世界が注目!スペイン・ブニョールの「ラ・トマティーナ」2025年最新レポート

スペイン東部バレンシア州の小さな町ブニョールで、2025年8月27日(水)、世界最大級のトマト祭りこと「ラ・トマティーナ」が開催されました。毎年恒例となったこの行事には2万人以上が参加し、約120トンもの完熟トマトを、わずか1時間で街中で投げ合うという壮絶で陽気なお祭りです。町も人も、すべてが鮮やかな「赤一色」になるこのスペクタクルは、世界中のメディアを賑わせ、SNSでも多くの投稿でにぎわいました。

トマト祭りってどんなイベント?

  • 毎年8月最終水曜日に開催される奇祭
  • 開催地はスペイン東部・バレンシア州の小さな町「ブニョール」
  • 約120トンの食用トマトを参加者みんなで投げ合う
  • 約1時間で終わる壮絶で楽しいお祭り
  • 投げ終わった街と人が真っ赤なトマト色に染まり、一体感と開放感を味わえる

「もうめちゃくちゃだ!」と、現地を訪れた人たちが口々に叫びながら、トマトで満たされた通りを駆け回り、時には女性が「トマトの海」で泳ぐ姿も見られます。まさに、日常では味わえない解放感を実体験できる瞬間です。

ラ・トマティーナの起源と由来

この祭りが始まった経緯は諸説あり、最も有力なのは1945年にブニョール町で起こった若者同士の喧嘩がきっかけとされています。その際、八百屋のトマトをぶつけ合って騒ぎになり、その珍事が楽しくて翌年以降も続けられるようになりました。今では、地元民と世界中の観光客が一緒になってトマトを投げ合い、友情と平和の象徴とも言われています。

2025年のトマト祭り・現場ルポ

今年も現地では、朝から町中がそわそわとしたお祭りモードに包まれていました。祭りのスタートは午前11時頃、伝統的な儀式「パロ・ハボン」から始まります。石鹸で塗られた棒の先に吊るされた生ハムを誰かが奪うと本格的にトマト投げ合いが始まりますが、「誰も取れないまま」終わる年も珍しくありません。

そして、巨大なトラックが到着し、その荷台から大量のトマトが街中にばらまかれると「トマト戦争」のゴングが鳴り響きます。怒涛の勢いでトマトを投げる人たち、顔面にトマトを受けて喜ぶ人、トマトの海に飛び込み泳ぐ女性、天真爛漫な笑顔があふれる光景となりました。取材によれば、今年投げたトマトは約120トン。食用として出荷できないトマトを有効活用し、食品ロスを低減するという社会的な意義もあります。

祭りが進むにつれて、路地や広場、家の壁までもが赤く染まり、お互い知らない参加者同士も自然に笑顔でトマトのキャッチや投げ返しを楽しんでいました。トマト投げは、時間内のみ、安全に配慮しながら行われており、怪我がないように「トマトは潰してから投げる」「危険行為は禁止」といったルールが徹底されています。

参加者の楽しみ方と注意点

  • 汚れてもよい服装・靴を着用する(おしゃれ着NG!)
  • 目を保護するためのゴーグルは必須
  • スマホや貴重品は防水ケースで厳重管理を
  • 髪や肌についたトマト汁は祭り後すぐにシャワーで洗い流す
  • 終了後は着替えて地元グルメや観光も楽しもう

小さな子供を連れての参加や女性参加者も多く、家族連れでも安心して楽しむための対策が講じられています。祭りの正式チケットは公式サイトで事前購入が必要で、人数制限もあるため早めの準備が大切です。

祭りの後も心に残る体験

トマト祭りの終わりには、皆がぐったり倒れこんだり笑い合ったり、まるで一日で一生の友達ができるような感覚に包まれます。参加者たちは地元レストランでスペイン料理やワインとともに余韻を楽しみ、町はしばらくトマトの香りが残ります。近隣のアートマーケットや音楽イベントにも足を延ばす観光客の姿が見られ、祭りの余韻は夜まで続きます。

地元と観光客の交流、社会的価値

ラ・トマティーナは単なる「騒ぎ」ではなく、地域経済への貢献や人々の心の解放、国際的な交流の場としても認められています。使われるトマトは食用に適さないもののみを活用しており、祭りがなければ廃棄されたトマトに命を与える「サステナブルなお祭り」としても評価が高まっています。

また、祭りを通じて世界各国から観光客が訪れることで、地元経済や文化交流にも大きな影響を与えています。現地住民も「トマト投げで世界中の人と繋がれる」と語り、今年も大きな友情と感動を残す1日となりました。

2025年トマト祭りまとめ

  • 開催日:2025年8月27日(水)
  • 開催地:スペイン・バレンシア州ブニョール
  • 参加人数:2万人超
  • 使用トマト:約120トン(廃棄予定品を活用)
  • 祭りの流れ:パロ・ハボン → トマト投げ(1時間、号砲で終了)
  • 現地情報:服装・持ち物の備えが安心、祭り後はシャワー&観光もOK

スペイン・ブニョール発のラ・トマティーナは、2025年も「真っ赤な熱気」と「国際的な一体感」に包まれて大盛況のうちに終了しました。トマトにまみれて笑い合う人々の姿は、世界中に「陽気な友情」と「平和の象徴」として強く心に残ります。そして、来年も再びこの街に歓声が響くことでしょう。

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