日本人に愛されるポッキー、その裏に広がる「プリッツ派自認」現象 ― 11月11日『ポッキー&プリッツの日』に寄せて
1. 11月11日「ポッキー&プリッツの日」とは?
11月11日は、日本で最も有名なお菓子記念日の一つ「ポッキー&プリッツの日」として知られています。この記念日は、縦に4本並べると数字の「1111」がプリッツやポッキーの棒状の形にそっくりなことに由来しており、平成11年(1999年)11月11日に制定されて以来、幅広い世代に親しまれています。
記念日当日には、全国各地のコンビニやスーパーでも「ポッキー&プリッツの日」を盛り上げるキャンペーンや限定商品が並び、友人や家族とシェアしながら楽しむ様子が伝統になりつつあります。また、SNSでも様々な写真や動画が投稿され、大人から子どもまで一体感を持ってお祝いする、ポッキー&プリッツの一大イベントデーです。
2. 国民的お菓子「ポッキー」と「プリッツ」の歴史
「プリッツ」は1962年に、おつまみとして親しまれていたドイツのプレッツェルからヒントを得て誕生しました。その後、1966年には、プリッツにチョコレートをコーティングした「ポッキー」が登場し、日本だけでなく海外でも人気を博しています。
特に「ポッキー」は、おやつの定番として子どもから大人まで多くの人に愛され、日常のくつろぎ時間や友人との集まり、時には仕事の合間のお供として幅広く浸透しています。一方で「プリッツ」も、素朴な塩味やサラダ味を中心に、大人の“おつまみ”としてだけでなく、小腹を満たす頼もしい存在です。
3. 圧倒的な人気!好きなお菓子はやっぱり「ポッキー派」
- 約7割の日本人が「ポッキー派」
- 「プリッツ派」は2割強にとどまる
最近の調査によると、現代の日本人の約7割が「好きなお菓子」として「ポッキー」を選ぶことが明らかになりました。これは年代や性別を問わず、全体的なトレンドとなっています。特に10代では「だんぜんポッキー派」が約5割と推されており、幅広い年代で安定した人気を確保しています。
一方で「プリッツ」もファンが多く、40代女性には特にプリッツ派が多いなど、年代・性別による微妙な違いも見られます。それでも、全体的には「ポッキー」の圧倒的な支持が、市場の状況や売上ランキングにも表れています。
4. 驚きの結果!自分自身の「キャラ」は反転してプリッツ派が7割
- 日本人の73.3%が「自分のキャラクターはプリッツ派」と回答
- ポッキー派の実際の嗜好と正反対の自己像
非常に興味深いことに、「自身のキャラ」を尋ねた調査結果では、実際に好きなお菓子が「ポッキー」の日本人が多いにも関わらず、73.3%もの日本人が「自分はプリッツ派だ」と答えたことが分かりました。
つまり、「お菓子を選ぶならポッキー、でも私自身はプリッツっぽい」と感じている人が多いのです。この意識の“反転現象”は、なぜ起きるのでしょうか?専門家は、「陰から主役を支えるサポーター肌のような性格を、“プリッツ派”として自己認識している可能性がある」と分析しています。
ポッキーは注目を集める“主役タイプ”。一方プリッツは、主張しすぎず周囲を支える“縁の下の力持ち”のようなイメージ。多くの人は、日頃は控えめで堅実さを大切にする自分を「プリッツ派」と重ね合わせているのかもしれません。
5. 変化し続ける自分 ― 「キャラ変」遍歴と現代人
- 半数以上が「人生でキャラ変を経験」
- 複数回キャラ変した人も37%、中には10回以上も!
同じ調査では、自己のキャラクターに関する変遷、いわゆる「キャラ変」についても質問が行われました。その結果、半数以上が一度はキャラ変を経験済みであり、37%が複数回のキャラ変を経験、さらに2%は10回以上も自分のイメージを変えてきた“カメレオン役者”だということが判明しました。
これは、現代人が自分自身のキャラクターや役割を柔軟に変化させる社会的適応力を持っている証でもあります。日常生活や職場、家庭など、さまざまなシーンで“演じる自分”を自在に変化させることが、今の日本人らしさとも言えそうです。
6. ポッキーとプリッツ、それぞれの「キャラ」と自己効力感
- 主役で自信に満ちたポッキータイプ
- サポーターで控えめなプリッツタイプ
調査では、自己効力感(エフィカシー)に関しても分析が行われました。注目を浴びる機会が多い「ポッキータイプ」の人は、一般的に自己効力感が高い傾向が見られます。一方で「プリッツタイプ」は控えめながらも安定感があり、周囲への信頼を醸成する役割を果たしているようです。
キャラ変のきっかけとして、自信や成功体験が大きな後押しになることも示唆されています。「脚光を浴びることが、自分を変えるブーストになるかもしれない――」そんなメッセージがこの調査からは感じられます。
7. プリッツの誕生秘話と寝屋川市での発見
「プリッツ」の歴史にまつわる貴重なエピソードも各地で語り継がれています。寝屋川市のローソン寝屋川本町店では、「プリッツ」誕生の当時商品開発に携わった方々の話や、商品化までの苦労・裏話が資料として伝承されており、現在も地域の宝物として大切に保存されています。
プリッツが誕生した1960年代はまだチョコが高価な時代。まずはシンプルなプレッツェル風味からスタートし、その数年後にチョコレートコーティングの「ポッキー」が送り出されたことで、両者が日本を代表するスティック菓子ブランドへと成長しました。こうした「地元発のおやつ」が国民的商品へと羽ばたいた歴史は、今もなお多くの人の心をときめかせています。
8. 記念日を盛り上げるキャンペーンと人間味溢れるストーリー
- 「ポッキーじゃないほうキャンペーン」が話題に
- 擬人化された「スネるプリッツ」が共感を呼ぶ
2017年には製造元グリコ社自ら、プリッツが「スネる」というユニークなキャンペーンを実施し、大きな話題となりました。もっぱらポッキーが脚光を浴びる状況に対し、プリッツが自ら「嫉妬」「すね」を表現するストーリーは、”人間くささ”が親しみを呼んだ事例となりました。
普段は目立たないけれど実は大切な存在である――そんなプリッツの「縁の下の力持ち感」を、自らのキャラクターや人生観に重ねる人は少なくありません。広告やプロモーションが、商品だけでなく「共感」や「自分ごと」として受け入れられていることが、日本におけるポッキー&プリッツ文化の成熟を物語っています。
9. まとめ ― あなたは今日、どちらの派?
ポッキー&プリッツの日に寄せて、日本のお菓子文化や人々の自己イメージ・「キャラ」について、多くの発見がありました。好きなお菓子「ポッキー派」多数、それでも「キャラはプリッツ派」と語る日本人――そこには現代を生きる私たちの「憧れ」と「等身大」が、絶妙に共存しているようです。
毎年訪れる11月11日。あなたが今日手に取ったのは、ポッキーでしたか?それともプリッツでしょうか。お菓子を通じて、少しだけ自分や周りの人のことを考えてみる――そんなきっかけになれば幸いです。



