴衆との一期一会も楽しみ」とフェスティバルならではの醍醐味を話していました。

市内各所がステージに——音楽が広げる街のにぎわい

今回のフェスティバルでは、仙台駅構内でもタイアップライブが開催され、道行く人や観光客が気軽に音楽を楽しむ姿が見受けられました。中心部だけでなく、泉パークタウンやロイヤルパークホテルなど複数エリアで関連イベントも展開され、仙台全体がフェスティバルムードに包まれました。

ジャンルも人種も超える、音楽のチカラ

「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」には、プロ・アマ問わず、老若男女幅広いジャンルのアーティストやバンドが出演します。演奏形態もソロから大編成まで多岐にわたり、ジャズのみならず、クラシックやワールドミュージック、ゴスペル、ポップス、独自ジャンルまでもが観客を楽しませます。

  • アマチュアミュージシャンも自由参加(年齢やジャンル不問)
  • 年々全国や海外からの参加者も増加
  • ストリートピアノやバス内ライブも名物
  • 「音楽で街を元気に!」を合言葉に市民と共に発展

人気ストリートピアニストも登場!

今年は話題のストリートピアニストも多数出演し、定禅寺通りや駅前にはピアノの音色が軽やかに響き渡りました。ピアニストたちの自由な即興演奏には、子どもから大人まで多くの人々が足を止め、拍手を送りました。“東北を音楽で明るくしたい”思いが多くの人の心に届いたようです。

街と人が一つになる祭典

このフェスの最大の魅力は、「街」と「人」と「音楽」が一体となる開かれた雰囲気にあります。地元の商店や企業も協力し合い、飲食ブースやワークショップ、関連イベントも数多く開催。お祭りムードいっぱいのストリートには、笑顔とリズムが絶えませんでした。

交通も音楽色に——「バスでスウィング」

今回も名物「バス演奏」が実施され、移動中のバス車内がライブステージとなりました。目的地まで音楽に包まれて過ごせるバスは、仙台ジャズフェスならではの名物企画。観客とミュージシャンが同じ空間で一緒に“スウィング”するひとときは、他のイベントにはない独特な体験として人気を集めました。

フェスティバルを支えるボランティアと市民の力

数千人の出演者に加え、運営には多数の市民ボランティアが参加し、案内や設営、警備、清掃など、全体を力強くサポートしました。ステージ数は41カ所にもおよび、準備や撤収も市民自らが担い、仙台の“音楽好き”の力を象徴しています。

フェスティバルのこれから——「音楽都市」仙台の未来

「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」は、音楽を通じたまちづくりの代表例として、これからも進化を続けていきます。音楽が好きな人も、そうでない人も、誰もが自由に足を運び、耳を傾け、つながりを感じられる2日間は、今や仙台のみならず日本を代表する野外音楽祭です。

14日(日)も夜8時までステージは続きます。大人も子どもも、お年寄りも、旅人も、立場や年齢を超えて、仙台の街で生まれる新たな「音楽の出会い」に参加してみてはいかがでしょうか。

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