大阪・なにわ淀川花火大会、歴史的どしゃ降りの中で開催 〜万博対策で10月に順延、異例ずくめの一夜〜
2025年10月18日、歴史的な体験となった淀川花火大会
2025年10月18日(土)夜、大阪市で毎年夏の風物詩として全国に知られる「なにわ淀川花火大会」が、今年は特別な意味を持つ夜となりました。例年以上に多くの人々が期待を膨らませ集まったこの日、天候は予想を超える「どしゃ降り」となり、まさに歴史的な花火大会となりました。
万博との重複を避けて史上初の“秋開催”
今年の大会が例年と大きく違っていた点は、開催時期が秋、すなわち10月に変更されたことです。これは来年開催される大阪・関西万博2025とのイベント重複を避けるための苦渋の決断。主催者、地元自治体、運営関係者は「多くの人が安全に楽しめるように」と熟慮の上で秋開催に踏み切りました。これにより、地域経済への影響も最小限に抑えつつ、大阪の夜空を彩る一大イベントの伝統を守る形となりました。
花火大会前後の大阪の天気
- 大会開催日の18日(土)は終日曇りから夜は雨に変わる予報。夜間の降水確率は60%に上りました。
- 気温は最高29℃と夏並みの蒸し暑さが残る中、夕方以降は激しい雷雨や強風のリスクも指摘されていました。
- 翌日の19日も不安定な天気で、花火大会当日は「どしゃ降り」となったことがSNSやメディアで大きな話題に。
異例の“どしゃ降り中”開催 会場には驚きと一体感
開始直前から降り出した雨は次第に勢いを増し、大会本番では本格的などしゃ降りに。花火など大規模屋外イベントにおける安全性への配慮から「中止か」との声も多数上がりましたが、「なにわ魂」ここにありと、主催側は安全面を十分確認の上、予定通り開催を決断。
観客はレインコートや傘を手に、びしょ濡れになりながらも打ち上げられる花火に視線を奪われ、雨音と共に夜空を焦がす色とりどりの花火に、大きな歓声と拍手が響きました。「この経験は一生の思い出になる」と語る人も多く、SNSには「ずぶ濡れで完全燃焼!」「逆に印象に残る最高の花火」といったポジティブな投稿が数多く寄せられました。
生中継も“雨中継”の異例演出、リアルな熱気と感動を全国放送
テレビ局による全国生中継では、レポーターやカメラクルーたちもみな雨具姿。この徹底した“臨場感”のある中継は視聴者からも大反響を呼び、「家で観てても伝わる熱気」「大阪の底力を感じる」と放送直後からネット上で大きな話題となりました。「テレビ越しにでも涙が出た」と語る人も。
雨天決行か中止か、花火大会と天候リスク
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なにわ淀川花火大会は小雨決行、荒天中止という基本方針ですが、
今年のように大会当日の天気予報が刻々と変わる状況では
最終判断が直前まで持ち越されることも珍しくありません。 -
今回は安全性確認後に
「一部演出や打ち上げ数を調整」、「観覧エリアの避難誘導体制強化」など万全の対策が取られた上で
開催が決定しました。
事前告知や公式SNSでは「気象状況急変時の指示に従い行動してください」と呼びかけも強化されていました。
観覧者の装いも“異例尽くし”
- 例年の浴衣姿や夏服に加え、今年はレインウェアや撥水ジャケットなど、秋の雨をしのぐための準備をした人が目立ちました。
- 気温も高めだったことから、「レインパーカーで汗だく、でも逆に楽しい」と語る観客も多数。
- 会場によっては長靴やビーチサンダル姿の子どもたちも見られ、
“濡れながら楽しむ”新しい花火大会の姿が見られました。
今後の開催に向けた課題と希望
今年の歴史的などしゃ降り開催は、天候リスク下でも最大限参加者が安全に楽しめるための工夫や対応力を、主催者、観客の両面から明らかにしました。大阪・関西万博が控える中、イベントの安全性強化や多様な気象シナリオへの対応が今後さらに重要課題となるでしょう。
一方で、「雨の中の花火」という予期せぬ出来事が多くの人の心に残る特別な思い出となったことで、行事の価値や大阪らしい“乗り越える力”が再認識される一夜となりました。「青空の下も素敵だけど、雨の中で見る花火も一生忘れられない」——そんな声が多く聞かれ、来年、また再来年へと、なにわ淀川花火大会は人々の心をつなぐ地域の“大切な宝”であり続けることでしょう。
【来年への期待】
- 開催時期の再検討と気象対策のさらなる充実
- 多様な観覧スタイルの提案や雨天用グッズの普及
- 安全に配慮しつつ“大阪らしさ”を全国へ発信
今年のなにわ淀川花火大会は、多くの課題と大きな感動を残し、“歴史に残る一夜”となりました。雨も人も、すべてが一体となった奇跡の瞬間は、きっと来年以降も語り継がれていくでしょう。