松たか子が喪失を抱える彫刻家役で主演、深田晃司監督の最新作「ナギダイアリー」9月25日公開決定

映画界の大きなニュースが飛び込んできました。実力派監督・深田晃司氏と、多くの映画ファンから愛される女優・松たか子さんが初タッグを組んだ映画「ナギダイアリー」が、9月25日に全国公開されることが決定したのです。

この作品は、深田晃司監督が2017年の企画立ち上げから9年の歳月をかけて完成させた渾身の一作。平田オリザが第39回岸田國士戯曲賞を受賞した代表作「東京ノート」から着想を得て、深田監督自らがオリジナル脚本を執筆しました。

物語の舞台と登場人物

本作の舞台となるのは、岡山県奈義町をモデルにした「ナギ」という自然豊かな町。松たか子さんが演じる主人公・寄子は、ある喪失を胸にひとり彫刻制作に没頭する彫刻家という複雑で深みのあるキャラクターです。

物語は、東京と台湾で建築家として活躍する友梨(石橋静河)が、彫刻のモデルを務めるため数日間の休暇をとって寄子のもとを訪れるところから動き出します。寄子の幼なじみで若くして妻を亡くした好浩役には松山ケンイチが出演。穏やかな日常が揺らぎ始めた寄子と、彫刻のモデルを務める中で寄子の知られざる喪失に触れる友梨の変化を通じて、深い人間ドラマが展開します。

松たか子さんが語る撮影の想い

初めて深田晃司監督とタッグを組むことになった松たか子さんは、癒えない喪失を抱え、ひとり彫刻制作に没頭する主人公・寄子という複雑なキャラクターを体現しました。

撮影を終えた松たか子さんは、あたたかいメッセージを寄せています。「奈義町での約1カ月は、静かで、なんだかんだあっても平和で、様々なことに知恵を絞って、皆で助け合った日々でした。そんな生活の中で撮影したお話、楽しんでいただけたら幸いです」と述べ、撮影地の町全体での温かいサポートに感謝の気持ちを示しています。

また、松たか子さんは共演者たちとの関わりも撮影をより充実させた大きな要因だったとコメント。奈義町で撮影隊を支えてくれた町民たちの温かさと、雄大な自然の中で素晴らしい撮影ができたことに喜びを表現しています。

深田晃司監督が語る企画の発端

深田晃司監督は、「淵に立つ」「LOVE LIFE」「恋愛裁判」などの作品でカンヌやヴェネチアをはじめ世界で高い評価を受けている国際的な映画人。本作の企画の発端について、監督は興味深い述懐をしています。

奈義町にある美術館で平田オリザさんの代表作「東京ノート」の映画化ができないかという話が持ち上がり、「『東京ノート』が大好きな私はすぐにその話に飛びついた」と監督は語ります。その後、美術館のガラス窓に映る那岐山を眺めていた際、「ここで東京を舞台にした映画を作るのはもったいない、奈義町を舞台にした『奈義ノート』を作りたい」という衝動に駆られたとのこと。

「東京ノート」の精神を受け継ぎながらも、完全にオリジナルな映画として歩み始めたのが「ナギダイアリー」です。この町との出会いについて、深田監督は「偶然のような、偶然の皮を被った必然のような不思議なもの」と表現しています。

奈義町との深い関わり

深田監督は、企画立ち上げからの9年間で、奈義町に長く滞在することになりました。「奈義町に住み、歩き、眺め、話し、食べ、立ち止まり、雪に埋もれ、また歩き、といった具合で、自分にとってこの作品ほどカメラを据えレンズを向ける(それは暴力的な行為でもある)その土地と人について考えた作品はありませんでした」と、監督の深い思いが伝わってきます。

この言葉から、単なる映画製作ではなく、奈義町という場所とそこに暮らす人々に向き合い、思索し続けた9年間だったことが窺えます。

これまでのキャリアと新作への期待

松たか子さんは、日本を代表する実力派女優として多くの作品に出演してきました。今回、深田晃司監督という大家との初タッグが実現したことは、映画ファンにとって大きな期待を寄せるポイント。松たか子さんの演技力と、深田晃司監督の独特な世界観がどのように融合するのか、多くの映画ファンが注目しています。

共演する石橋静河さんと松山ケンイチさんも、それぞれキャリアを積み重ねた実力派俳優。三人三様の演技が織りなす人間ドラマは、見応えのあるものになることは間違いないでしょう。

公開に向けて

「ナギダイアリー」は2026年9月25日(金)に新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国でロードショーされる予定です。岡山県奈義町という地での撮影を通じて、9年間かけて完成させた深田晃司監督の最新作。喪失と創作、そして人間関係の中での変化を描いた本作は、多くの観客の心に深く響く作品になるに違いありません。

松たか子さんの複雑で繊細な演技、そして深田監督が映し出す奈義町の自然風景と、そこで暮らす人々の温かさが調和した「ナギダイアリー」。秋の公開を前に、ますます期待が高まります。

参考元