2025年11月の天体ショー:最大のスーパームーンと流星群・レモン彗星の饗宴

2025年11月――秋が深まるなか、今年最も注目すべき天体現象の数々が私たちを迎えてくれます。本記事では、今年最大のスーパームーンをはじめ、おうし座南・北流星群、そして話題のレモン彗星など、11月の星空イベントを詳しくご紹介します。いずれも初心者からベテランまで楽しめる内容となっておりますので、ご家族や友人とぜひ秋の夜空を見上げてみてください。

最大のスーパームーン――2025年11月5日

2025年11月5日、今年最大の満月「スーパームーン」が夜空に輝きます。この日の満月は、地球に最も接近したタイミングで現れるため、普段よりも約14%大きく約29%明るく見えるのが特徴です。これは、4月に観測された今年最小の満月と比較した場合の数値であり、一年の中でも月の存在感が際立つ瞬間となります。

  • おすすめの観察時間:月の出直後(夕方)がおすすめです。地平線近くでは「月の錯視」によりさらに大きく感じられるため、建物や木々など地上の風景と共に眺めると、幻想的な光景が楽しめます。
  • 撮影ポイント:スマートフォンカメラや一眼レフなどで月と地上風景を組み合わせた写真を撮ると、記念になる1枚が得られるでしょう。月のクレーターや陰影も今年最もくっきりと観察できます。

今回の満月は「ビーバームーン」とも呼ばれ、自然界の季節の移ろいを感じる名月でもあります。月を観察する際は、防寒対策をしっかり行い、静かな秋の夜にゆったりと眺めてみてください。

火球に期待!おうし座南・北流星群が極大

今年の11月は2つの流星群――おうし座南流星群(極大11月5日ごろ)、おうし座北流星群(極大11月12日ごろ)が楽しめます。
夜空に現れる流星は例年に比べて明るい「火球」クラスが期待されており、極大期には1時間あたり5個以上の流星が観測できる可能性があります。

  • 流星群の見どころ:おうし座南流星群は活動期間が非常に長く、1つ1つの流星がゆっくり流れるのが特徴です。11月5日ごろが最も出現数が多い時期ですが、スーパームーンによる月明かりで暗い流星は見えにくいものの、強い光を放つ火球は十分期待できます。
  • おうし座北流星群は、12日ごろに極大を迎えます。南流星群に続き、2週連続で夜空を楽しめるチャンス。こちらも火球出現の可能性ありです。
  • 観測のポイント:月明かりの影響を避けるため、月が低い位置にある時間帯や、視界の開けた場所で観察するのがおすすめです。暖かい服装、レジャーシート、飲み物などを用意して、ゆったり星空の下で過ごしてください。

11月を彩るその他の天体イベント

スーパームーン・流星群に加え、今年の11月の星空はさらに豊かな現象で彩られます。

  • レモン彗星(C/2019 U6 (Lemmon)):11月8日ごろに近日点を通過し、肉眼でも観測可能な明るさに達します。夕方の西の空で観察できるので、双眼鏡などの準備がおすすめです。
  • 十三夜(11月2日):日本独自の風習である「十三夜」の月。この日は土星との接近もあり、月齢12の美しい月と土星の競演が楽しめます。
  • 土星の環の準消失(11月24日):土星の環がほぼ消えたように見える珍しい現象が起こります。これは約15年に一度しか見られない貴重な機会です。
  • しし座流星群(11月18日極大):11月中旬には、しし座流星群の出現も期待できます。今年は月の条件が良く、暗い夜空で流星を観測できる可能性が高まっています。
  • 惑星の現象:木星・天王星・プレアデス星団など、月と惑星の美しい接近も多く予定されています。特に21日は天王星が一年で最も観測しやすい「衝」の時期です。

秋の夜空を安全に楽しむヒント

11月の夜は冷え込みが厳しくなります。天体観測を楽しむ際は暖かい服装、カイロ、防寒用具を用意し、身体を冷やし過ぎないように注意してください。スマートフォンの天体観測アプリを使えば、現在地や日時ごとの星座、天体の位置確認がスムーズにできます。

  • 家族や友人と一緒に――星空観察は安全の観点からも複数人で行うのが安心です。自然豊かな公園や郊外の開けた場所で、星や月の美しさを一緒に楽しみませんか。
  • 観測用アイテム:双眼鏡や望遠鏡を使うと、月のクレーターや土星の環、星団など、肉眼では見えにくいディテールも堪能できます。
  • 記録写真:スマートフォンやデジカメで天体観測の記録を残し、あとで家族や友人とシェアするのもおすすめです。スーパームーンや流星の写真は秋の思い出にもなります。

2025年11月星空カレンダー(主なイベント一覧)

日付 天文現象 観測ポイント
11月2日 十三夜・月と土星の接近 明るい月と土星の共演、日本独自の名月風習
11月5日 スーパームーン・おうし座南流星群極大 今年最大の満月、火球に期待
11月8日 レモン彗星が近日点通過 夕方西空で彗星観測のチャンス
11月12日 おうし座北流星群極大 火球クラスの流星に期待
11月18日 しし座流星群極大 暗い夜空で流星群観測
11月20日 新月 星観測に最適な暗さ
11月21日 天王星が衝 一年で一番観測しやすい日
11月24日 土星の環の準消失 約15年に一度の珍しい現象
11月27日 月面Xの観測 月のクレーターがX字模様に

まとめ:壮大な天体イベントが続く11月の夜空

2025年11月は、最大のスーパームーンを筆頭に、流星群・彗星・惑星現象など、多彩な天文ショーが続きます。夜空に浮かぶ月、流れ星、きらめく星団‥‥そのひとつひとつが、秋の夜ならではのロマンと感動を与えてくれるでしょう。ぜひ、この機会にゆったりと星空を見上げ、「宇宙のふしぎ」と「季節の移ろい」を五感で味わってみてください。安全・防寒を徹底し、素敵な天体ショーを楽しみましょう。

参考元