講談師・宝井琴鶴の芸道20周年を彩る特別企画が続々と展開
2025年、講談界で注目を集める講談師・宝井琴鶴が芸道20周年という節目の年を迎えています。この記念すべき年に、ぴあチケットを通じて様々な特別公演のチケットが発売され、講談ファンの間で大きな話題となっています。
宝井琴鶴という講談師
宝井琴鶴は神奈川県横浜市出身の講談師で、幼い頃から講談に親しみ、中学生時代には宝井講談修羅場塾に通い始めるという、まさに講談とともに育った人物です。2006年4月に師匠である宝井琴星に入門し、宝井琴柑として講談の道を歩み始めました。その後、2010年6月に二ツ目に昇進し、2019年10月には真打に昇進して五代目宝井琴鶴を襲名しています。
琴鶴の特徴は、神奈川を舞台にした創作講談と古典講談の両方を巧みに演じることです。2019年5月からは横浜にぎわい座で「宝井琴鶴 神奈川をよむ」というシリーズを開催し、2024年には登竜門シリーズを卒業して芸能ホールへと進出しました。現在は弟子の宝井琴人を育成しながら、精力的に活動を続けています。
師匠・宝井琴星との深い絆
琴鶴の師匠である宝井琴星は、弟子の成長を温かく見守り続けてきました。芸道20周年という特別な年には、師弟による親子会も企画されており、2025年11月2日には日本橋社会教育会館ホールで「宝井琴鶴 芸道20周年記念 宝井琴星・琴鶴親子会」が開催される予定です。この公演は18時45分開演(18時20分開場)で、料金は3000円(整理番号順入場の自由席)となっています。
芸道20周年記念企画「四季の琴鶴」シリーズ
2025年の芸道20周年を記念して、琴鶴は「四季の琴鶴」という特別な企画を展開しています。このシリーズは四季それぞれをテーマにした公演を行うもので、春と夏の公演が特に注目を集めています。
春の公演『人情匙加減』
春の公演では『人情匙加減』という演目が披露されました。この公演にはゲストとして琴調も出演し、講談の魅力を存分に伝える内容となっています。人情噺は講談の中でも特に観客の心に響く演目であり、琴鶴の語り口の巧みさが光る作品です。
夏の公演『魚屋本多』
夏の公演では『魚屋本多』が上演されます。この演目は講談の古典作品として知られており、魚屋を営む本多という人物を中心とした物語です。琴鶴がどのような解釈と語りでこの古典を現代に蘇らせるのか、多くのファンが期待を寄せています。
ぴあチケットでの販売とその意義
これらの特別公演のチケットは、ぴあチケットを通じて販売されています。ぴあチケットは日本を代表するチケット販売プラットフォームであり、演劇、音楽、スポーツなど様々なジャンルのイベントチケットを取り扱っています。講談のような伝統芸能のチケットもぴあを通じて購入できることで、より多くの人々が気軽に講談に触れる機会が提供されています。
2025年10月にはジャパン・アーツぴあオンラインチケットでも発売情報が公開されており、オンラインでの購入がさらに便利になっています。スマートフォンやパソコンから24時間いつでもチケットを購入できる環境が整っていることで、仕事や家事で忙しい人々も自分の都合に合わせてチケットを確保することができます。
琴鶴の代表的な演目と活動
「恩愛の管鍼 杉山和一」への情熱
琴鶴が特に力を入れている演目の一つが「恩愛の管鍼 杉山和一」です。これは江戸時代の鍼師・杉山和一(杉山検校)の物語で、江の島弁財天を信仰したことにより管鍼術という療法を創案し大成した人物を描いた作品です。
琴鶴は視覚障がい者団体である桜雲会との交流を通じて、視覚障がい者にとって杉山検校が特別な存在であることを深く理解しました。初演の際には江島神社を参拝した視覚障がい者の方々と半日行動を共にし、鍼灸師などその道のプロからも話を伺うという貴重な体験をしています。この演目は2024年11月11日に横浜にぎわい座の芸能ホールで披露され、琴鶴にとって格別の思いがある作品となっています。
