藤原竜也主演「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」上海公演初日を迎える
藤原竜也さん主演の舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』が、2025年9月13日より中国・上海で待望の幕を開けました。この作品は2024年の日本全国公演を経て、大きな話題と高い評価を受けた後、ついに海外の舞台に進出。上海交通銀行前滩31文化芸能センター·大劇場で9月13日から21日まで上演されています。
舞台「中村仲蔵」とは
本作は、江戸時代中期を舞台に、芝居街・日本橋堺町でどん底から這い上がり、血筋や家柄に頼らず努力で名を成した歌舞伎役者・中村仲蔵の生涯を描いた人間ドラマです。名門の出でなくとも、本人の力と情熱で頂点に辿り着く仲蔵の姿は、現代の私たちにも勇気と感動を与えてくれます。歌舞伎の世界におけるしきたりや階級の壁、伝統の中で苦悩する役者たち——そこに生きる人々の情熱と葛藤が丁寧に表現された、まさに下剋上の物語です。
主なキャスト・スタッフ
- 中村仲蔵:藤原竜也
- 初代市川八百蔵/酒井新左衛門:市原隼人
- 中村伝蔵:浅香航大
- ほか、尾上 紫、廣田高志、植本純米、古河耕史、深澤 嵐、斉藤莉生、今井朋彦など
- 演出:蓬莱竜太
- 脚本:源生
公演の特徴と見どころ
『中村仲蔵』は、単なる歌舞伎伝記ものではありません。仲蔵がどのように自らの運命を切り拓いていくのか、その心の葛藤や情熱を、現代演劇としてドラマチックに描き出しています。藤原竜也さんが表現する仲蔵の鬼気迫る演技には定評があり、観客は彼の一挙手一投足に引き込まれていきます。さらに、豪華キャストによる厚みのある演技と、細部までこだわった舞台美術・衣装が舞台全体を魅力的に彩ります。
本作の最大の魅力は、伝統芸能である「歌舞伎」の内側を現代的な視点で描き、階級社会を乗り越える個人の力や情熱を真っ直ぐに描写している点です。歌舞伎のルールや慣習は世界的に見ても特異なもの。本作では、あえて歌舞伎役者ではない俳優陣がこの世界を演じることで、日本文化の多層的な魅力をよりダイレクトに観客に伝えています。
海外公演としての意義~上海での上演へ~
2025年9月の上海公演は、藤原竜也さんが2018年の「ムサシ」以来7年ぶりに得る海外舞台であり、本人にとっても特別な意味があります。藤原さんは開幕前に「仲蔵として再び同じ座組で歌舞伎の世界に戻れることを嬉しく思います。上海で再び皆さんにお会いできることを楽しみにしています」とコメント。「言語の壁を超えて、この熱をお客様に伝えたい」と意気込みを語りました。
また、演出を手掛けた蓬莱竜太さんも「歌舞伎という日本の伝統芸能は多くのしきたりや特殊なルールがあります。そのルールが歌舞伎の世界を面白くしているのは事実ですが、今回の作品は、中村仲蔵という男がそうしたルールにとらわれず歌舞伎の世界を駆けあがっていく人間ドラマです。国境を超えて伝わっていくだろう」とコメントしています。
藤原竜也、挑戦に懸ける想い
藤原さんは今回の上海公演を「新たな冒険」だと語ります。7年前の上海公演「ムサシ」での熱狂的な歓迎が自身の記憶に深く刻まれており、今回も多くの観客に「仲蔵の下剋上劇」を届けるべく全力で臨んでいます。「苦しい時期も舞台に立ち続けることでしか得られないものがある。上海の方々に、その全てを届けたい」と自身の思いを語りました。
上海公演のスケジュールと会場
- 日程:2025年9月13日(土)~21日(日)
- 会場:上海交通銀行前滩31文化芸能センター·大劇場(中国・上海)
- 出演者は日本公演と同じメンバー
- 日本での再演予定は現在ありません
キャストのコメント(一部抜粋)
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中村仲蔵役・藤原竜也:
「中村仲蔵は、どん底から這い上がり、血筋も何も関係ない自分の力だけでのし上がっていく物語。我々の這い上がっていく芝居をぜひ直に観ていただきたいし、上海の皆さまに楽しんでもらえるよう全力で臨みたいです。」 -
初代市川八百蔵/酒井新左衛門役・市原隼人:
「心の底から愛している作品を上海で上演できて本当にうれしいです。覚悟を持って演じるのが役者の道。上海のお客様のために真剣に全力で舞台に立ちます。」 -
演出・蓬莱竜太:
「歌舞伎の世界で生きる人物たちの生き様が、どのように海外で伝わるのか楽しみ。仲蔵のテーマと、演じる俳優たちの挑戦もぜひ感じてほしいです。」
観客・メディアからの反響
初日の上演後、現地上海の観客からは「迫力があって感動した」「言葉がわからなくても気持ちが伝わってきた」など、作品の普遍的な力を実感する声が多く寄せられました。また、メディア関係者からも「日本の伝統芸能が今、現代演劇として国境を越えて多くの人に届いた瞬間だった」との絶賛のコメントが続いています。
まとめ
藤原竜也さんを筆頭に、日本演劇界の実力派キャスト・スタッフが揃い新しい息吹を与えた本作『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』。伝統と革新、熱き人間ドラマが交錯するこの舞台は、上海公演という新たな挑戦を経て、さらに進化を遂げました。国境も言語も越えて、これからの日本演劇と歌舞伎、その可能性を広く世界に示した、公演初日となりました。