朗読劇『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』上演決定!桜と共に蘇る鬼平の世界
2026年1月29日、30日――東京・浅草公会堂にて、池波正太郎の不朽の時代小説『鬼平犯科帳』が、朗読劇『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』として上演されることが発表されました。この朗読劇は、ドラマ、映画、歌舞伎、ラジオドラマとマルチなメディア展開をみせてきた「鬼平犯科帳」シリーズの新たな舞台。長谷川平蔵=“鬼平”の生き様と、春の桜の情景が織りなす物語が、豪華声優陣の美声によって紡がれます。
時代小説の金字塔『鬼平犯科帳』――池波正太郎が描いた江戸の光と影
「鬼平犯科帳」は1968年、文芸誌『オール讀物』で連載が始まった池波正太郎の代表作であり、『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』と並ぶ三大シリーズの一つです。累計発行部数は3,000万部を超え、時代劇小説ブームの礎となりました。主人公・長谷川平蔵は火付盗賊改方の長官として江戸の治安を守る風雲児。鬼のような厳しさと人情味あふれる裁きで、盗賊たちの闇に光を当ててきました。
これまで『鬼平犯科帳』はテレビドラマ、劇場映画、歌舞伎、アニメ、ラジオドラマなど多彩なメディア展開を遂げてきました。2024年以降も、松本幸四郎主演のドラマやラジオドラマ、さらには音楽朗読劇の上演など幅広い表現で現代に伝え続けています。
舞台は“本所・桜屋敷”――青春と桜、再会が紡ぐ人間ドラマ
今回上演される朗読劇「本所・桜屋敷」は、長谷川平蔵が本所界隈を見回り中、若き日の道場仲間・岸井左馬之助や本所の無頼者・相模の彦十と再会する場面から物語が始まります。左馬之助から、かつて二人が憧れた娘・おふさが離縁され、悪御家人の御新造になったとの知らせを受けた平蔵。彦十がその御家人の背景を探るうちに、平蔵らの恩師に繋がる因縁と悪事が次第に明らかとなり、青春時代の思い出と正義をかけた葛藤が、春の桜が舞う本所を舞台に展開されます。
主演・堀内賢雄――“鬼平”再登場への熱い想い
- 長谷川平蔵役:本作の主人公・鬼平を演じるのは、洋画・海外ドラマの吹き替え、そしてアニメ版『鬼平』でも平蔵役を務めた堀内賢雄さん。過去にも松本幸四郎主演作で語りを担当しており、鬼平への深い愛情と緊張感を自身の発言で語っています。「再度“鬼平”を演じられる喜びで身が引き締まる思い」と、その意欲はひとしおです。
- 共演陣:堀内賢雄さんの熱い呼びかけに応えた、井上和彦さん、佐々木勝彦さん、高木渉さん、中尾隆聖さん、三上哲さんといった日本を代表する声優陣が、一堂に会します。その顔ぶれの豪華さは、まさに“プレミアム”の名にふさわしいラインナップ。
朗読劇ならではの“声”の表現力――一味違うアプローチ
舞台や映像とは異なり、朗読劇では“声の力”と“言葉の情感”が物語を牽引します。今回のプレミアム朗読劇では、
ベテラン声優たちの繊細な声色と演技を軸に、鬼平の葛藤、本所の市井の息遣い、桜舞い散る情景が織りなされます。セリフや語りのみで物語の奥行きや人間ドラマが深く伝わる――それこそ朗読劇の最大の魅力。一人ひとりの役者が、江戸の街に生きる人々の真心や苦悩を、息を呑むような静謐さで表現します。
桜――日本人の心と鬼平の人情を象徴する花
舞台となる「桜屋敷」に象徴される桜は、古来より人々の心をうつ花であり、この物語では平蔵や岸井左馬之助、おふさら登場人物たちの青春や揺れる思い、再会の喜びと切なさを彩ります。桜は一瞬しか咲かない儚さと、春の訪れを告げる生命力――鬼平の人生にも重なるテーマです。朗読劇の中で、“桜”は季節の移ろいとともに登場人物の心の揺れを映し出します。
浅草公会堂――歴史と文化が息づく劇場での上演
- 上演場所:浅草公会堂は、昭和を代表する文化遺産であり、伝統と現代芸術が交錯する場所。浅草は江戸時代から庶民の文化が花開いた町として知られ、「鬼平犯科帳」の物語とも深い縁があります。
- 上演日程:2026年1月29日(木)、30日(金)の2日間。桜には少し早い季節ですが、物語に漂う春の香りが、観客の心に温かさを届けることでしょう。
朗読劇『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』の魅力と期待
鬼平の人情と正義が息づく「鬼平犯科帳」の世界を、今度は朗読劇という新たな形で味わえるのは、ファンのみならず時代劇に馴染みのない方にとっても貴重な体験です。声優陣の巧みな演技により、江戸の空気感や個々の人物の心象が鮮やかに浮かび上がります。キャラクター同士の掛け合い、語りによる情景描写、そして“桜”をキーワードにした再会や別れ――すべてが、観客の心を揺さぶります。
池波正太郎が紡いだ物語、鬼平の魂、桜の美しさ――それらが朗読劇という舞台でどのように融合し、観客一人ひとりの記憶に刻まれるのか。2026年1月の浅草公会堂は、まさに“鬼平”と“桜”に抱かれる瞬間となります。公演の詳細やチケット情報は、時代劇専門チャンネルや各メディアを通じて随時発表予定。幅広い世代が楽しめる朗読劇の新たな扉が、今年も開かれることでしょう。
関連情報――ラジオドラマや歌舞伎などマルチメディアで広がる「鬼平」ワールド
- 2025年6月には、ニッポン放送で松本幸四郎主演のラジオドラマ版「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」が放送され、俳優の声の力が大きな話題となりました。
- また、2024年以降も劇場版やドラマシリーズの放送、歌舞伎座での舞台化、音楽朗読劇の上演など、「鬼平」ワールドは勢いを増しています。
まとめ――今こそ楽しみたい“桜”とともに蘇る鬼平の世界
朗読劇『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』は、名作の新たな解釈と時代劇ファン、声優ファン双方にうれしい公演となります。豪華キャスト陣の熱演が生み出す“声の世界”は、テレビや映画とはまた違い、観客一人ひとりの心に深く響くことでしょう。春を待ち焦がれる浅草公会堂で、桜と鬼平、江戸の人情に会いに行きましょう――時代を超えて愛され続ける「鬼平犯科帳」の新たな一歩に、ぜひご注目ください。