大阪メトロ御堂筋線「ミャクミャクラッピング列車」さよなら運行――2025年大阪・関西万博を彩った特別車両の最後の日
はじめに
2025年11月21日、大阪メトロ御堂筋線を走った“ミャクミャクラッピング列車”が、その役目を終え、最後の運行を迎えました。大阪・関西万博を盛り上げたこの特別車両が、人々の心にどんな思い出を残したのでしょうか。本記事では、万博ラッピング車両の歴史や背景、沿線利用者や関係者の声、そしてラストランの日の様子を、やさしい言葉でわかりやすくご紹介します。
大阪・関西万博ラッピング列車とは?
大阪メトロが2023年11月から運行を開始した「大阪・関西万博」のラッピング列車は、大阪の鉄道ファンや市民に大きな注目を集めました。御堂筋線では3編成、谷町線では2編成が走り、車両全面に公式キャラクターミャクミャクや万博デザインが大胆に描かれていました。純粋な鉄道の利便性だけでなく、地域の高揚感やおもてなしの気持ちを伝える“動くメッセージ”となりました。
- ラッピング開始:2023年11月
- 運行路線:御堂筋線(3編成)、谷町線(2編成)
- 車体デザイン:万博公式キャラクターや万博イメージを使用
- 目的:万博開催への期待感・地域全体の盛り上げ
御堂筋線のラッピングは、デザイン性の高さも人気のポイント。普段見慣れた車両とはまったく異なるカラフルなビジュアルに、子どもから大人まで多くの人が写真を撮ろうとホームに足を運びました。
御堂筋線でのラッピング列車:その歩み
“ミャクミャクラッピング車両”は、2025年大阪・関西万博の機運を醸成するため、開幕500日前の2023年11月30日から走り始めました。出発式には関係者や多くの市民が列車を見送り、新鮮な驚きと活気に包まれました。それから約2年間、御堂筋線は「万博列車」としての特別な輝きを放ち続けました。
谷町線は2025年11月9日に一足早くラッピング車両の運行を終了しており、御堂筋線の特別車両が最後のラッピング列車となりました。沿線自治体や学校、観光施設も巻き込み、ラッピング列車の姿はまさに“大阪の今”を象徴していたといえるでしょう。
さよなら運行――ラストランの日
2025年11月21日、御堂筋線でのラッピング列車の最終運行日を迎えました。なかもず駅では“出発式”が行われ、運行終了を惜しむファンや家族連れが多数集まりました。記念撮影や動画撮影をする人、公式キャラクターの人形や手旗を手に持つ子どもたち――その場は温かな雰囲気に包まれました。
大阪メトロ天王寺管区駅長の小嶋勝徳さんは「最後まで安全に運行できて感慨深い」と語りました。2年間、沿線の通勤・通学客や観光客を明るいデザインで迎え、交通インフラとしてだけでなく“記憶に残る列車”として多くの人を笑顔にしてきたラッピング列車。その役目の終わりに、利用者からは「ありがとう」「思い出がまた一つ減ってしまう」「寂しいけど誇らしい」という温かい声が多数寄せられました。
“動く広告”の枠を超えて――市民に愛された理由
御堂筋線のラッピング列車は単なる宣伝やPRの枠を超え、市民の日常風景へと溶け込んでいました。特に印象深いのは、日々の移動中にふとカラフルなラッピング列車に出会う時、多くの人が自然と笑顔になることです。
- 子どもたちがミャクミャクを指差して喜ぶ姿
- 通勤帰りに偶然出会い、「明日も頑張ろう」と感じた会社員の声
- 観光客が「大阪に来た記念」と撮影した写真
- 車両を待つホームで、見知らぬ乗客同士が話を弾ませる光景
こうした日常の中で、ラッピング列車は単なる移動手段以上のものになっていたのです。万博への期待感、新しい時代への希望、そして“大阪らしいにぎやかさ”を、鉄道を通じて体験できる貴重な存在でした。
ラッピング車両が果たした社会的役割
ラッピング車両は交通広告の一つとして定着していますが、今回のように「大阪・関西万博」をテーマにした取り組みは、地域社会や子どもたちの教育にも良い影響を与えました。
- 地域の一体感促進:街全体が万博開催を心待ちにする雰囲気づくり
- 観光資源:SNSでの拡散や観光客誘致への貢献
- 子どもたちの学び:公式キャラクターやデザインを通じた体験学習
- メッセージ性:「みんなで未来を創る」という万博のスローガン体現
2年間の運行期間中、市民参加型イベントや撮影企画も多く開催され、列車をきっかけとした地域交流も生まれました。単なる「イベント用装飾」ではなく、長期にわたり公共交通利用者と共に時を過ごした“市民の相棒”ともいえる存在でした。
今後へのバトンタッチ
このたび万博ラッピング列車の運行は幕を下ろしましたが、万博そのものは2025年春から本格的に始まります。イベント開催期間には様々な形で再び万博のデザインや演出が登場するでしょう。今回見納めとなったラッピング車両も、記念グッズや写真展、歴史展示として、未来の世代にその足跡を語り継いでいくこととなりそうです。
大阪メトロは、今後も市民や観光客にとって魅力的な交通を目指し、毎日の暮らしに彩りや思い出を運ぶ存在であり続けます。ラッピング列車が果たした役割から見えてきたのは、「移動そのものが特別な体験になるすばらしさ」です。利用者に残された思い出と共に、御堂筋線の歴史に新しい一ページが加わりました。
まとめ
大阪メトロ御堂筋線の万博ラッピング列車は、単なる宣伝を超え“市民の誇り”となった特別な存在でした。ラストランの日、多くの人々がその勇姿を見送り、大阪・関西万博の思い出に深く刻まれることとなりました。「ありがとう」と「また会う日まで」。まちを走るラッピング列車が、これからも大阪の物語を紡いでいく――そんな期待と希望を胸に、さよなら運行が幕を閉じました。




