2025年の「中秋の名月」は10月6日――土星との共演や各地の夜空演出、読書で広がる天文の楽しみ

2025年の中秋の名月は、10月6日(月曜日)と発表されました。気象予報士・吉田友海さんによると、北日本や西日本、沖縄でよく晴れて見られる場所が多い、絶好の観測日和が期待されています。今回の中秋の名月は、毎年めぐる旧暦8月15日の月で、必ずしも満月と一致するわけではありませんが、今年は月齢14.3日で「見た目はほぼ満月」に近い状態です。月が頭上近くに位置し、気候も秋晴れが続くため、湿度や霞(かすみ)の影響が少なく、月の美しさを存分に味わえる時期です。

夜空を見上げると、月の近くには“秋の土星”が輝いています。今年の土星は、春には地球との位置関係で特徴的な環がほとんど見えない“消失”の現象を迎えましたが、先月ごろから徐々にその姿を見せ始めており、観望シーズンを迎えています。望遠鏡を使えば、いつもより細い輪が見える珍しい土星を観察できるかもしれません。10月6日は月と土星が最接近、つまり「中秋の名月」と土星のコラボレーションが楽しめる日でもあります。

北日本から沖縄まで、広い範囲で「お月見」のチャンス

今年の中秋の名月は、10月6日午前頃から7日未明にかけて見ごろを迎えます。国立天文台の情報によると、7日が満月となりますが、6日の月は月齢14.3日。肉眼で見るとほぼ満月に近い、丸く輝く月です。気象予報士の吉田友海さんは、「北日本や西日本、沖縄で晴れて見られる場所が多い」とコメントしています。秋は空気が澄み、湿度が低く、星や月がきれいに見えやすい季節。家族や友人と一緒に、夕食後の夜空を眺めてみるのもよいかもしれません。

また、6日の日中は月と土星が近づきます。土星は肉眼でも明るく輝くため、特別な望遠鏡がなくても月の近くで光る土星を見つけることができるでしょう。望遠鏡をお持ちの方は、土星の細い環もぜひ観察してみてください。

「中秋の名月」の日に夜空を見上げてみよう

「中秋の名月」は、古来より人々の心を癒やし、愛でてきた風習です。月見だんごやお供え物を用意して、ゆったりとしたひとときを過ごす方も多いでしょう。全国各地でお月見イベントやライブ配信も実施されており、個人で楽しむだけでなく、インターネットを通じて世界中の月見を共有することも可能です。

国立天文台は「中秋の名月をみんなで楽しもう!」と題して、ライブ配信を予定しています。自宅から全国の皆さんと同じタイミングで満月を見上げることができる、現代ならではの新しい過ごし方です。また、SNS上では「#中秋の名月」などのハッシュタグも盛り上がりを見せています。

星空とともに広がる「月への想い」――古今東西のお勧め本6冊

産経新聞「書店バックヤードから」では、「10月6日は『中秋の名月』夜空を見て何を思う…古今東西、人の心揺さぶる天体を知る6冊」と題して、月や天体に関係する本を紹介しています。この特集記事では、古代から現代まで人々の心を揺さぶってきた“月”にまつわる物語や科学解説書が取り上げられているようです。月は、文学作品や絵画、音楽、伝統行事など、さまざまな文化や芸術のモチーフになってきました。この時期、本棚にある天体本を開いて、夜空を眺めてみても新たな発見があるかもしれません。

例えば、月の成り立ちやクレーターの科学解説、古代文明の月信仰、さらには現代の月探査プロジェクトまで、幅広いテーマの書籍があります。家族や学校で月や宇宙について話し合うきっかけにもなるでしょう。美しいイラスト付きの絵本から理系好き向けの解説本まで、年代を問わず楽しめる本がそろっています。

  • 科学的好奇心を刺激する天文書――宇宙の神秘や月の成り立ちを分かりやすく解説した本。
  • 古典文学から現代までの月をモチーフにした小説やエッセイ――月に寄せる人の想いや物語を紡いだ作品。
  • 月面探査や宇宙開発の最新事情――今まさに進行中の宇宙開発や、月への有人着陸プロジェクトの解説本。

地域ごとにお月見スタイルを楽しもう

地域によって、「お月見」の習慣や楽しみ方はさまざまです。例えば、長門湯本温泉のような山間地では、街明かりが少なく、より澄んだ夜空で月を堪能できます。都市部では、ビルの合間から優雅に昇る月や、帰宅途中にふと見上げる月の美しさも格別です。

家族や友人と一緒に月見だんごを作ったり、すすきを持ち帰ったりする家庭も多いでしょう。また、飲食店やカフェでは、月にちなんだ限定メニューを楽しめる店舗も増えています。自宅で静かに月を眺めたり、友人とライブ配信で盛り上がったり、それぞれのスタイルで「中秋の名月」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今日、あなたは何を思って月を見上げますか?

「中秋の名月」は、単なる天体現象ではありません。古くから人々が月に「豊作」や「家族の健康」「幸せ」といった願いを込め、お供え物をしたり、歌を詠んだりしてきた大切な日です。現代でも、月を眺めることで癒やされたり、遠く離れた人を想ったり、日常とは少し違う時間を味わえる特別な日です。

今年の10月6日は、ぜひ夜空を見上げてみてください。月の明るさや土星との共演、澄んだ空気、そして本で広がる“月の世界”――たくさんの楽しみ方があなたを待っています。

  • 夜空を見上げて、月と土星を探してみよう
  • 家族や友人と月見だんごを食べてみよう
  • 月や星の本を読んで、宇宙に思いを馳せてみよう
  • SNSやライブ配信で、みんなと一緒に月見気分を共有しよう
  • あなただけの“お月見スタイル”を見つけてみよう

さあ、あなたはどんな「中秋の名月」を過ごしますか?

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