新東名高速道路・国内最大級アーチ橋「河内川橋」名称お披露目 山北町に新たなランドマーク誕生

2025年9月15日、神奈川県山北町で建設が進む新東名高速道路の国内最大級アーチ橋の名称が正式に発表され、地域をあげての記念イベントが行われました。新たに名前が付けられたこの橋は、山北町を東西に貫き、景観と利便性の両面で町のシンボルとなることが期待されています。本記事では、この橋の詳細や名称決定までの道のり、今後の山北町や新東名への影響について、分かりやすくお伝えします。

日本最大級バランスドアーチ橋「河内川橋」とは

「河内川橋」は、新東名高速道路の新秦野IC〜新御殿場IC間、全長およそ27kmにおける“最後の未開通区間”の中心的な構造物です。橋の下を流れるのは丹沢山地からの清流・河内川。最大支間長220m、川面からの高さ約125m、上り線771m・下り線692mというスケールで、現存する同構造の橋としては国内最大級となっています。

  • バランスドアーチ橋という形式を採用
  • 国道246号からも遠望可能な圧倒的な大きさ
  • 建設地は丹沢山地の急峻な地形、難工事を極める中での施工

名称公募からお披露目までの経緯

2025年2月、山北町の町政70周年記念事業の一環として、橋の名称が全国から広く公募されました。山北町ならではの自然や歴史、未来への願いなど、さまざまな想いが込められた多くの応募が寄せられました。

  • 名称公募期間は2025年2月1日から同年5月6日まで
  • 応募対象は全国、インターネットで受付
  • 選定委員会が名称とその由来・思いを評価し選考
  • 最終選考の末、山北町内を流れる河内川と一体感ある「河内川橋(かわちがわばし)」という名前に決定

名称お披露目の式典では、選考に携わった委員や町の関係者、そして未来を担う地域の子どもたちも参加し大きな拍手に包まれました。その姿は町の新たな時代の幕開けを象徴する風景となりました。

工事進捗と技術的特徴・地域社会への影響

河内川橋は、両岸の急斜面に立つ橋脚からバランスよくアーチ状に橋桁を伸ばす「バランスドアーチ方式」で、左右から徐々に橋を伸ばして中央で「閉合」というつなぎの工程を迎えようとしています。多くの専門家の技術と工夫、現場作業員の努力が結実しつつあります。

  • 橋脚の高さや工事現場のアクセス困難さなど、高難度の工事
  • 特殊なクレーンや足場、「やじろべえ」のように橋桁をバランスさせる施工方法
  • 完成すれば日本有数の土木技術の粋を集めたランドマークに

2027年度中の開通を目指して工事が最終段階に入っており、橋のほかにも「山北スマートIC」が河内川橋西側の山の上に建設中です。現在の東名高速道路・大井松田〜御殿場間には25km以上ICが無く、この新設で地域の利便性は格段に向上する見通しです。

地域の子どもたちや住民の声――新たな誇りと期待

河内川橋の建設現場では、地域の親子連れを対象とした見学会が実施され、そのスケールや土木の迫力に圧倒された小学生たちから「スゴい!」「大きすぎてびっくり!」という声が上がるなど、橋はすでに地域の誇りになりつつあります。

  • 見学会では普段見られない工事現場に子どもたちが大興奮
  • 将来の地元インフラを間近で体感できる貴重な機会に
  • 地域の歴史や暮らしと密接につながるインフラの大事さを実感

橋の完成と新IC開通によって、山間部がより身近な存在になるほか、災害時の緊急輸送路や、観光・経済活性化の拠点としても大きな効果が期待されています。東名が通行止めの場合、並行する国道246号がしばしば渋滞する現状を改善する形で、周辺地域の交通混雑も大幅に緩和できるでしょう。

今後の展望と山北町への期待

河内川橋と山北スマートICの完成は、山北町の産業・観光・生活に大きな変化をもたらすとともに、日本の土木技術の高さを示す全国的な注目スポットとなることが見込まれます。町政70周年という節目に誕生した新たなランドマークを、地域の皆さんが誇りとともに大切に育てていくでしょう。

  • 新たな観光スポット、絶景ポイントの誕生で地域振興が期待
  • 全天候型・高規格インフラにより、安全性・防災性も強化
  • 「新東名」の名を体現する、未来志向の交通ネットワークへ

丹沢湖と丹沢山地に抱かれた自然豊かな山北町。そこに生まれた「河内川橋」は、地域の歴史と未来をつなぐ象徴とも言える存在です。これからも多くの人々がこの橋の完成を見守り、訪れることで、山北町の新たな物語が紡がれていくことでしょう。

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