「倭建命」の連続講演
二ツ目時代に書き下ろした「倭建命」を練り直し、なかの芸能小劇場で連続公演を行っています。この公演はオフィス10の主催で、木戸は3000円、初めて割(自己申告制)では500円引きとなっており、お得なセット券(回数券)も用意されています。
多彩な公演活動
琴鶴の2025年の活動は非常に精力的です。9月には上野広小路亭で「しのばず寄席特別興行 鯉昇 琴星 琴鶴 三人会(三)」が開催され、師匠との共演が予定されています。また、9月24日には「よむ×うなる×かたる 落語・講談・浪曲の会 第1回」という新しい試みにも参加し、落語家の三遊亭圓雀、三笑亭可龍、浪曲師の澤雪絵(曲師:玉川鈴)との共演が実現します。
11月15日には横浜にぎわい座芸能ホールで独演会が予定されており、11月16日には旭堂南龍との二人会がアートスペース兜座で開催されます。12月4日には第4回立川小春志・宝井琴鶴二人会が上野広小路亭で行われるなど、年間を通じて多様な形式の公演を展開しています。
次世代への講談の継承
琴鶴は公演活動だけでなく、次世代に講談を伝える活動にも力を入れています。各種学校公演や出前授業(芸術鑑賞会、道徳、総合、国語、歴史、パフォーマンス)を実施しており、文化庁、文化財団、ロータリークラブの教育支援、学校など様々な依頼主から公演を請け負っています。
対象は1クラスから1学年、全校まで規模に応じて対応しており、福祉関係のイベントやオンライン授業の開催実績もあります。2025年6月30日には川越の塙保己一学園で「恩愛の管鍼 杉山和一」を弟子の宝井琴人とともに披露する予定で、特別支援学校での講談イベントとして埼玉ソロプチミストカメリアが主催しています。
講談の魅力と現代での意義
講談は日本の伝統的な話芸の一つで、張り扇を使いながらリズミカルに物語を語る芸能です。落語とは異なり、歴史上の人物や事件を題材にした軍記物や伝記物、人情噺などが主な演目となっています。
琴鶴のような若手真打が活躍することで、講談という伝統芸能が現代においても新しい息吹を吹き込まれています。特に神奈川をテーマにした創作講談は、地域の歴史や文化を再発見する機会となり、地域住民にとっても親しみやすい内容となっています。
芸道20周年が持つ意味
芸道20周年という節目は、一人の芸人にとって非常に重要な通過点です。入門から20年という歳月は、技芸を磨き、芸風を確立し、自分なりの講談の世界を築き上げるのに十分な時間です。琴鶴の場合、二ツ目を経て真打となり、さらには五代目という名跡を襲名するという着実な歩みを重ねてきました。
この20周年記念企画は、これまでの歩みを振り返るとともに、次の20年に向けた新たなスタートを切る機会でもあります。「四季の琴鶴」シリーズや師匠との親子会など、様々な形式の公演を通じて、琴鶴の芸の幅広さと深さを観客に示すことができます。
今後の展開への期待
ぴあチケットを通じて販売される琴鶴の公演チケットは、講談という伝統芸能をより多くの人々に届ける重要な役割を果たしています。オンラインでの購入が可能になったことで、若い世代や講談に初めて触れる人々にとっても、チケットを手に入れる心理的なハードルが下がっています。
琴鶴の活動は、横浜を拠点としながらも全国各地に広がっており、新潟での公演や東京都内の様々な会場での公演など、地理的な広がりも見せています。また、落語家や浪曲師との共演など、ジャンルを超えた取り組みも積極的に行っており、伝統芸能全体を盛り上げる活動にも貢献しています。
芸道20周年という節目の年を迎えた宝井琴鶴の今後の活動に、多くの講談ファンや伝統芸能愛好家が注目しています。ぴあチケットで販売される公演のチケットを手に入れて、生の講談の迫力と魅力を体験してみてはいかがでしょうか。四季それぞれのテーマで展開される特別企画は、講談の多様性と奥深さを知る絶好の機会となるでしょう。