新潟県立大学で入試採点ミス発覚―追加合格者9人、大学が謝罪と今後の対応を発表
新潟県立大学の入試で採点ミスが判明
2025年8月26日、新潟県立大学(新潟市東区)は記者会見を開き、今年2月に実施した一般選抜入試の英語科目で採点ミスがあったことを明らかにしました。このミスにより、本来合格であった9人が不合格とされていたことが分かり、大学側はこれらの受験者を追加で合格とする措置を取ると正式に発表しました。
採点ミスの発覚経緯
- 今年2月に実施された国際経済学部の一般選抜(A日程2月9日、B日程2月22日)で、英語科目の選択問題の一部が正しく採点されていないことが判明しました。
- 8月1日に大学のWebサイトで試験問題と解答例が公開され、その後7日になって入試問題を扱う出版社から「解答に誤りがあるのではないか」との指摘が寄せられました。
- 大学側が再調査した結果、それぞれの試験で1問ずつ正答を不正解として誤採点していたことが明らかになりました。
- この誤採点により、不合格となった311人の英語答案を大学が再度採点。そのうち9人が追加で合格となるべき受験生であることが分かりました。
大学の見解と謝罪
今回の採点ミスについて、新潟県立大学の若杉隆平学長は「なぜこのようなミスが生じたのかをきちんと検証し、再発防止策を講じていく」との方針を示し、今回不利益を受けた受験者及び保護者をはじめ、関係者に向けて深く謝罪しました。
また大学は、今回の問題を厳粛に受け止め、「今後同様のミスが発生しないよう、入試業務の手順や体制を見直す」と表明しています。
追加合格となった受験生への対応
- 追加合格となった9人の受験生には、大学から個別に連絡を取り、入学の意向を確認します。
- 入学希望者には、学業の進行や住居探しなどにかかる負担を十分に配慮し、可能な限り履修の支援や費用の補償を行うことを約束しています。
- もし今年4月に本来なら入学していた場合に必要なかった費用についても、大学側が補償します。
- 進学時期が遅れることによる卒業時期の遅れについても、卒業見通しに影響が出ないよう特別な配慮をするとしています。
今後の再発防止と検証作業
県立大学は「なぜ、どのようにして今回のミスが起きたのか」について、詳細な内部調査と検証を実施し、外部有識者も交えた再発防止策の策定に取り組む考えを示しています。
また今後は、公開する解答例などの内容を、複数人でチェックするなど入試管理体制の見直しや、入学審査・採点プロセスにおけるダブルチェック体制の導入が進められる見通しです。
新潟県立大学の信頼回復に向けて
- 受験生や保護者の皆様が安心して入試を受けられる仕組み作りが、大学にとって大きな課題となります。
- 今回のケースを教訓とし、公正で透明性の高い入試運営が求められます。
- 学外の出版社による指摘が契機となり採点ミスが発覚したことから、大学だけでなく社会全体で教育機関の監視や協力体制の重要性が増しています。
入試ミスによる影響
今回の採点ミス問題は、受験生の人生設計や家計面にも大きな影響を及ぼします。特に地方大学での進学では、引っ越しや生活基盤の再構築も発生するため、大学の補償や支援策がスムーズかつ丁寧に行われることが望まれます。
また、社会の信頼を裏切る形となった大学入試制度への不信感を払拭するためにも、県立大学だけでなく各大学が改めて入試の正確性・信頼性を点検し、再発防止への取り組みを強化する必要があります。
今回のニュースから受け取れる教訓
- 大学入試は受験生一人ひとりの将来に直結する重要なイベントであり、「ミスが許されない」重みがあること。
- 一つの小さな手違いが多くの人に影響を与えることから、緻密な管理と誤りの早期発見・是正の仕組みづくりが不可欠であること。
- 外部の視点での点検(出版社からの指摘など)が大きな事故を防ぐ機会になること。
まとめ:新潟県立大学の今後に期待
今回の採点ミスは、大学側の基礎的な業務管理体制への警鐘と言えますが、誤りを認めたうえで責任ある説明と誠実な補償に努めている姿勢も見て取れます。
追加合格とされた9人をはじめ多くの関係者にとっては大変な困惑と負担となりましたが、今後は新潟県立大学が教訓を生かし、社会から信頼される教育機関へと再び歩みを進めることを切に願っています。
今後の入試制度の信頼回復のためにも、学校内外での再発防止とサポート体制の充実が広がるきっかけになることを期待したいと思います。