江戸の美とデジタルが融合!大阪・梅田で「動き出す浮世絵展 OSAKA」開催、北斎の娘・応為に迫る映画も話題
2026年、江戸時代から続く浮世絵の魅力が新たなかたちでよみがえります。大阪・梅田グランフロント大阪 北館ナレッジキャピタル イベントラボでは、300点を超える名作浮世絵がデジタルの力で“動き出す”体感型展示「動き出す浮世絵展 OSAKA」が開催決定。さらに、葛飾北斎の娘・応為を主人公にした映画「おーい、応為」も全国公開され、今、浮世絵の世界がかつてない注目を集めています。
伝統と最先端が融合する「動き出す浮世絵展 OSAKA」
浮世絵が現代によみがえる体感型ミュージアム「動き出す浮世絵展」は、これまで名古屋・ミラノ・鹿児島・東京・台北・福岡と国内外各地で開催され、累計25万人以上を動員、大反響を巻き起こしてきました。今回、ついに大阪・梅田での開催が決定しました。
- 期間:2026年1月17日(土)~3月14日(土) 10:00~20:00(最終入場19:30)
- 会場:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ(大阪市北区大深町3-1)
- 主催:動き出す浮世絵展OSAKA実行委員会(テレビ大阪、日本経済新聞社、一旗、テレビ愛知)
- 特別協賛:大同生命保険
- 協力:パナソニックコネクト、キャライノベイト、ナレッジキャピタル
- 休館日:なし(期間中は毎日開催)
「動き出す浮世絵展」とは?
「動き出す浮世絵展」は、葛飾北斎、歌川国芳、歌川広重、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川国貞など世界的な浮世絵師による300点以上の作品を、最先端の3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングで立体的・動的に表現するデジタルアート展覧会です。
- 9つ以上の立体映像空間が用意されており、来場者は絵の中を歩くような没入型イマーシブアート体験を楽しめます。
- デジタル展示だけでなく、江戸時代に製作された実物の浮世絵や復刻版も展示されています。これにより、デジタルとリアル双方から浮世絵の歴史と美に触れることができます。
- 北斎や広重の代表作として知られる富嶽三十六景や東海道五十三次、浮世絵ならではの役者絵、美人画など、多様なジャンルを網羅。
子どもから大人まで、日本美術や江戸文化を肌で感じ、現代技術との融合という新鮮な刺激を味わえる展覧会です。映像・音響・空間演出すべてが一体となり、平面の浮世絵が目の前で“動き出す”瞬間をぜひご体感ください。
「動き出す浮世絵展」が歩んだ軌跡と評価
2023年、名古屋で初開催されたこの展覧会は約8万人を動員、大成功をおさめ、その後ミラノ(イタリア)、鹿児島、東京、台北、福岡と拡大してきました。福岡では香水ブランド『破天荒』とのコラボや、江戸時代の文化解説が加わり、国際的な評価も高まっています。
さらに、この企画はクールジャパン官民連携プラットフォーム主催「CJPFアワード2025」プロジェクト部門で優秀賞を受賞。日本独自の文化資産である浮世絵とテクノロジーの融合が国内外の大きな注目を集めています。
浮世絵とは——時代を超えて愛され続ける芸術
浮世絵は、江戸時代中期から明治初期にかけて発展した木版画と絵画のスタイルです。“浮世”とは当時の庶民文化や風俗、遊楽、人々の生き様を反映する言葉。江戸の町の活気や美人、役者、名所、風景などをテーマに多数の名作が生み出されました。
【代表的な浮世絵師】
- 葛飾北斎:「富嶽三十六景」
- 歌川広重:「東海道五十三次」
- 喜多川歌麿:美人画
- 東洲斎写楽:役者絵
- 歌川国芳:武者絵・戯画
- 歌川国貞:役者絵、美人画
浮世絵の技法は西洋印象派にも大きな影響を与え、ゴッホやモネなど欧米の画家たちからも賞賛されました。現代においてもその美的価値と独創性は世界中で再評価されています。
映画「おーい、応為」——北斎の天才娘の人生を描く
同じく2025年10月、浮世絵の世界に新しい風を吹き込む話題作、映画「おーい、応為」が全国ロードショーされます。本作では、巨匠・葛飾北斎の娘である葛飾応為(本名:お栄)にスポットを当て、自由に、まっすぐに生き抜いた一人の女性絵師の生涯を描き出しています。
キャストと制作陣
- 主演:長澤まさみ(応為/お栄 役)
- 共演:髙橋海人、永瀬正敏
- 監督:大森立嗣
公開を記念して、長澤まさみ×髙橋海人×永瀬正敏×大森立嗣監督による“スペシャルトーク映像”も公開され、キャスト陣の浮世絵や江戸時代の女性絵師に対する想いや、撮影エピソードなどが語られています。
見どころ——北斎の娘・応為(お栄)とは?
葛飾応為は、父・北斎のもとで画才を開花させ、その繊細な描写力と色彩センスで多くの未発表・傑作を生み出しました。古典的な“父の後継者”という枠ではなく、独自の作風を追求した姿が現代にも力強いメッセージを投げかけます。
- 映画では応為が自らの信念でものを創り、“女性であるがゆえの困難”にも挫けず、真っすぐに芸術と向き合う姿が描かれます。
- 作中に登場する『夜桜美人図』の制作シーンは、大きな見どころ。長澤まさみさんは、このシーンを吹き替えなしで自ら挑んでいます。
「おーい、応為」は、歴史の中で埋もれがちな女性芸術家のリアルな人生に迫り、日本の芸術史を彩る新たな視点を投げかける作品です。
浮世絵ブームの背景と今後の展望
世界的な日本文化ブームの高まりを背景に、浮世絵は単なる伝統美術としてだけでなく、現代のアートやサブカルチャー、デジタルエンターテイメントといった多彩な分野に影響を与え続けています。
- 日本全国の主要都市のみならず、海外のミラノ、台北でも展覧会が開かれ、多国籍の来場者を魅了しています。
- デジタルアートやVR技術との融合は、若年層や海外のアートファンにとって新鮮かつ没入感のある体験をもたらし、浮世絵を過去のものではなく“今を生きるアート”へと進化させています。
- 映画「おーい、応為」の公開が、これまで知られていなかった逸話や史実を掘り起こし、より多角的な「浮世絵の世界」への関心拡大につながっています。
まとめ——現代に蘇る江戸の魂
「動き出す浮世絵展 OSAKA」は、単なる美術展の枠を超え、新しい感覚と学び、そして驚きをもたらす文化体験です。一方で「おーい、応為」は、歴史の闇に咲く女性絵師・応為の葛藤と情熱を真摯に描き上げる映画作品として、多くの心を動かしています。
江戸の粋と現代のクリエイティビティ、日本独自の美意識を味わうこの秋冬。ぜひ梅田で、そして映画館で、新しい「浮世絵の世界」を体験してみてはいかがでしょうか。