福井県福井市で、毎年10月中旬に開催される「オシッサマのお渡り」という神事が話題されています。この神事は、福井市本堂町の高雄神社を中心に行われ、獅子頭をかぶった祭神「オシッサマ」が豪快に参道を駆け上がるという注目すべき行列が特徴です。この神事は、約800年以上の歴史を持ち、福井県の無形民俗文化財として認められています。
## 神事の内容
「オシッサマのお渡り」は、高雄神社の境内に祀られている猿田彦命(ハナオッサマ)と天鈿女命(オシッサマ)を中心に行われる神事です。この神事は10月10日から12日にかけて行われ、特に最終日の12日には、獅子頭をかぶった祭神「オシッサマ」が神社へ巡行し、豪快に参道を駆け上がる姿が見られます。
### 行列の様子
行列は、ハナオッサマが先導し、その後にオシッサマが続きます。行列に参加する子どもたちは「サヨリミヨリ、イテデコデントイコマイカ…」という人身御供にまつわる唄を歌いながら、綱を引きながら進みます。この行列が「死児の橋」にさしかかると、太鼓のリズムが一段と激しくなり、愛児を弔うかのような雰囲気になります。
## 神事の由来
この神事の由来は、福井市安居地区に伝わる言い伝えによると、かつて村に怪物が出た年はきまって凶作に陥ったとされます。この怪物を退治した侍が、猿田彦命の子孫と名乗っていたことが神事の始まりとされています。
## 地域への影響
この神事は地域住民や観光客に多くの人々を集め、地域活性化にも寄与しています。本堂町の自治会会長は「今後もこの神事を続け、地域活性化につなげていきたい」と語っています。
「オシッサマのお渡り」は、豊作や無病息災を祈願する意味も含まれており、福井市の 豊かな文化遺産として深く愛されています。

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